対魔忍RPG 「ジューンブライド狂想曲」&「早く来い来いお正月」 制作雑感

あけましておめでとうございます。

 

対魔忍RPGのイベント「早く来い来いお正月」が開始された。
その名の通り、大晦日から元旦までのストーリーだ。

お正月にふさわしく、一年前の「迎春!猪パニック」、半年前の「ジューンブライド狂想曲」、その他諸々のイベントで登場したキャラ、そして初登場のキャラがお祭り騒ぎするストーリーになっている。

私が担当した「ジューンブライド狂想曲」とあわせて、今回の制作雑感も二本立てでお送りする。

 

ジューンブライド狂想曲

こんなブログを書いていて、企画当初からずっと制作に参加しているように思われるかもしれないが、実はちょくちょく現場から離れている。
お蔵入りなったBLとか、こちらは発売された「正義の変身ヒロインを支える俺と悪の女幹部 」とかをやっている間だ。

 

ジューンブライド狂想曲は、いきなりエロシーンを25人分ほど書いて抜け*1、しばらくして「雷撃の対魔忍」、「殺人鬼ソニア」、「稲毛屋のアイス」などを作ってまた抜けて、さらに1年ほとたってから作ったものだ。

 

その頃には、もう対魔忍RPGのサービスも始まっていたので、実際にどんなものか把握した上で設計できるようになったのが、それまでとの大きな違いだ。
今までに何度かこのブログでは、メインイベントで出していないキャラや場所を出さないようにするとか書いていたが、いざ蓋を開けてみれば単発イベントでキャラが初登場など普通にあったので、もう気が楽だった。

 

実際、このイベントでアンジェが初登場する。ウェディングドレス姿で。

それがこれだ。

【ジューンブライド】アンジェ

 

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作画はのぶしと氏。
エロゲ業界に入った当初からの長い付き合いで、お互い名前が少し違うがシルキーズの「肉体転移」、リリス作品では「魔法少女フェアリーナイツ」などで組んでいる。プロフィール画像のあぐらをかいて椅子に座っている私の絵は氏に描いてもらったものだ。

 

イラストは、アンジェがウェディングドレスの裾を握ってこちらに駆けてくるというもので、ダスティン・ホフマンの映画「卒業」のラストシーンを思わせるような可愛らしさだ。*2
ということで、イベントもふうま君とアンジェが一緒に五車町を逃げ回るような内容になった。

 

アンジェはそれまで書いたことがなかったが、決戦アリーナのエロシナリオはあったし、ウェディングドレスのイラストも色つきであったので、イメージの把握は容易だった。
なにより、まだイベントに出ていないだけで、プレイアブルキャラとしては登場していたので、ゲームを立ち上げるだけで、やる気があるんだかないんだか分からない、常にほわんほわんとしたキャラが一発で分かる。
やはり実際についた声を聞けるのは大きい。
奥義の回復技を使う時の「もうだいじょうぶ」という気の抜けた声が実にいい。

 

キャラが把握できたらストーリーを作るだけだ。

しかも、その条件として、
・【ジューンブライド】アンジェをイベント内で登場させること。
・アンジェ自体が初登場なので、まずローンチのアンジェを使ってキャラ紹介をしてから衣装チェンジすること。
・ウェディングドレスなのでコミカル展開が良さそう。

とまで指定してあった。至れり尽くせりだ。

 

私が考えたのは、どうしてウェディングドレスになるのか、その後のドタバタ、ラスボスとオチだけである。
それもたいして悩まなかった。

 

6月のイベントだから、ジューンブライドの婚姻の女神をボスにしよう。
そいつのせいでアンジェと結婚させられそうになってウェディングドレスに変身、誤解した連中に追いかけられる。
最後は婚姻の女神とバトルして解決。でも、やっぱり皆に責められるオチ。
せっかくだから、自分でシナリオを書けなかったクリアを出そう。

 

といった骨子はすぐに考えつき、後はそれを肉付けしただけだ。楽なものだ。

気を遣ったのはむしろ、ふうま君とアンジェのウェディングカップルを見て、蛇子、ゆきかぜ、若さくら、クリアがどんな反応をするかだ。
そこは各キャラのふうま君への気持ちも含め、じっくり考えた。

 

つまり、こんな風にだ。

 

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蛇子

昔からふうまちゃんが好きだが、距離が近すぎるので気持ちに気づいてもらえない。今すぐ関係をはっきりさせたいほど焦ってはいないが、最近、ふうまちゃんの周りに可愛い子が続々現れているのでやきもきしている。

 

 

 

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ゆきかぜ

まだはっきり好きというほどではないが、ふうまがちょっと気になっている。自分を飾らずに付き合える、今までにいなかったタイプの男子。知らない女の子とイチャイチャしているのを見るとイライラする。

 

 

 

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若さくら

異世界で一人ぼっちの自分が表面上は気楽にしていられるのはふうま君のおかげ。ちょっと好きになってきているが、いずれ自分は元の世界に帰るつもりだし、一線を越えるのはまずいよねと思っている。

 

 

 

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クリア

ふうまに近づく悪い女はくちくする。

 

 

 

 

 

エロシーンはさておき、メインストーリーにおける各キャラのふうまへの恋心が今ひとつはっきりしなかったのだが、この時点ではこれくらいだろうと思って書いた。
アフレコもないのでシナリオに注釈もいれなかったし、単に私がこんな風に考えて、一連のセリフをひねり出しただけだ。
シナリオにNGもでなかったので、当たらずといえども遠からずといったところか。
実際はどうだか知らないし、これが正解と言うつもりもない。

 

「はじめに気持ちがあって言葉がある」とは、「ガラスの仮面」の北島マヤの名セリフだが、そうやって出てきた言葉から受け手がどういうキャラの気持ちを想像するかは千差万別で、書いた私にもコントロールできないのが難しいところだ。

 

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それはそれとして、個人的には若さくらのポジションが好きだ。
結ばれた後の切ない別れを予感させるのがいい。
お別れのシーンは、ハクション大魔王の最終回とか、ドラえもんのび太の宇宙開拓史」とかでいきたい。
「あの若いさくらと会うことはもう二度となかった」
なんてふうま君のセリフで締めると決まるのだが、仮に今後そういう話があったとしても、その後でまたしれっと出てくるだろう。
そういうもんだ。


一方、恋人候補ではないが、ふうまとアンジェを見た大人さくらと紫の会話も気に入っている。
アミダハラ監獄」のときも書いたが、年齢的にそろそろやばいにもかかわらず、いまだに王子様願望があるさくらと、アサギ一筋なので婚期など気にしていない紫が対照的だ。

「恋の逃避行みたいで憧れる」というさくらに対し、「いい年して」と冷たく突っ込む紫、実に良いコンビだ。

 

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実はその後、こんなやりとりも書いてみた。

 

「でもムッちゃん、想像してみなよ。お姉ちゃんとムッちゃんとでお揃いのウェディングドレス着て、恋の逃避行とか憧れない?」
「わ、私とアサギ様がお揃いのウェディングドレス?? ―――うっ、ぶっはああああああ!!」

「うわああああああっ!! ムッちゃん、鼻血! 鼻血! すごいことになってるよ!!」
「お、お前がおかしなことを言うからだ! ペアルックで恋の逃避行とか……ぶっふううううう!!」
「だから鼻血! 鼻血!! 不死覚醒でも止まんなくなってるってば!!」
「と、止まるわけないだろ! 人を殺す気かあ!」

 

ムッちゃんが出した赤い煙幕のおかげで、ふうま君とアンジェが逃げおおせるといった展開だが、あまりにもふざけすぎな気がしてボツにした。

 

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さて、ボスキャラのジュノだ。

最初はもっとまともな女神を設定していた。
婚姻の女神にふさわしく、見るからに優しげで神々しくて、本当に善意でふうま君とアンジェを結婚させようと祝福する。

だが、二人がまったく結婚する気がないのを後で知って、私に祝福させておいてどういうことだと、優しい女神が激怒して襲ってくるという展開だ。

 

それが性悪ロリ女神になり、単なる悪意で結婚させられることになった。
結局、もうジューンブライドが終わっていて残念でしたという、だんだん一休さんじみてきたふうま君のとんちで危機を脱するのだが、ジュノを性悪にしたことでキャラが立ち、これを作った時点ではもちろん考えていなかったが、次の「早く来い来いお正月」でも出しやすくなった。

 

 

早く来い来いお正月

これもストーリーはおまかせだったが、やはり発注時にこの【初詣の魔女】リリスの絵が色つきで完成していた。

 

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旭氏はとんでもないものを描いてくれた。

かわいさ爆発だ。
巫女さんがいるのはもちろん神社。
イベントがあるのはお正月。

ということで、神社で新年のカウントダウンにまつわる話にした。


そして、お正月に家族や友人と久しぶりに会ったり、逆に初めての人と知り合ったりするように、今までのイベントに出てきたキャラやネタを拾いつつ、イベントには登場していないキャラも出して、新年らしい賑やかなストーリーを作ることにした。

 

導入はいつものメンバーで集まるところからだ。
つまり、蛇子、鹿之助、ゆきかぜ、若さくら、クリア、カラス(ヤタガラスの子供)だ。
クリアとカラスはレギュラー化を狙ってことあるごとに登場させている。
晦日の夜、みんなで待ち合わせて、わいわい喋りながら神社に行く。
実に学生っぽいイベントだ。

私にとっては大昔すぎて淡い思い出でしかない。
よく考えたら女の子と待ち合わせて新年のカウントダウンなんて経験もなかった。
まあいい。

 

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ともかくプロットでは、さくらの世界ではその神社がなくなっていて、いかにも事件が起こりそうな場所という情報を出すことしか決めていなかった。
それだけ話しておしまいというのも寂しいので、残りの会話はすべてシナリオの時に即興で考えたものだ。
友達同士で集まってとりとめなく喋っている感じにするため、ふうま君のモノローグは入れていない。セリフの掛け合いだけだ。
こういうストーリーの本筋とはまったく関係ない日常のやりとりは書いていてとても楽しい。
いつか女の子だけを集めてパジャマパーティーとかやってみたいものだ。

 

ところで、ふうま君がいない間、自宅の方で時子 災禍天音が盛り上がっているという話をちょっと書いたら、思った以上に反応があった。
というのも、天音はプレイアブルキャラでは出ているものの、これを作った時点でも、イベントが行われている現時点でもストーリーに登場していないからだ。
実際、里にいるかどうかも分からなかったので、まずかったら天音を消してくれと注釈をつけておいたら、そのままになった。どうやらいるようだ。

次は噂話ではなく、本人のイベント登場を期待したいところだ。


さて、山の上には神社がある。
対魔忍にとって由緒正しい神社で新年を迎えるのだから、対魔忍スーツで正装ということにした。

もちろん素材の使い回しのためだ。

 

素材の使い回しといえば、対魔忍RPGの背景はそれまでのリリス作品からもってきている。
対魔忍シリーズがそうであるように、リリスは近未来のSFチックな舞台でバトルヒロインが陵辱されるゲームを多く作ってきたので、神社なんて場所はあまり出てこない。

 

それでも探せばあるもので、というか私が手がけた「AYAME~人形婬戯~ 」、「雷光の退魔師ナナホ~淫神復活~」で神社に行っている。自分で発注資料を作ったので覚えていた。
だから、そのときの素材を使えばいいだろうと考えていたが、いざ手持ちの背景を確認してちょっと困ってしまった。

 

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これはAYAMEの神社。

田舎の神社という感じで悪くはないが、夜のバージョンを作っていなかった。

 

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ナナホの神社がこれ。
こちらには夜があるが、というか夜しかないが、境内の真ん中に淫神を呼び出すための怪しげな飾りがあって、すでに空間が歪んでいる。クライマックスにしか使っていないからだ。
猫魔神バステトが出てきてからならいいが、普通の状態では使えない。

 

そういえば、シナリオを手伝った「ゆずみなつ」でも神社に行ったなと調べてみたら、この縁日の背景しかなかった。

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さあてどうしよう。
AYAME神社の夜バージョンか、ナナホ神社の飾りなしを新たに作ってもらうか? 

でも、できればバンクでいきたい。

というわけで、自分が関わっていない作品も含め背景素材を総ざらいしてみたら、「クルースニク~催淫に悶える吸血鬼ハンター」にこんなのがあった。

 

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普通の神社だ。しかも昼と夕方のバージョンもあった。素晴らしい。
ありがたく使わせてもらうとして、ナナホからも篝火のある境内だけもってくることにした。それがこれ。

 

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よく見ると、ちょっと怪しげな霧が出たりしていて、雰囲気がいまいち合っていないのは元から作品が違うせいだ。
今後もそういうことがあるだろうが、そこは勘弁してもらいたい。

 

そんな神社には対魔忍がゾロゾロ集まってきている。

これも使い回しだからしょうがないが、モブ対魔忍がみんな戦闘体勢なのがおかしい。

 

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しかもよく見ると、1枚目と3枚目は男女で、2枚目だけ男同士だ。

プレイしてみて「そういう風に指定したっけ?」と気になったので、シナリオを確かめてみたら、私の指定は男同士、男同士、女同士だった。スクリプトのとき変更したらしい。

おかげで2枚目だけ意味深になってしまった。別にいいが。

 

ともかく、そんな対魔忍を大勢見てびっくりしているクリアに、ゆきかぜがお姉さんっぽい言葉をかけているのがいい感じだ。

このセリフはごく自然に出てきた。
自分で書いていて、キャラの成長を実感できる瞬間だ。

 

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神社には怪しいモブ対魔忍の他にも、今までのイベントで出てきたキャラが来ている。

ここで誰を出すか迷ったが、あまり大勢いても手に負えなくなるので、
・ふうまと関わりがあったキャラ
・五車学園の生徒
・こういう集まりに来そうな子
といった条件で考えて、篠原まり秋山凜子喜瀬蛍鳳朱華というラインナップにした。

だから、アサギを始めとする先生たち、柳六穂星乃深月といった卒業生、「そんなちゃらいことができるかよ」とか言いそうな神村舞華などは来ていない。

もっとも、六穂と舞華は「蜘蛛の貴婦人」で仲良くなったので、どこかで一緒に初詣をしているだろうし、舞華はひそかに可愛い物好きなので、とっておきの晴れ着になって、知り合いが誰もいない神社にでも行っているはずだ。

 

ふうまの知り合いのうち、篠原まりだけは上級生トリオとは別に、自分の友達と一緒に来ている。
友達はモブ対魔忍の女子。やはり妙な絵面だ。

 

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そして、ふうま君とは直接話すことがなく、遠くから目を合わせて挨拶するだけだ。
修学旅行とか夏祭りとかでグループ行動をしていたら、仲良くなりたい子が別のグループにいるのを見つけて、なんとか話したかったのだがタイミングが合わなかった。

そんな感じの青春の一幕だ。

 

ただし、まりはふうま君のファンなので、
「来年はわたしもふうまさんと一緒に来たいな。よし、頑張らなきゃ」
とか心の中で思っているはずだ。

また、つい最近知ったのだが、まりは清水神流磯咲伊織と仲がいいようだ。
二人とも設計の時点で絵があったので、ここでまりの友達として顔見せしても良かったかなと今では思っている。

 

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一方、先輩トリオの秋山凜子、喜瀬蛍、鳳朱華は一緒に来ている。

そのうち、凜子と蛍は「その名は峰舟子」で強化外骨格にとどめをさすコンビとして出しているし、私の担当ではないが「カンザキ食堂」で休日に二人で食べ歩きに行くような仲だとも分かっていた。

 

この二人と一緒に来るのは誰かと考えて、最初は“対魔忍に二凜あり”の紫藤凜花を思いついた。
ただ、できればまだ交友関係の分からない先輩キャラを入れて、キャラ同士の繋がりを膨らませたかった。
そこで、凜花については、凜子が誘っても「夜も寒いのもイヤ」と平気で言うくらいの遠慮のない仲であることを示しつつ、「呪いの鏡」で出てきた鳳朱華をメンバーに加えることにした。

 

誘ったのは人付き合いの良い蛍だろう。
朱華は「生真面目であまり遊びにも興味を持たない」というキャラなので、自分から一緒に行きたいと言ったりはしない。
おそらく凜花が誘いを断ったのを横で聞いていて、朱華がちょっと興味をもったのに蛍が気づいて、すかさず声をかけたといったところだ。
朱華は「別に夜は得意じゃない」とか「いま何時?」とか、いかにもつきあいで来ていて退屈しているような素振りだが、内心では「クラスの子と夜中に出歩くなんて初めて♪」と浮かれていたに違いない。


先輩と言えばもう一人、我らがきらら先輩がいる。
もちろん出すことは考えたが、葵渚氏渾身のキャラだけあってあの人は目立ちすぎるし、時にイベントのメインとして、時にふうま君の変わり身として何回も出ているので、今回は遠慮してもらった。

多分、蛇子あたりに声をかけられたものの、一緒に行く面子を聞いて、そうなると自分はみんなの先輩をしなければならないし、本当はふうまと二人っきりで行きたいけれど、そんなことは口が裂けても言えないので、つい用があるからと誘いを断ってしまった。
で、大晦日の夜に、
「やっぱり一緒に行けば良かった~~~! 私のバカバカバカ~~~!」
と、一人ベッドでジタバタしている。
そんな姿がよく似合う。


そうこうしているうちに、ようやく巫女姿のリリスが登場する。

とんでもなく可愛い。

最初、「誰の知り合いだ?」とふうま君が気づかないのは、半ば私の気持ちでもある。
トレードマークの帽子をとって、口を閉じるだけで、えらい美少女になる。
喋りだすといつも通りなのだが。

 

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リリスは「魔女だってクリスマス」以来の登場だ。
巫女の格好でポーズを決めつつ、いつもは大魔女らしい格好云々と言っているが、あの時はサンタだったので、実はふうま君、リリスの普通の魔女姿を見ていない。
そのあたりを突っ込ませて、
「それじゃ、いつもの姿をお見せしますね。ピピルマピピルマ~~~!」
てな感じに魔女姿に戻って、また巫女姿にチェンジという展開を考えなくもなかったが、鹿之助やクリアが「魔女っ子だ!」と大騒ぎしそうだし、すでにシナリオが長くなってきているのでやめておいた。

 

なお、先代リリスの友達でアミダハラに住んでいるノイとは、鋼鉄の魔女アンネローゼに出てきたこの人のことだ。

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多分、ミリアムとも知り合いだろう。
世界観が同じなので、アンネローゼ共々そのうち出てくることもあるはずだ。


そんなこんなでカウントダウンが始まり、新年の一秒前で時間が止まる。

その後は、猫魔神バステトの襲来、また猪に戻ったふうま君、呼び出される三人の猫キャラ、見物しにくるジュノ、助っ人のウェディングドレストリオと目まぐるしい展開になる。

 

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最初のアイデアは「子年だから昔話の猫が恨んで出てくることにしよう」だった。

そこから猫魔神のバステトを考え、まだイベントで出ていない猫耳キャラはいないかなと検索をかけたら、ちょうどクラクルメルシーカノンと三人いた。

トリオで都合が良い。*3

 

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相手が魔神なので、こちらも知り合いの神様のジュノにまた登場してもらうことにする。前にジュノを倒さなくて正解だった。

もちろん性格は相変わらずで、助けてもらうために、実は神殺しの古代龍であるベリリクの友達になってもらった。

 

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ジュノが絡めば当然ウェディングドレスになる。

前回からの繋がりで【ジューンブライド】アンジェは出すとして、他に出せるウェディングドレスのキャラを調べると四人いる。

【射止める花嫁】弓走颯

【二丁拳銃の花嫁】アイナ・ウィンチェスター
【純白と黒翼】ミナサキ
【幻影の花嫁】水城不知火

猫キャラが三人なのでこちらも三人にしよう。
不知火はゆきかぜ絡みの話もあるのでやめておく。
ミナサキも呪いのドレスという設定が面倒なのでパス。*4

アンジェ、颯、アイナにすれば、みんなふうま君と会ったことがあるので紹介もいらなくて楽だ。

 

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また、向こうは知らない連中、こっちは知り合いばかりと対比になる。

ふうま君は去年の始めに猪になっているので、時の止まった世界で動ける言い訳にまた変身してもらおう。

猪だから今年しか使えなかった。ラッキー。

 

といった感じで、たまたまプレイアブルにいたキャラ、たまたまウェディングドレスでは出ていないキャラ、たまたまあった前のイベントやキャラと、色々な偶然をより合わせるようにして、このイベントは作られている。
お正月用のイベントだからか、幸運が味方してくれたようだ。

 

一番の幸運といえば、猫年があったことだ。
ジュノ同様、バステトは倒せないことに決めていたので、じゃあどうやって帰ってもらうかを考えて、何か干支や猫にまつわる気の利いた話でもないかと検索していたところ、ベトナムに猫年があることが分かった。
すでに猫年があるのなら、無理やりならなくてもいいよねという、今回のイベントにぴったりの事実だ。
ありがたく使わせてもらった。

 

猫以外にもいくつか違っているので、日本のものと比較して並べておく。

 

日本
鼠、牛、虎、兎、龍、蛇、馬、羊、猿、鶏、犬、猪

ベトナム
鼠、水牛、虎、、龍、蛇、馬、山羊、猿、鶏、犬、

 

兎が猫になる他、牛が水牛に、羊が山羊に、猪が豚になっている。

ベトナム以外でも、チベット、タイ、ベラルーシなどで、やはり卯年が猫年に変わっている。

さらにブルガリアでは、虎年が猫年になっていて一年早いようだ。

ふうま君はこちらを思い出すべきだったが、話を考えた時点で私が気づかなかったのでしょうがない。

 

また、最初のアイデアでは猫年があることを教えただけでバステトは帰ってくれたのだが、三年もあるのでやはりもう一つ理由が必要だろうと、サーモンの寒風干しのネタがつけ加えられた。
そんなわけで、冒頭でいきなりサーモンを持ってきているゆきかぜが恐ろしく唐突だ。

もっとも今回のイベント、どこもかしこも唐突なので、それでいいことにした。

 

最後はいつものパターン。

ふうま君が女の子みんなに責められて、リリスが新年の挨拶をして終わる。

この一言のためのドタバタだった。

 

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ということで、今年もよろしくお願いします。

 

*1:以下の通り。

SR 
【最強の対魔忍】井河アサギ、水城ゆきかぜ、ナーサラ、リリム、志賀あさつき、沙耶NEO、神村舞華、紫藤凜花

 

HR 
【駆動武装】八津紫、井河さくら、八津紫、高坂静流、リリス・アーベル・ビンダーナーゲル、リーナ、クルミ・S・坂崎、ミラベル・ベル

 

R 
【死霊騎士】ウィスプ、【パーティ】仮面の対魔忍、ふうま災禍、イーオ・オライオン
グラン、上原燐、四條如月、由利翡翠、雪那・グレイス

*2:映画は結婚式を抜け出してバスに乗ってからは暗いムードだが。

*3:実はもう一人、エリカ・ブラックモアが検索にひっかかる。「必要なら猫を被ってあざとく振る舞う」からだ。それで召喚されたら馬鹿馬鹿しくて面白いので出そうか出すまいか迷ったが、やはり長くなるので断念した。

*4:こいつもジュノに呼び出されたものの「時間が止まってるならイタズラしなきゃ」と勝手にどっかに飛んでいってしまう展開を考えたが以下略。

謎の対魔忍「秋山達郎」を追え!! ゆきかぜの元彼、消滅の危機!?

あなたは彼を知っているだろうか?

この絵はおそらく現存する唯一の全身画像だ。

彼こそは、対魔忍世界から消えようとしている秋山達郎、その人である。

 

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昔の怪しいUFO特集みたいな始まり方だが、この前の記事でもちょっと触れた、水城ゆきかぜの恋人にして、秋山凜子の弟でもある、秋山達郎についての記事だ。

 

対魔忍もゲームから始まり、決戦アリーナ、対魔忍RPG、そしていずれ始まるアクション対魔忍と世界がますます広がっている。

 かつてメインの看板だった「対魔忍アサギ」、それに続く「対魔忍ユキカゼ」の両ゲームシリーズ。

私は「対魔忍アサギ3」、「対魔忍ユキカゼ」、「対魔忍ユキカゼ2」のメインライターとしてシナリオを担当している。

 

エロゲーはシナリオが多いため、キャラごとに別のライターが執筆、あるいはエロシーンだけ助っ人が入ることがよくあり、実際にアサギ3はそのパターンなのだが、ユキカゼの二作については全部一人で書いている。*1

 

今までヒロインのゆきかぜや凜子について、かなり書いてきたことになるが、ここまで対魔忍ワールドが大きくなると、もう私以上に彼女たちを担当している方もいるはずだ。

そもそも、エロシーンが山ほど増えた決戦アリーナではあの二人をあまり書いてない。対魔忍ユキカゼ2とのコラボの他は二つ三つくらいだ。ゲーム担当者としてはちょっと寂しい。

一方、ゲームの男主人公だった達郎については、それ以外のメディアでほぼスルーされているだけに、今のところ私がもっとも彼のことを書いているに違いない。

 

しかし近年、達郎の存在がどんどん小さくなっていっている。

設定では、ゆきかぜの幼馴染で友達以上恋人未満の思い人、いやもっと恋人くらいだったにも関わらずだ。

 

例えば、対魔忍RPGにおいて、初期の【雷撃の対魔忍】水城ゆきかぜなどでは、

 

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「勝ち気で負けず嫌い、プライドの高さが玉にキズで唯一心許せる存在が幼馴染の秋山達郎。彼となかなか恋愛関係に進展できないのが悩み」

と、一応プロフィールでは言及されているが、現時点まで一切登場していない。

 

また、近日スタートのアクション対魔忍でも、

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「彼となかなか恋愛関係の進展できないのが悩み」

と彼はいるらしいが、達郎とは書かれなくなった。

 

そしてついに、対魔忍RPG【雷撃のクリスマス】水城ゆきかぜでは、

 

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「勝ち気で負けず嫌い、プライドの高さが玉にキズ」

と、達郎どころか、彼についての文章そのものが消えてしまった。

着実にいなくなっている。

これではプロフィールに「ふうまのことが気になるのだがどうしても素直になれない」とか書かれるのも時間の問題だ。

 

前置きが長くなったが、盛り上がる対魔忍ワールドとは裏腹に、いつの間にかいないことにされそうな達郎のために、なりゆきとはいえ彼を一番書いてきたライターとして、色々と思い返してみることにした。

今となっては、ネタとして達郎のことを知っている人はいても、彼をプレイした人の方が少なくなっている気がするので、まずは最初のゲーム、「対魔忍ユキカゼ」(以下、ユキカゼ1)から見てみよう。

 

対魔忍ユキカゼ

 

 これはオフィシャルサイトのプロフィールだ。 

 

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一応、本作の主人公と書いている。

しかし紹介文はこれだけだ。絵もない。*2

達郎のデザインが存在しないわけではない。冒頭のラフがそれだ。

 

全身像はラフしかないが、ゲームには顔のアップが登場している。

それがこれ。

 

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視線の先には、他の男にやられているゆきかぜの絵が入る。


『寝取られの対魔忍』こと秋山達郎の誕生だ。
この絶望顔はなかなか便利で、右側にゆきかぜと他の男の適当な絵をコラするだけで、新しい寝取られ画像ができあがる。

手元にないのだが、最近だとふうま君とゆきかぜが並んでいるのをよく見る。

 

この顔から分かるように、ユキカゼ1の達郎は単なる寝取られ男だ。それ以外の役割はないといっていい。

一応、主人公なので、プロローグでゆきかぜ、凜子ともに作戦に参加しているが何もやっていない。二人の活躍を横で見ていただけだ。

 

その後、任務に行く前のゆきかぜと普通にキスしてみたり、

 

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凜子にいきなり「SEXしてくれと」と言われたりして(結局しないのだが)、

 

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こいつは寝取られ男ですという伏線を張られ、所々でその役割を果たす以外は基本的に物語上なにもしていない。
二人が任務先で奴隷娼婦になっていることなどつゆしらず、五車の里でのんきに訓練などしている。

 

この訓練で、達郎の忍法を決める選択肢があるのがちょっとおかしい。

 

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ユーザーの選択によって、さくら先生との模擬戦の内容が変化して、それぞれの忍法を生かした戦闘描写など面倒だったのだが、最終的にはどれを選んでも変わらない。*3

 

達郎がどんな忍法を使おうが、奴隷娼婦になったゆきかぜや凜子を助けることは叶わず、五車の里に引きこもって、Y豚ちゃん、R子ちゃんのエロ動画を見ながら、一人寂しくオナニーすることになる。
達郎の出番はそれだけだ。

 

 

対魔忍ユキカゼ2

 

 ユキカゼ1ではさんざんな結果に終わった達郎。

それに比べると、ゲーム二作目「対魔忍ユキカゼ2」では、寝取られ役がメインではあるものの、達郎もストーリーにもちゃんと絡んでいる。

 

オフィシャルサイトのプロフィールも少し文章が増えた。

 

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なんとセリフもついている。

「ゆきかぜを守れる男になるよ!」ときた。

明日を救えバルディオスと同じように、この手の言葉は実現しないことが多いのだが、後述するようにハッピーエンドでは実際に助けているからびっくりだ。

 

相変わらず絵はないが、忍法は風遁の術と決まったようだ。おめでとう。
ここで注目すべきは、達郎の強さのレベルだ。
プロフィールにはこうある。

 

達郎の力は未熟で真空の刃で斬り裂く〝疾風斬”や風を操って盗聴する ”風聴の術”などの初歩的な風遁の術しか使えない。

 

真空斬りといえば、かの赤胴鈴之助も使っていた由緒ある主人公の必殺技だ。
懐かしのウィザードリィ小説「風よ。龍に届いているか 」でも、ずばりニンジャの主人公が素手で、マスターレベルの肉体を限界まで駆使して、ようやく小さな真空刃を出している。

その真空斬りを使える達郎が、未熟だ初歩的だと言われるのだから、いかに対魔忍の戦闘力が人間離れしているかが分かる。

 

ただ、そのわりに達郎はユキカゼ2の本編中、対魔忍として結構活躍している。

ゆきかぜと凜子に先行する形で、高坂静流とコンビで敵地に潜り込み、ジョジョのワムウのように風を身に纏って監視をくぐりぬけたり、自分の声を風で変調して音声認識を突破したり、隠し金庫に罠がないか風で調べてみたり、自分の風では倒せないサイボーグ蜘蛛をその特性を見抜いて上手くあしらったりしている。

 

このへんの活躍、プロットに元から書かれていたものもあれば、私がシナリオでつけ加えたものもある。

忍法も風遁の術と決まったことだし、先行部隊として敵地に潜入する以上、ある程度有能でないと困るので、しっかり描写させてもらった。

 

もちろん、年上で色っぽい静流に遊ばれてオロオロしているのだが、自分にできる範囲の力でちゃんと彼女の役に立ち、対魔忍として信頼もされている。
自信満々で敵地に潜入して、これくらいは大丈夫と思っていたら、いつも罠にどっぷり嵌っている二人組よりましだ。

 

こうしてみると、達郎は戦闘より諜報の方が向いているのだろう。
自分がまだ未熟だと自覚しているので無茶もしない。下調べを重視する。
同じく諜報の静流とうまくいっていたのもよく分かる。

 

この静流とは、敵の媚薬にやられた彼女を救うためという名目ではあるが、なんと童貞まで喪失して、しっかり彼女をアヘらせている。
静流はエンディングによって実は悪堕ちしていたとも、そうでなかったともとれるのだが、どっちの場合でも達郎を気に入っている風に書いている。

 

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このセリフは、静流がイタズラでいきなり背後から声をかけたとき、敵だと思って即座に殺そうとした達郎を受けてのものだ。優しい性格とか設定に書かれてるわりには、殺しを躊躇わないあたりちゃんと対魔忍している。

 

ちなみに、静流が達郎を気に入っているという描写は、対魔忍RPGで私が担当した静流のエロシーンにも入っている。
パイズリ勝負に負けたふうま君が泣き出したのを見て、達郎君の友達だからとおまけで今度一緒に任務をさせてあげるという場面だ。
もっとも、この静流のエロシーン、ごくごく初期に書いたものなので、ふうま君のキャラも違っている。

 

話をユキカゼ2に戻すが、静流にとって達郎は 「頑張り屋さんの可愛い男の子」というポジションだ。
達郎はそんなふうに見守ってくれている年上の女を相手にした方がうまくいくと思う。
この人に認められたいと思って頑張っているうちに、いつの間にか対等の男女の関係になっているというパターンだ。
アサギもそうだが、今までしっかりした年上の顔をしていた相手が、ただの女の顔をする瞬間というのは実にいい。
「男の子だと思ってたら、ちゃんと男の顔になってるじゃない。やだ、甘えたくなっちゃう」とかそういうのだ。私は好きだ。

 

達郎があくまで同年代のゆきかぜを目指すとすれば、「対魔忍としてゆきかぜを守れるように」とか面倒くさいことを考えず、単なるオスとしてもっとガンガン行くべきだろう。
寝取られルートで、ゆきかぜは達郎のことをさんざん「情けないチンポ」とか貶しているが、あれは単に見たことがないか、子供の頃に一緒にお風呂に入ったくらいの記憶から言ってるだけだ。

達郎が静流を本気でアヘらせる都合上、実はなかなかの巨根、普通に犯せば女を堕とせるマジカルチンポ持ちということになっている。
だから、ゆきかぜでも凜子でも思い切って押し倒してしまえば普通に即堕ちする。凜子は姉の自分は二番でいいと思っている節があるので、両手に花であっさりうまくいくだろう。
まあ、それができないから達郎なのだが。

 

さて、ユキカゼ2、ハッピーエンドルートのクライマックス。
ここでようやく達郎、ゆきかぜ、凜子、静流が一緒に行動している。
達郎はチームリーダーとして3人を敵の本拠地に案内し、護衛の配置を考慮しつつ、なるべく敵に合わないように、かつどこかで一網打尽にできるように誘導している。
 

ゆきかぜはそういった達郎の能力や気配りに全く気づいていない。出てくるセリフがこれだ。

 

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すっかり達郎を信頼していた静流に、これこれこういうわけと指摘される始末だ。

凜子はさすがに気付いていたが。
このあたりも、普段はともかく、任務のときには脳筋の彼女をもってしまった達郎の苦労が伺える。

 

ちなみに、このときの会話でゆきかぜが達郎のことを「敵を罠にはめて倒すゲームが得意だった」とも言っている。
タイトルは出していないが、このゲームはテクモの「影牢」シリーズをイメージしていた。
予めトラップをいくつも配置しておいて、敵が一つトラップにハマったら次から次へとトラップを発動させてコンボを繋げ、こちらは遠くから無傷で敵を倒す、その卑劣なやりくちがたまらないデームだ。

シリーズの二作目、PS1の「影牢~刻命館 真章~」がシンプルで一番趣味にあっていて、今でもときおり思い出してはプレイすることがある。

 

www.youtube.com

 

その後、達郎はこの敵を罠にはめる力で、自分を上回る強さの中ボスを一人で倒している。
さらに、大ボスとのラストバトルでは、もう攻撃力は役に立たなくなっていたものの、ゆきかぜを一番よく見ていた達郎が、その大したことのない風遁の力で彼女を救って、大ボスに大ダメージを食らわせることに成功する。

 

この達郎の活躍はプロットにはなく、シナリオで私が書き加えたものだ。
プロットでは、達郎は完全に観戦モードで、ゆきかぜと凜子が二人で勝手に大ボスを撤退させていた。
しかし、達郎視点で書いている以上、いくらなんでもそれはあんまりだと思ったので、「ここで達郎が活躍するのはなし」というリテイクを覚悟して書いたら、そのまま通ってしまった。

 

この結果、大ボスは達郎のことも警戒して去っていく。
いずれユキカゼ3があるとして、邪魔なゆきかぜと凜子のウィークポイントとして、敵が積極的に達郎を狙ってくる伏線にも使えると思っていた。

 

さて、ここまで読んで、対魔忍RPGをプレイしている方なら分かるだろうが、この気づきによって敵を罠に嵌めて勝つ力、ふうま君そのものである。
ゲームが趣味という設定もよりピックアップされ、ゆきかぜもまたゲーム好きという設定が追加されて、二人で仲良くゲームなどしている。
そりゃ、達郎の出番もなくなるわけだ。


このようにユキカゼ3では、ためしに書いてみた達郎の出番がそこそこ残ったわけだが、今度は残らなかった達郎について述べてみる。
つまりシナリオに書いたものの、最終的にカットになったものだ。
対魔忍アサギ3にそんな場面がある。

 

対魔忍アサギ3は時系列的にはユキカゼ2の後にあたるが、発売されたのはユキカゼ1とユキカゼ2との間だ。
私はユキカゼ1を担当したのち、アサギ3を執筆したのだが*4、アサギ3がユキカゼ1の数年後ということで、こんなやりとりを入れていた。

山本部長がアサギ、さくら、紫を集めての会話だ。
当時のシナリオから抜粋する。

 

山本「他の幹部連中はどうした? 紫、九郎は?」
紫「兄上は任務で海外にまだ……申し訳ありません」
さくら「ユッキーや凜子ちゃんは潜入任務中だし……二人ともまた娼館だっけ?」
紫「そうだ。だから時間がかかる」
さくら「あーー、じゃ達郎君はまたヤキモキしてるのか。っていうか、いつになったらケリつけるんだろね、あの三人」
紫「知らん。興味もない」
さくら「つまんないの。ムッちゃん、ほんと人の恋バナどうでもいいよね」
紫「さくらが好き過ぎなんだ。そんなことばっかりやってるから、いつまでたっても恋人の一つもできないんだぞ」
さくら「ぎゃーー、そういうこと言う? 言う? それ言ったらムッちゃんだってず~っと一人じゃん」
紫「わ、私はいいんだ、別に」
アサギ「二人とも馬鹿話は後で」
アサギ「部長。今集まれるのはこの三人だけよ。他は全て任地で指揮を執ってるわ」

 

これが製品版ではこうなっている。

 

山本「他の幹部連中はどうした? 紫、九郎は?」
紫「兄上は任務で海外にまだ……申し訳ありません」
さくら「ユッキーや凜子ちゃんは潜入任務中だし……?」
アサギ「部長。今集まれるのはこの三人だけよ。他は全て任地で指揮を執ってるわ」

  

まるごとカットだ。
ゆりかぜと凜子がまた娼館に潜入とか、達郎がそれを知っていて、かつ三角関係ができあがっていることを匂わせるなど、こんなとこでちょっと書くにはやりすぎだ。カットもやむを得まい。


それからこのシーン。

五車町が急襲を受けたときに、アサギ3のもう一人のヒロイン、甲河アスカ視点のシナリオで、彼女は一人の対魔忍と会っている。

  

対魔忍「アスカちゃん、さくらさんと紫さんはどこかにいるずだ。どうか二人を救出してくれ」
 脱出を率いている対魔忍がアスカに声をかけてきた。
 里きっての剣の達人だが、彼もかなりの手傷を負っている。
アスカ「分かってます、秋山さん。さくら姉たちのとこに、あの馬鹿弟をさらったフュルストとかいう奴もいるんですね!」
対魔忍「そうだ。浩介くんもまだ無事なはずだ」
アスカ「無事じゃなきゃ許しません。ほんと超ド級のウルトラ馬鹿なんだからっ!!」
対魔忍「君たちは変わらずだな。じゃあ、後を頼む」
アスカ「秋山さんもお気を付けて。さっき教えたルートが一番手薄なはずです。でも油断しないでください。敵は恐ろしく綿密に今回のことを計画しています」
対魔忍「そのようだね。こんなに簡単に里が墜ちるとは油断したよ。だが、まだ負けた訳じゃない」
アスカ「ご武運を」
対魔忍「お互いにね」

 

アスカから見て年上の男、名字が秋山、里きっての剣の達人ときて、分かる人には成長した達郎と分かるようになっている。

 

これが製品版でどうなったかというと、セリフはそのまま、一カ所だけ変わった。

 ※『』は私が追記。

 

里きっての剣の達人だが、『彼女』もかなりの手傷を負っている。

 

一字変わって大違いだ。
ボイスも女性になっていた。
私も製品版をプレイするまで知らなかったので驚いた。


ただ、さくらたちの噂で相変わらず情けない達郎の話があって、女性関係はともかく対魔忍としては一人前になったということで達郎を出しているので、さっきのがカットになった以上、こっちの変更も妥当だろう。

 

とはいえ、ここのアスカは昔ちょっと憧れていた近所の対魔忍のお兄さんと会って、「ほら私も一人前の対魔忍になれたんですよ」的な嬉しい気持ちを抑えつつ、背伸びして普通に話しているという、やたら細かいことまで考えてセリフを作ったので、なくなって残念といえば残念だ。

 

前述したように、時系列的にアサギ3はユキカゼ2の後にあたり、その頃、あるいはもっと後に、ゆきかぜたちがどうなっているかはまるで分からないのだが、その点に関して、葵渚氏がインスピレーションを刺激しまくりの素晴らしい絵をツイートしてくれている。

 

 

この絵を見た瞬間、達郎が原因でこんな風になったのだと私は思った。

 

似合う台詞は「私があなたを終わらせてあげる」だ。

 

これが凜子。

 

 

ゆきかぜを守れるような男になりたいという思いの果てに、達郎は禁断の力に手を出してしまう。

凜子は達郎を止めたいと思いつつも、悪の力に飲み込まれた弟のそばから離れることができず、ついに対魔忍からも離反してしまった。

ゆきかぜは二人を追う。好きだった達郎を止めるために。

悪堕ちした達郎の目の前で、ゆきかぜと凜子はついに戦うことになる。

しかしそれこそが淫魔王の企みであった。

三人の愛憎の果てになにが起こるのか。

みたいな話だ。

ま、絶対に違うだろうが。

 

さて、妄想はこれくらいにして、この達郎特集もそろそろ終わりにしよう。

せっかくなので、達郎とゆきかぜとのラブラブなシーンを最後に付け加えておく。
これは妄想ではなく、ちゃんとオフィシャルであったものだ。
ユキカゼ2で、前述したように達郎のフォローで大ボスを撤退させたあとのやりとりだ。

 

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ゆきかぜ「やった~~~~、達郎っ!!」
 ゆきかぜが両手を広げて駆け寄ってきた。
達郎「はは、やったな、ゆきかぜ」
ゆきかぜ「うん、やった、やったよ。達郎っ!」
 ゆきかぜは俺の首にぶら下がるように抱きついてきて、まずキスをしてきた。
 今、ほかにすることはないという感じで強く唇を押しつけてくる。
ゆきかぜ「んっんっんっんん~~~~~~~~~っっ♪」
静流「こら、あなたたち、なにやってるの。一応まだ作戦中よ」
ゆきかぜ「あ……えへへ、ごめんなさい……」
 ゆきかぜは恥ずかしそうに俺から身体を離した。
ゆきかぜ「もうダメだよ達郎、いくら私が恋人で、いくらあんな化け物に勝って嬉しいからって、こんなときにキスとかしたら」
達郎「自分からキスしといてそれはないだろう」
ゆきかぜ「ええ、わたしからじゃないよ」
ゆきかぜ「わたしはちょっと抱きついただけ。達郎が先にキスしてきたんだよ。こういうときだけ大胆なんだから」
達郎「なんでそういう嘘を言うかな?」
ゆきかぜ「嘘じゃないってば! 達郎が先にキスしてきたの! そうなの!」
達郎「お前、顔真っ赤だぞ」
ゆきかぜ「そ、そういうこと言わない。さっきのは自分でもちょっとアレだったかなって思ってるんだから、もうなしなし」
達郎「アレって?」
ゆきかぜ「だ、だから、なんかほら映画のラストシーンみたいな。あるでしょ。最後にヒロインとキスしてハッピーエンド的な――ってなに言わせるのよ、バカ、エッチ!」
達郎「そこでエッチとか言われてもなあ」
ゆきかぜ「いいの! 達郎はエッチなの! エッチに決まってるの!! エッチ!! バカバカ!!」

 

ずいぶんと可愛く書いたもんだ。
ツンデレ娘のデレ爆発だ。ゲームだと声がつくのでさらに破壊力が増す。

達郎も結構ゆきかぜをリードしているのが驚きだ。
消えかけている今とは別人のようだ。

最近はスマホアプリ版もあるようだし、できれば実際にプレイしていただきたい。
 

こんな世界もあったねということで、望み薄だが、達郎の今後のがんばりに期待している。

ではまた。

 

 

 

*1:おかげで凜子を代表する頭の悪いセリフ「い、いきなりこんなチンポっっ!! これがプロかあっ!!」も考えることができた。

*2:対魔忍アサギ3で似たようなポジションにあった浩介にはラフがある。しかし色は付いていない。

*3:と書いたが、コメントで指摘していただいたとおり、実はグッドエンド条件に関わっていたのだった。だから2で風遁の術を使うのか。ごめん、達郎。

*4:もちろん将来ユキカゼ2があることなど知らない。

対魔忍RPG 殺人鬼ソニア & 稲毛屋のアイス 制作雑感

「殺人鬼ソニア」の復刻イベントが開始された。

これも記事を書くなら開催中だろうと、さっくりとまとめてみた。

いつもより少し短いのと、作ったのが同じ時期なので、今回は「稲毛屋のアイス」と二本立てでお送りする。

 

同じ時期と書いたが、以前紹介した「雷撃の対魔忍」、それから「殺人鬼ソニア」と「稲毛屋のアイス」は一ヶ月くらいの間に続けて作っている。

2018年の初め頃、まだまだ制作の初期でなにをしていいのか、なにをしてはいけないのか、今ひとつはっきりしないまま話を作っていたころだ。


ということで、今回もメインクエストと矛盾が起きないように、まだ出ていないキャラを出さない、行ってない場所に行かないという方針でやっている。
別にクライアントからそういう指示が出ていたわけではない。単にそう決めた方が余計な不安がなくて私が楽だからだ。

 

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まず「殺人鬼ソニア」は、メインクエスト7章までクリア済み、ボスがNo.16ソニア*1と言う条件で、ストーリーの方はおまかせだった。


「雷撃の対魔忍」は3章までだったので、4章で出てきた高坂静流が出せるようになったのがありがたい。
対魔忍ユキカゼ2で書いているのでキャラは把握しているし、ちょうどソニアが殺人鬼なので、その抑え役として登場させている。

 

物語は、アサギに呼ばれた主人公がソニアと任務に行くことを命じられて、こいつは死んだはずの殺人鬼云々と語り出すところから始まる。

今だから言うが、これあまり上手くない導入だ。
シナリオのテクニックでいうと、「聞いたか坊主」と呼ばれるもので、例えば、

 

「ねえ聞いた聞いた? 今度越してきたあそこの奥さん、元対魔忍なんだって」
「えっ? 対魔忍ってあの感度3000倍の?」
「そうそう。いやよね、そんな人が近くにいるなんて、子供の教育に良くないわ」
「どうりで引越しの挨拶してきたとき、妙にいやらしい感じだったわ。元対魔忍じゃあね」

 

こんな感じで、噂話の形でキャラの設定をだーっと説明してしまう。

聞いたか坊主の由来は、歌舞伎で幕あきに「聞いたか聞いたか」「聞いたぞ聞いたぞ」と言い合いながら登場し、やはり色々と説明してくれる小坊主からきている。
見たことはないのだが、「道成寺」とか「鳴神」で出てくるらしい。

 

歌舞伎は演目の約束として決まっているからいいが、普通は「消防士を出すならまず火事を起こせ」という鉄則どおり、キャラの設定はだらだら説明するのではなく、出来事で具体的に描写したいところだ。特に登場場面は。

 

例えば、「踊る大捜査線」は、主人公の青島が「昔の刑事ドラマ」まるだしの取り調べをするところから始まっている。
しかも取り調べの練習とすぐにわかり、犯人役をしていたヤクザ顔の先輩刑事に駄目出しされる。
青島のキャラをこれ以上ないくらい分りやすく描写するとともに、 これはそういうメタ視点を含んだギャクもあるドラマですよと、作品の方向性も一発で示す、実にうまい導入だ。

 

こう考えると、ソニアが殺人鬼ぶりを発揮しているところから始めたい。
ただ、手持ちのサンプルは基本的にふうま君視点のみで、それ以外の視点はごくたまに、ふうま君があれこれしていた裏でこのキャラは―――くらいの描写だったので、いきなりソニア視点の虐殺シーンから始めるのもどうかと思ったので、ここは聞いたか坊主で始めている。

 

それでも、冒頭の打ち合わせでソニアが出てきてしまうと、「なんだこいつ普通に話ができるじゃないか」と殺人鬼のインパクトが薄れるので、登場は現地に行ってからにして、出たらすぐにヤクザの事務所に乗り込んで理不尽な殺しを始める展開にしている。
ちょっと遅れたが、噂通りの殺人鬼ぶりをまずアピールしてもらったわけだ。

 

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このヤクザ皆殺し場面を冒頭に持ってきて、「俺がなぜこの殺人鬼と一緒にいるかというと」と回想を挿入することもできなくはなかったが、これはこれでよくある始まり方だし、静流が登場したメインクエスト4章でやったばかりなのでやめた。


ちなみに、後に毒使いの柳六穂が出る「毒も過ぎれば薬となる!?」という話を作っているが、このときは対魔忍RPGのサービスが開始していて、主人公以外の視点もOKとわかっていたので*2、六穂が単独でターゲットを毒殺するところから始まり、毒使いという紹介もすんたので、その後の主人公とアサギとの打ち合わせにも参加している。

 

ヤクザを皆殺しにして噂通りの殺人鬼とわかったあとは、主人公との触れ合いを通して、それだけではないソニアの別の一面が明らかになっていく。
といっても、人を傷つけるだけでなく、自分が傷つけられる痛みも好きな変態、さらに気に入った男とは殺し殺されるの関係になりたいド変態というのが分かるのだが。

 

殺し殺されるの関係については、ソニアをボスにするという条件からだ。
任務を通して主人公と仲良くなるのはいいとして、それからどうやってボスにするかで悩んでいた。


最初は体内に埋め込まれていたなにかで米連に操られて、やむを得ず戦うことになり、
「あんたは私が初めて気に入った男なんだ。そのあんたを殺したくない」
とか、ソニアらしくないセリフを言う展開を考えたりもしたが、殺人鬼というキャラにちょっと合っていない気がした。

 

そこで、本気で気に入ったので、単に楽しみのために殺すだけでなく、より楽しむために自分も殺される関係に格上げということに相成った。

快楽心中とでも言うのだろうか。
正直、意味が分からないし、ふうま君にとってはいい迷惑なのだが。

 

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ソニアはエロシーンは担当していないが、気に入っているキャラだし、他にいないタイプで使いやすいので、前述した「毒も過ぎれば薬となる!?」でゲスト出演している。
同じくそちらでゲスト出演した歴戦のオーク傭兵のおっさんとの関係が気になるところだ。
ちなみに、このおっさんの名前をいまだに知らない。

 

 

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次は「稲毛屋のアイス」についてだが、これもストーリーはおまかせで、ラスボスがクリア・ローベルという依頼だった。

ゆきかぜ、ソニア、クリアと、三つ続けてそのイベントのヒロインがラスボスでそろそろ話を作るのがキツくなってきたのを覚えている。

 

ところで、このイベント、私はプロットしか担当していない。シナリオは飯田和彦氏の担当だ。

それでいてプロットを作ったのは「殺人鬼ソニア」より前という、ややこしいことになっている。
プロットを作って、さあシナリオにかかろうという段になって、先にソニアの方をやって欲しいということになり、それが終わったらまた別の急ぎの依頼が来てとやっているうちに、シナリオまでやれずじまいになってしまった。

 

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とはいえ、クリアの愛称じぽちゃんの元になったこのセリフなど、私の言語感覚からはまず出てこなかったし、

 

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クライマックスでのふうま君のこのセリフも、プロットではもっと冷静な感じにしていたので、ここまでウェットに変えてきたシナリオを見て、「うまい! やられた!」と思っている。

 

また、このイベント、アイデアは「殺人鬼ソニア」と並行して考えていたので、ちょうど裏表のような関係になっている。

あっちは恐ろしい殺人鬼だと思っていたソニアが実は……というパターンで、*3
こっちは可愛らしい女の子と思っていたクリアが実は……というパターンだ。

 

実は恐ろしい刺客というのはありがちだが、ソニアが最初から最後まで血生臭いので、クリアは真相が分かるまでぼのぼの路線、ストーリーの展開よりも、一緒にアイスを食べたり、フリスビーで遊んだりと、 とにかくクリアを可愛らしく描写することに力を注いでいる。それでいいのだ。

 

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それにしても、ロリキャラと仲良く原っぱで遊ぶとか、私にとっては、「Flutter of birds~鳥達の羽ばたき~」の美浜つばさ以来だ。シナリオライターとして最初にキャラを考え、プロットを作り、シナリオを書いたキャラ*4である。

発売はなんと2001年。その後しばらくして制作雑感を書いていたが、それすら10年以上前だ。時の経つのが早すぎる。

 

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分かる人には一発で分かる特徴的なこの絵は、ストーリー重視のエロゲーの元祖ともいえる「同級生」シリーズを手がけた竹井正樹氏によるものだ。

私にとっては初めて会った、そして仕事をさせてもらったプロの絵描きで、とにかく早くて上手い人で、その両輪においていまだに竹井氏を超える人に会ったことがない。

 

さて、エピローグでクリアはゆきかぜの家に引き取られることになる。

これ最初はふうま君の家ということにしていた。
しかし、単発のイベントでそれをやると、影響が大きすぎるということで変更になったのだが、それでも影響は十分すぎるほどあった。


クリアはレギュラーのゆきかぜにくっついて、その後も色々なイベント、さらにメインクエストでも顔を出すようになったのだ。

対魔忍ワールドでロリキャラは珍しいので、マスコット的なポジションを確保したようだ。
また、ゆきかぜが意外と面倒見がいいこと、しっかりお姉さん役をやっていることなど、クリアを通してゆきかぜの新たな個性も表現できた。いや、めでたい。

 

私も、アンジェが主役の「ジューンブライド狂想曲」でクリアを登場させて、ようやくセリフを書くことができた。

 

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ふうま君は鈍感なのでスルーしてしまっているが、いつの間にか決め台詞が変わってるところがポイントだ。

 

カラスちゃんという相棒もでき、このカラスちゃんが決戦アリーナのような進化を遂げてからのことも楽しみだ。

ミナサキと同じくヤタガラス族の困った本性を発揮しはじめた元カラスちゃんが、クリアとだけは昔と変わらず仲良し。そんな関係を期待している。

 

最後に、そろそろクリアに私服を与えてやりたい。

鉄板のガーリーなワンピースとかも捨てがたいが、ここはあえてボーイッシュなサロペットデニムを推しておく。そして頭には可愛く結んだバンダナ。

 

*1:ナンバー付きが正式名称

*2:「まりの大冒険 闇の町の怪紳士」がその形式

*3:「実は優しい心の持ち主」とかではないのだが

*4:物語上のハッピーエンドで死なせたおそらく唯一のキャラでもある。当時は泣きゲー全盛期だった

対魔忍RPG 「降ったと思えば土砂降り」制作雑感

アスカが主役のイベント「降ったと思えば土砂降り」が始まった。

久しぶりにストーリーを最初から考えたイベントで楽しみにしていた。

ということで、まだイベントの途中だが色々と思い返してみる。

 

 

その前に、この絵はイベントが始まったすぐ後に、旭氏がツイートしてくれたものだ。

素晴らしすぎる。

 

さて、このイベント、もともとは特定の季節や新規キャラとは関係なく、いつでもやれるストック用で、内容もお任せということで、その時点であった素材を使って、好き勝手に考えさせてもらった。

 

サブタイトル「降ったと思えば土砂降り」は英語のことわざ、

「When it rains, it pours.」

の和訳で、日本のことわざでいうと「踏んだり蹴ったり」、「泣きっ面に蜂」と言ったところだ。

 

当初は「間違えられた女 アスカの災難」というサブタイトルを考えていた。

こちらの元ネタはヒッチコックの映画、人違いで酷い目にあう「間違えられた男」、重大事件にも拘わらず登場人物が次々とボケをかましていく「ハリーの災難」だ。

まあ、そんなイメージで話を作った。

 

主人公をアスカにしたのは、本編でふうま君とたびたび接点はあるが、いつも任務ばかりなので、それ以外のアスカの日常を書きたかったためだ。

 

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休みの日に外に出たら、変な連中が次から次へと現れ、いつもはふうまを振り回しているアスカが同じ目に会い、戦闘用の手足もないので困ったなという展開だ。

 

ただ、日常用の手足で苦戦していたところを、ついに戦闘用の手足に換装して「でんでんでんでん♪」と腕組みして登場みたいなシーンは欲しかったので、クライマックスで換装ボックスが基地から飛んできて地面に突き刺さり、そこに入って変身、あるいはアイアンマンみたいに手足自体がぶっ飛んきて次々とチェンジというのを提案したのだが、無理がありすぎるということでボツになった。さもありなん。

 

なので、アスカは日常用の手足のまま、それまで自分を振り回していたリーナや黒田巴と協力して勝つことになった。

リーナが「イングリッド様が聞いたら驚くな」と喜んでいるように、米連、魔族、対魔忍の共闘というのがいい。

 

このトリオ、オープニングでぶっ放しているようにアスカもたいがい非常識だが、そのアスカが基本前のめりのリーナと、思い込みが激しい巴に振り回されている姿は書いていて面白かった。

 

その前のDSO本部での女の子同士のお喋りも、ふうま君視点ではまずできないので、外伝ならではのお楽しみだ。

ジューンブライド狂想曲」以来のアンジェに加えて、まだ登場していなかったアルベルタドナ・バロウスをひょいと出せたのが嬉しい。

 

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適当にキャラを選んだわけではなく、アンジェはDSOからの連絡員として五車に時々来ている、アルベルタは魔族だがDSOの協力者、ドナはDSOではないがアンドロイド・アームがアスカの予備をカスタム化したものと、これまでのイベントや設定にそっている。

 

ところでこの話、報酬は新規キャラの黒田巴だが、目立っているのはリーナのほうだ。

それも当然、最初はアスカとリーナの二人だけだった。

元がありもの素材のストーリーなので、新規報酬キャラの巴が出てくるわけがない。

それがプロットができたくらいの段階で、巴を報酬にするイベントにするから、ちょい役で出してほしいという依頼があり、今のような形になった。

 

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リーナを相棒に選んだのは、今までのイベントで何回か出番があり、SRキャラにもなってるわりには、ふうま君を勘違いで襲ってきたり、強すぎる相手にすぐやられてしまったりと、ポンコツな面ばかりが目立っていたので、魔界騎士として本当は強いというのを見せてあげたかったからだ。

 

この娘、魔族としては魔力が弱く、角も小さくて、周りから白い目で見られてきたという、なかなか重めの過去があったりするのだが、それを努力でカバーしてイングリッドに認められるまでの強さになったという、一昔前の主人公みたいないい娘なのである。

 

そんないい娘のリーナを、以前のシナリオでプロットには「腕をひねる」とだけとあったのに、アドリブで脱臼までさせてしまったおわびだ。

 

というわけで、今回のリーナは基本はポンコツなものの、いざ戦いになれば魔界騎士としてかなり強いという描写をしている。犬を除いて。

 

お気に入りのシーンは、弁慶にやられそうな巴のピンチを救った後に、自分もバック転しながら桜の目眩しで身をかわすところだ。

決め台詞の「華麗に軽やかに」を地で行く場面だ。

それでいて、「とおっ!」という、昔の仮面ライダーみたいなセリフが出るのもリーナらしい。

 

犬が苦手という設定は、逆にリーナのピンチを巴が助ける場面を作りたかったのだが、強いリーナにしてしまった手前、さてどうやってピンチにしようと、それまでの展開、今までの資料やシナリオを見返していたところ、ふとインディ・ジョーンズの蛇のように、すごく強いがこれだけは苦手というのがあったら個性になるなと、このイベントでいきなり設定をプラスしたら通ったものだ。

 

なにが苦手かは、絵の素材があればなんでもよかったのだが、ちょうど考えているときに、やはり旭氏がツイートしたこの絵を見て、ビビッと来た。

 

 

「お屋敷の怖い番犬に吠えられてトラウマ、これだ!」

 

そして「犬な苦手なキャラ」と思って、すぐこの歌詞が浮かんだ。

 

 ずっこけなんだ、あわてんぼなのさ。

 いつも失敗ばっかりしてるんだよ。

 だけど犬にはとっても弱いんだってさ。

 

言わずと知れたと言いたいところだが、さすがに古すぎて分からないユーザーも多く、ちょっと反省の「新オバケのQ太郎」の主題歌だ。

なにしろ「新」といいつつ放映は1971年、私だってリアルタイムでは見ていない。

後年、モダンチョキチョキズがカバーしているが、それだって1992年だ。

 

しかも、上の歌詞はうろ覚えで、一番と二番が混ざっている。

正しい歌詞はYouTubeのここで見られるが、

ずっこけで、あわてんぼで、失敗ばかりして、だけど犬に弱い。

だけどもなにも、悪口しか言っていない。

しかし、リーナによく合う……あ、いや、違った。

「だけど犬以外にはとっても強いんだってさ」だ。

語呂が悪いな。

 

一方、リーナを最大のピンチから救った巴。

それ以外では、アスカたちを犯人と決めつけて襲ってきたり(これは当初の“間違えられた女”からだが)、弁慶に自分から突っ込んで二度も殺されそうになったりと、強力な技を使うわりにあまり良いところがない。

 

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後から追加のちょい役だったせいもあるが、ただでさえリーナが大活躍しているので、さらに新キャラの巴まで無双しては焦点がぼやけると、ここは脇役に徹してもらった。

 

今回はリーナを犬から助けたファインプレイで十分。

いずれ巴がメインになるイベントで本来の実力を発揮してくれるはずだ。

 

巴といえば、蓮魔先生とのヤバい関係がポイントだ。

イベントではイングリッドの写真を欲しがるリーナに共感したりして一見まともそうに見えるが、エロシーンではえらいことになっている(担当はしてないが、資料は見た)

 

IFでない本編でもアレがあるのかないのか気になるところではある。

この先、巴がその強さを発揮する場面があったとして、その理由がこのイベントではまだ生えていなかったアレが生えたからだとしたら、ちょっとイヤだ。

 

ボスの千住院弁慶についても述べておこう。

このキャラも最初は別人で、レディ・スマッシャー(粉砕屋)という元傭兵の女サイボーグを考えていた。

 

戦場で身体を失うたびにサイボーグ化していって、顔以外の生身はほとんど残っていない。

回転する爪、マシンガン、ミサイルなど全身が武器で固められ、現地改修を繰り返したのでパーツもバラバラ。
だから、見た目が綺麗なサイボーグであるアスカを憎悪するというキャラだった。
趣味がもろに出ている。

 

その後、巴の追加と同じくして、ボスを超人に変更するということになり、完全な生身でサイボーグと互角に戦う怪人を考えた。
僧兵姿にしたのは、倒したサイボーグの頭を数珠つなぎにしているというビジュアルをやりたかったためで、分かりやすく名前も弁慶にした。

 

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ちなみにこの人、サイボーグ狩りとは別に宿命のライバルがいたりする。

イベントにはまるきり反映されてないが、設定には書いた。
自分と同じくらいに強靱な肉体を持ちながら、鍛錬ではなくドーピングで強くなろうとする、サイボーグ以上に許しがたい男。

 

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そう、マッスル団のボス、マッスルジョーその人だ。

ファイトスタイルも対照的で、生身にこだわるくせに武器は山ほど使う弁慶と、ドーピングしまくりだが戦いは素手で行うマッスルジョー。
この二人の決闘はさぞ盛り上がると思うのだが、そんな男同士の熱い関係など知らぬまま、二人ともアスカが倒してしまった。

 

 最後に、仮面の対魔忍へのおすすめプレゼントについて。
アロマやハーブティや入浴剤については、特にこれといった実在の商品イメージはないのだが、お菓子だけはちゃんと考えていた。
イベント中には名前を出してないが、せっかくなのでここに書いておく。

 

まず羊羹はとらや
老舗中の老舗だ。

でかいのを一本買うと結構な値段がするが、この一口サイズの詰め合わせとかは5本で1400円ほど。数は好きに増やせるし、ちょっとしたプレゼントにもいい。

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とらやカフェとかでも売っている、あんペーストなんかも楽しい。

私はこしあん派だ。

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そしてチョコレートは、この店「La Maison du Chocolat: ラ・メゾン・デュ・ショコラ」のをイメージしている。

 

一番オーソドックスな、この16個入りで5400円。はっはっは。f:id:masaki_SSS:20191201143604p:plain
しかし、アスカの言う通り、高いけれど本当に美味しい。

美味い美味いと口に放り込むとあまりにもったいないので、一日一つか二つ、コーヒーや紅茶と一緒にじっくり味わいたい。

あげて嬉しい、もらって嬉しいプレゼントだ。

 

対魔忍RPG 男の娘キャラ 制作雑感

対魔忍RPGでついに男の娘キャラがプレイアブルキャラとして実装された。

 

ローンチから出ている主人公の友人、上原鹿之助。

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つい最近になって初登場した穂希なお。

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いつの間にか長くなった対魔忍の歴史でも、男の娘は初めてのはずだ。
なんの因果か二人ともエロシーンを書いたので*1、それに絡んで色々と感じたことについて書いてみる。

 

この二人、今月になって立て続けに登場したが、書いたのも同時期だ。
というより、二人まとめて依頼が来た。
「ついにやるか!」という驚きがあった。
私にとっても、初めての男の娘だ。

 

しかし、「男の娘」とは妙な言葉だ。
キャラ属性として「の娘」がついてるだけで、普通に男だ。
改めて定義を調べてみると、「娘のように見える男」ということらしく、問題になるのは外見で、内面が男であるか女であるかは関係ないようだ。
というより、この外見と内面のせめぎ合いに、男の娘のキモがあるような気もする。

 

元祖は1980年代のマンガ、「ストップひばりくん」あたりだろうが、言葉としてはもっと新しいはずだ。
私がこの業界に入ったのがちょうど2000年くらいだが、そのころようやく出始めたかなという印象だ。

 

個人的には、2005年「処女はお姉さまに恋してる」の「宮小路瑞穂」、同年の「サクラ大戦V 〜さらば愛しき人よ〜」の「九条昴(公式には性別不明のままか?)」、2009年の「steins;gate」の「漆原るか」などが印象に残っている。

 

漆原るかについては、主人公のオカリンがことあるごとに「だが男だ」と言っている。
そう「男」なんである。
あくまで男、でも見た目は娘。
男の娘だ。

 

前置きが長くなったが、男の娘のエロを書くことそれ自体に抵抗はない。
以前、どういうわけかBLの仕事に関わったことがあって、普段読んだりしていないので、ユーザーには当たり前のセオリーが分からずに、スタッフに聞いてオススメゲームをプレイしたり、傑作と言われる本を読みあさったりとえらい苦労をした。

結局、それはお蔵入りになってしまって残念だったのだが、おかけでちょっと好きな作品*2もできて、趣味の幅が広がったりもしている。

 

それに比べたら、今回は対魔忍。

性別が男なだけでこれまでと同じ文法でやれるので気は楽だ。

とはいえ、今まで女の子でチンポが付いているフタナリキャラはいても、完全な男のエロはなかった。
運営もかなり気をつかっているとみて、こんな注意書きがなされている。

 

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正直、笑ってしまったが、正しい警告だろう。

私は指定に従ってシナリオを書いただけだが、二人ともキャラ設定、エロのシチュエーションからして、対魔忍RPG世界にやんわり入ってこれるようにかなり注意していると感じた。

 

まずはキャラ設定。
上原鹿之助は、内面は男だが、家のしきたりで魔除けのため、6才まで女の子として育てられているので、女の子の心が隠れている。
穂希なおも、内面は男だが、可愛いもの好きで、普段から女装している。

 

つまり、二人ともオーソドックスな男の娘からはずれている。最初から女の子よりだ。
対魔忍は女の子がメインだから、たとえ性別が男であろうと、はなから女の子要素を入れておおいて、もろに「男」とならないようにクッションにしているのだろう。

 

次にエロシーンの構成。
先に実装された穂希なおは、まず調教師のおじさんに自動オナホールでチンポ責めされる。おじさんによる直の手コキではない。微妙な違いだが、気を遣っているのは間違いない。

そうやって男に射精させられる快感と屈辱を味わせておいてから、二つ目のエロシーンでようやくおじさんにアナル処女を奪われてメス化する。
これも内面が完全に女になるというよりは、「男のチンポが気持ちイイ=女」くらいのニュアンスで書いている。

 

一方、鹿之助は最初からアナルを掘られるのだが、その相手はフタナリのスネークレディだ。
つまり見た目は女なので、いきなり男同士が絡んでいるキツい場面とはならない。
二つ目のエロシーンでは、それから結構時間が経っていて、なおに比べて内面の女性化が進んでいるが、これも元から隠れていた部分が露わになったというニュアンスだ。

 

そして鹿之助もなおも、相手は主人公のふうま君ではない。
これはかなり重要だ。
正直、ふうま君が攻めだったら、たとえば薬で暴走でもして理性がない状態とかでないと、私も書きにくかったと思う。

とりあえずモノローグがつらい。
なおは本編でも出会って間がないからなんとかなるとしても、男友達として付き合いの長い鹿之助とか、お前どういうつもりで犯してるんだと、書き手の私も思わずにはいられない。

 

また、鹿之助に関しては、

 あれ以来、ふうまのことは考えないようにしていた。
 これ以上メスガキ調教されたら
 もうふうまに会えなくなる気がしていた。
 違う。そうじゃない。
 完全にメス化した自分がふうまに犯されるのではないか?
 自分もそれを望むのではないか?
 それを想像するのが怖かった。

 

このあたりのくだりなど、それ以前にふうま君のことをどう思っていたかにも関わるので、ここまで書くのは冒険かなと迷ったのだが、フタナリにチンポを突っ込まれてる異常な状況でもあるし、

「もし自分がメスになったら、ふうまからもそう見られるかもしれない。犯されて喜んでしまうかもしれない。それ以前にふうまを性的に意識していたかは自分でも分からない」

くらいのニュアンスでまとめている。

 

いかに通常ストーリーから独立したIFのエロシーンとはいえ、「本当はずっとふうまを性的に意識していた」とまで書いてしまうとさすがに違うので、初めての男の娘としては、このへんがギリギリのラインだろう。

 

BL的には、ゆきずりの男に犯されて、昔から自分の中にあった、あるいはそこで芽生えた同性愛的な部分を自覚し、今までただの男友達と思っていた相手を性的に意識するという展開はありな気がするのだが、今ひとつ確信が持てない。泥縄の勉強なのでその程度だ。

 

今後、鹿之助やなお、あるいは新しい男の娘キャラのエロシーンがあるのか、それがどんな内容なのかは分からない。

 

もっとオーソドックスな男の娘に寄せた内容になるとして、
例えば―――

ただ可愛い顔立ちで、内面も男。
ふうま君がその男に欲情してしまい、100%自分の意思で犯す。
その子は、内面は男でありながら女として犯される歓びに目覚め、ふうま君だけのメスになる。

 

むむむ、対魔忍としてはなかなか冒険になってしまった。
どう考えたって男の娘より、ふうま君の方が一皮剥けている。
やはり難しいな、男の娘。

 

個人的には、最初から内面が女で、自分のチンポが嫌いな男の娘を、まず望み通り女の子として堕としてやってから、手コキとかトコロテン射精で責め立てて、お前は女以下のチンポ付きだと認めさせる展開とかやりたいが、それ男の娘か?という疑問はある。

 

その方向でやるならフタナリの方が向いてそうだ。
男にチンポがあるのは当たり前なので、同じ心が女の子なら、チンポが生えてるその時点でタブーを犯しているフタナリのほうが倒錯感が出しやすい。

もっとも、二次元ではフタナリは普通なので倒錯感も馴染みになってしまうが、男の娘でチャレンジしすぎるよりはいいだろう。

 

いずれにしろ、このタブーというのがエロでは大切だ。
普段から胸を見られている裸族は胸を見られても別にどうということはないが、夫以外には決して肌を見せない部族の子は肩がちょっとはだけただけでも死ぬほど恥ずかしがる。
どっちがエロいかといえばもちろん後者だ。

女の子であろうが、男の娘であろうが、キャラのタブーをどのへんに持ってくかがポイントになる。

 

ただ、アサギを始めとする対魔忍の看板キャラたちはタブーを犯されすぎて、キャラもユーザーも慣れてしまっている感がある。

 

アサギは、敵を倒す前にはとりあえず全員に犯されとく、触手も妊娠も3000倍もどんと来いみたいなイメージができあがっているので、陵辱それ自体でのタブーがもう作りづらい。
それもあって、エロシーンを担当した【最強の対魔忍】井河アサギでは、年齢差のありすぎる恋人という、ごくごく普通なタブーを用意して、年上キャラならではの可愛らしさを狙っている。それについては 以前書いた

 

さくらとかも、陵辱体験はアサギと同レベル、加えて本人が軽さを武器にしていて精神的にタフという印象なので、
「なははー。
 またオークに快楽堕ちさせられちゃったよ
 いやーまいったなー」
とか言いそうだ。さくら先生、全然堕ちてないよ。

 

先生として生徒の前で醜態を晒すとかも考えられるが、卒業式にオークの群れに犯されても、
「これが対魔忍になるってことなんだよ。
 さくら先生の最期の授業、みんなちゃんと見てて」
とか、開き直ってアヘ顔晒しそうである。
対魔忍の鏡というか、理想の先生というか、それはそれでおかしな方向にエロいが。

 

もう一つの看板、対魔忍ユキカゼのキャラも違う意味で難しい。
ゆきかぜにしろ凜子にしろ、ゲームでの最大のタブーポイントは秋山達郎だ。
ゆきかぜの思い人にして、凜子の弟。

 

ゆきかぜは達郎以外の男に犯されるのがタブー。
凜子はそれに加えて、弟なのでそもそも近親相姦というタブー。

 

ただ、この肝心の達郎が対魔忍RPGではいるんだかいないんだか分からず、アクション対魔忍ではついにゆきかぜのプロフィールから達郎の名が消えてしまった。

この先どうなるんだ、達郎。

 

ゆきかぜは達郎がいないかのように振る舞っているからいいとして(達郎にとってはよくないが)、

凜子は待機セリフで達郎の名を普通に口にしたり、「達郎によく似た男に犯される」というエロシーンがあったりする。

 

これで達郎は実在しない、凜子の中だけの架空の存在、ゆきかぜはそれを知って凜子に合わせているとかだったらヤバくて面白いとは思うが、そんなことはないだろう。
ただ出番がないだけだ。かわいそうに。

この達郎については、別に言ってやりたいこともあるのだが、またの機会にしよう。

 

というわけで、変な方向に話が進んでしまったが、「女の子だけじゃなく、この先の男の娘も楽しみ」と雑に話を締めて、今回の記事の終わりとする。

 

*1:かつ二人ともゲットしてない。そんなもんだ

*2:明治カナ子氏の「坂の上の魔法近い」、井上佐藤氏の「10DANCE」などが好み

対魔忍RPG 「雷撃の対魔忍」イベント 制作雑感(改)

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対魔忍RPGもようやく1周年。めでたい。
 

このブログ、書くことがなくて半年ほど放置していたが、復刻イベントで「雷撃の対魔忍」が始まったので、そのときのことについて前にもちょこっと書いたが、それをさらに詳しくする形で、あれやこれや思い返してみる。

 

「対魔忍ユキカゼ」の主役、水城ゆきかぜが登場するこのイベント。
復刻イベントとしては、アサギの「期末テストと最強の対魔忍」、若いさくらの「忍びの宿命って奴か」に続いて三つ目となるが、元々は対魔忍RPGで最初に行われたイベントだった。

 

作ったのはかなり古くて、2018年の始めくらい。
自分は、その1年ほど前にエロシーンばかり40個ほど一気に仕上げたきり、対魔忍RPGの仕事から離れていたので、設定やらなにやらすっかり忘れていて、というか、参加していない1年の間に色々と更新されていたので、一から資料を見直すこととなった。

 

とはいえ、当時はメインクエストがいくつか完成していたくらいで、まだまだ手探りの状態だった。
メインクエストと同じセッションが5つ、バトルが5回ある構成で、ラスボスが報酬のゆきかぜという以外、内容はお任せだった。
ただし、メインクエストを3章までプレイしている状態という条件が付いていた。

 

そこで、それまでに主人公とゆきかぜとの間にどんな接触があったか調べてみると、メインクエストでは1回しか会っていない。
今、実際にプレイするとチュートリアルに出てくるのだが、当時はそのシナリオもなかった。

 

そのたった一回の出会いでは、ゆきかぜはいきなり現れて、勝手なことを喋りまくってすぐ去っていく。クエストにも関係なく、別に出なくてもいい初登場だ。
ゲームのユキカゼや決戦アリーナをプレイしていたユーザーならともかく、それだけ見ると単に口うるさくて生意気な女という印象だ。
実際、主人公もそんな風に考えているようで、こちらは落ちこぼれ対魔忍、あちらは次世代のエリートと、あまり仲もよくなかったようだ。


そんなわけで、ゆきかぜをまだ知らない人向けに、イベントを通して基本的なキャラクターを紹介しつつ、主人公との仲をちょっと進めるというテーマで話を作ることにした。

その場合、アサギ先生にいきなり任務で組めと言われ、最初は喧嘩していたものの、任務を通して仲良くなるという展開がセオリーだ。
実際、後にきらら先輩を始めとして、そういったイベントが多く作られることになる。
しかし、なにしろメインクエストが3章までしか進んでいない状態だ。
下手にゆきかぜと一緒に新しい場所に行ったり、知らない人に会ったりすると、この先どうなるか分からないメインクエストと矛盾が出そうで怖い。
そこで、キャラにしろ背景にしろ、3章までに出てきた素材だけを使い回すことに決めた。

 

そこで思いついたのが、「対魔忍学校での普通の一日」という話だ。

背景を使い回しても不自然ではないし、ゆきかぜとちょっと仲がよくなるくらいの展開も作りやすい。

なにより、対魔忍学校を舞台にしているわりには、普通に学生をやっている話を書いたことがなかったので、その点でも面白そうだった。

 

要は学園物だ。
オープニングもそれにふさわしく「ちこくちこく~~~」で、ゆきかぜとぶつかるお約束のシーンから始めている。
悪態を吐くゆきかぜに対する主人公のセリフも完全にメタネタだ。

 

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ゲームなら、ひっくり返ってスカートがめくれて、そこに頭を突っ込んで最初のイベント絵、「この変態!」と電撃を食らって出会いの印象は最悪―――というあたりまでが様式美だろう。
まあ、イベント絵もないので、ここはガチャガチャ言い争うだけにして、遅刻のチャイムが聞こえたので慌てて校門に行くと、すでに生徒会の門番が立っているという展開になる。

 

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番役は、対魔忍新兵と対魔忍斥候。
どう見ても絵面がおかしいが、他に適当な素材がなかったのでしょうがない。
もっとも、ゆきかぜも朝から対魔忍スーツで、そこで合流した蛇子と鹿之助もそうなので、統一が取れているといえば取れている。

 

主人公は門番の目を盗んで入ろうとするが、ゆきかぜが正面突破を計り、なしくずしにバトルになる。
記憶消去と称して、気絶した門番の頭に電撃を食らわすあたり、頭は良いのにやることは力尽くのゆきかぜらしい。

これ相当やりたかったらしく、一番最初のメモの段階から書いていた。

 

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また、主人公より明らかに強いゆきかぜをラスボスにしなければならなかったので、イベントの都合で必要な5回のバトルを通して、彼女が主人公の指揮能力を認めて、自分でもちょっと戦ってみたいと思うようになるまで、ここから少しずつ描写を入れるようにしている。

最初は、いつものように蛇子や鹿之助を指揮していた主人公にゆきかぜはまったく気づいておらず、「戦うふりくらいしたら?」と普通に馬鹿にしている。

 

 

 さて、学校に着くと、クラスが再編成されていて、主人公、ゆきかぜ、蛇子、鹿之助が都合よく同じクラスになっている。
それ以前どうだったのか、設定では決まっていなかったので、学園物をやりやすいようにリセットしたわけだ。


担任はさくら先生。これにも理由はある。
この時点で使い回せそうな先生キャラは、アサギ、さくら、紫の三人。
設定上、静流も先生なのだが、次のメインクエストの4章で主人公が顔を知らないという展開が分かっていたので出せない。
アサギは校長なので、担任をやれそうなのはさくらか紫だ。
二択でさくらを選んだのは、遅刻騒動の罰として戦う相手に、忍蛇と忍熊を出したかったからだ。
さくらが世話しているという設定だったし、メインクエストの第3章で出てきているので使い回せる。素材が少ないので実にありがたい。

 

このバトルで、ゆきかぜは主人公が遊んでいたわけではなく、他の二人を指揮していたことに気づく。
ここ、主人公の指揮能力について、蛇子と鹿之助に褒めさせているのがミソだ。

 

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主人公が自分で「俺は指揮には自信がある」などと言うと、ゆきかぜの性格からして間違いなくいっそう馬鹿にする。展開上、それでは困る。
キャラの長所は他の人に言わせるとちょっとだけ説得力が増す。本人がいないときの方がいいのだが、この場合はしょうがない。

 


次は、地下訓練施設での授業だ。
いかにも対魔忍の学生らしいイベントだが、学校でバトルを起こす理由にだんだん困ってきたのと、敵素材の使い回しのためという理由の方が大きい。
今まで出てきた敵のうち、食屍鬼グールや魔術師といった、いかにもモンスターじみた連中を使いたいのだが、いくら対魔忍学校とはいえ、そんなものが現れたら一大事だ。
骸佐が送り込んだとか理由はいくらでも作れたが、そうすると日常話から離れてしまう。
そこで、戦闘シミュレーション装置の登場だ。
これなら脈絡なくどんな敵が出てこようが、学校以外のどんな場所を出そうが問題ない。
戦う理由も訓練だからだ。
実にナイスな設定だ。

暴れてよく物を壊すゆきかぜの描写で、テストプレイで電子機器をぶっ壊したという話を入れている。傍迷惑なヒロインだ。

 

このバトルで、ゆきかぜは主人公の指揮能力を認めることになるわけだが、そもそも主人公がやりたがるはずがなく、ゆきかぜも素直に聞くわけがないので、授業でさくら先生に指示されたからという、無理やりな流れにできたのもありがたかった。
しかし、ちゃんと褒めているわりに、結局はこんなことを言う。

 

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セッションの4つめは、ふうまの身内に絡まれるという話だ。
これも1章の反乱で出てきた、ふうま火遁衆を使い回したいという理由がまずあったからだが、骸佐の配下とかにするとまたややこしくなるので、その反乱に加わらなかった連中が主人公を逆恨みしているという展開になっている。

この回のみ、ゆきかぜはバトルに加わらずに傍観している。

 

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最初のアイデアでは、主人公が残されたふうまたちの気持ちの捌け口になってやるために、当主として自分から殴られようとしているところを、ゆきかぜが勝手に義憤を感じて助太刀するというのを考えていた。

 

ただ、この次のセッションで、どうやってラスボスをゆきかぜにするか悩んでもいた。

この時点で、ゆきかぜは主人公を認め始めているので、いくらイベント上の都合とはいえ、いきなり最後でまた喧嘩して戦ったりするのは不自然すぎる。

さて、どうしようかとあれこれ考えて、ここと同じ「気持ちの捌け口」というキーワードで、骸佐の反乱がらみで主人公に恨みをもつ女を出し、ゆきかぜが彼女たちに助太刀するという展開を考えついた。

そこで、さっき自分をうまく指揮した主人公の戦いぶりをここで外から見ていて、「ちょっとふうまと戦ってみたい」と、ゆきかぜの側からもバトルを望ませるようにした次第だ。

もっとも、主人公にとっては迷惑なだけだが。

 

 

そして、ラストはゆきかぜとのバトル。

ふうまに恨みを持つ女たちを連れてきて、お互いにドロドロした気持ちを溜め込まないために、とりあえず本気でやり合おうという提案をする。

ゆきかぜらしい力尽くの発想で、セリフはすらすらと出てきたが、頼まれもしないのに主人公と女たちを仲裁しようとするあたり、こいつ意外と人の気持ちを考えているのだなと、自分で書いていてちょっと驚いた。


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そしてオチだ。

勝ったと思ったゆきかぜが実は全力ではなく、その証拠にデカい雷を一発ぶちかまし、みんなが呆然としているところに凜子先輩が現れて、ゆきかぜがスタコラ逃げていくという、まあよくあるシーンだ。

セッション4と5の、主人公に恨みを抱いている生徒というのが少し重かったので、それを和らげる意味もあった。 

 

ところで、そういった骸佐の反乱による犠牲者の話は、ちゃんとやろうとするとどんどん深刻になっていく。

そのためか、ローンチから1年立った今でもあまり語られていない。
当時は、反乱直後の話だし、そういう連中もいないと不自然と思って出していたが、今になってみると、学園での日常話ということも含め、この「雷撃の対魔忍」、ちょっと他とは毛色の違ったストーリーになったと感じている。

 

最後に、このイベントで手に入る「SR/【雷撃の対魔忍】水城ゆきかぜ」は、味方全体のATKとDEFとSPDがまとめて60%アップするという大変使えるキャラだ。

もし興味をもってもらえたら、この機会にプレイしてもらえると嬉しい。

 

ではまた。  

対魔忍アサギ決戦アリーナ終了 ボツキャラの思い出

 対魔忍アサギ決戦アリーナが2019年3月29日をもって終了した。

 オープンが2014年7月1日なので、しめて4年と9ヶ月続いたことになる。

 ソーシャルゲームのサービスとして長かったのか、短かったのかはなんとも言えないが、プレイしてくれたユーザー、作ったスタッフ、そしてエロい目にあいつづけたキャラクター、みんなお疲れさまだ。

 もっとも7月31日まではアクセスできるし、エロシーンも見ることができる。

 

 私は始まって2年目くらいで制作から離れてしまったため、その後はあまりプレイもしなくなっていた。それでも、今までで一番多くエロシーンを書いたコンテンツなのでやはり感慨深い。

 このブログでも色々と書いてきたが、ここにきてまだ紹介していないキャラクターがいるのを思い出した。

 ボツキャラだ。

 設定を考え、シナリオまで書いたが、登場することなく終わってしまったかわいそうな連中だ。

 どれもこれもローンチ前に考えたキャラなので、始まってしばらくたっても出てこない段階でボツになったのだとは思っていたが、心のどこかでいつか現れるかもと期待もしていた。

 しかし、サービス自体が終了したことでお蔵入りが決定し、対魔忍RPGで復活することもまずないだろうから、気持ちの区切りとして書き残しておくことにする。

 

三船・キャサリン・アークライト

「ヘイ! そこのアナタ、穴だらけにされたい? バラバラになりたい?
 今なら特別に好きな方を選ばせてあげマース。答えナサイ。

 あと3秒。2、1、タイムアップ。OK。両方プレゼントね。
 ザ・マキシマム。レディー・ゴー!!」

 

 サムライとカウガールの気質をあわせもち、剣と銃が一体化したような武器ガンブレードを二刀で使う、メリケン対魔忍として設定した。

 セリフを見れば分かるとおり、艦これの金剛だ。

 ただのパクリというのもアレだったので、やたらと細かい過去をでっちあげている。 

 

 鋼鉄の魔女アンネローゼに出てきた剣鬼、三船阿修羅の娘。
 母親はアメリカ人のカウガール、二丁拳銃の使い手ジュディ・アークライト。
 決闘で死に瀕していた阿修羅をジュディが手当てしたことがきっかけで2人は結ばれ、キャサリンが産まれた。
 一時は親子3人で暮らしていたが、戦いを求める阿修羅はキャサリンがまだ赤ん坊のころに剣術修行の旅に出てしまったた。
 キャサリンは「父親はサムライ」だったと教えらえただけで、その名前も知らないまま牧場で母親に育てられる。二丁拳銃の腕前は母親譲り。
 キャサリン15才の時、異能の力が目覚めかけ、それに目を付けた魔族に襲われる。
 ジュディはキャサリンを護るために魔族と戦って命を落とし、その悲しみでキャサリンは異能の力に目覚める。
 キャサリンは母を殺すことになった異能の力を忌み嫌い、故郷の牧場を出て、スラムでギャングのような自暴自棄の生活を送る。
 常人の目には止まらぬ速さで動くキャサリンに敵はなく、ついに闇組織の縄張りにまで手を出したが、そこで客分をしていた三船阿修羅に死ぬ寸前まで打ちのめされる。
 三船阿修羅はキャサリンが自分の娘であることに気づくものの、父親ということは明かさずに、かつてジュディに手当てされた時のようにキャサリンを世話する。
 キャサリンは自分を殺しかけた阿修羅に悪態を吐きつつも、母親が愛した「サムライ」に父親の影を見て、自ら望んで剣の手ほどきを受ける。
 すさんでいたキャサリンの心が癒された時、阿修羅は自分の役目が終わったとばかりに去っていく。

 キャサリンは残された二つの鈴を見て、阿修羅が本当に自分の父親であったことに気づくが、そのときすでに阿修羅はアミダハラでアンネローゼに破れ、父と娘が会うことは二度となかった。
 キャサリンは「儂のようになるな」という阿修羅の言葉を思いだし、母を殺した魔族から人々を護るため対魔忍となる。
 彼女が選んだ武器は、母から伝えられた銃、父から伝えられた剣を生かせる、二振りのガンブレードであった。

 

 趣味に走りすぎだ。

 オリガ=アレクセエヴナ=パヴロヴァあたりと同じく、一番最初のころに考えたもので、当時はサンプルもあまりなく、決戦アリーナのキャラをどんな風にすればいいのか、まだはっきり分かっていなかったので、とりあえず好き勝手に過去を作ったわけだ。

 そんなややこしい過去とはたいして関係なく、エロシーンは重力制御の力を奪われて空中浮遊ファックという、しょうもないものになっている。

 英語混じりの日本語という口調にしてしまった手前、喘ぎもそうしなくてはならなくなり、「もう掻き回さないで」とか「オマンコ壊れちゃう」とかの、ごく簡単なフレーズも英語でなんと言うのか分からず、原書のポルノをとりよせたりと結構苦労したのだが、あえなくお蔵入りとなった。

 ちなみに、当時のシナリオを読み返したら、

「もう掻き回さないで」 → 「DON'T SHAKE INSIDE!」

「オマンコ壊れちゃう」 → 「YOU BROKE MY PUSSY!」

 となっていた。

 中学英語である。

 頑張って調べたわりに、そのあたりが限界だったようだ。

 

  日本のエロゲ特有のセリフを英語でどう表現するかは前々から興味のあるところで、こちらでは終わってしまったが、向こうでは「Taimanin Asagi -Battle Arena」として現在もサービスが継続中だ。

 自分の書いたエロ文がどうなったか照らし合わせてみたいのだが、残念ながらリージョンの関係で日本からはプレイできない。

 せめてものなぐさめに、 通称TABAの公式Twitterアカウントはチェックしている。

twitter.com

 

 

 ドロシー

 「ドロシー、恐い顔する人や、イジワルする人は大ッ嫌い。
  そんな人はドロシーの作ったお人形さんでグチャグチャッと潰しちゃうの。
  そしたらすぐに静かになるもんね。キャハハハ、ドロシーかしこーい」

 

 米連の遺伝子操作によって、通常の人間を越える思考能力を有する生体コンピューターとして作り出されたデザインヒューマン。実験体は全部で50体いたが、生き残ったのは彼女のみ―――という、どこかで聞いたような設定の元ネタは、「蒼き鋼のアルペジオ」に出てくる刑部蒔絵である。

 ドロシーは愛称で、こちらの元ネタはもちろん「オズの魔法使い

 ハリウッド女優のようなナイスバディにも関わらず、精神年齢は10歳。

 超天才だが倫理観は欠如していて、「脳の無いカカシ」「心の無いブリキの木こり」「臆病なライオン」の殺人ロボットをけしかけてくる。

  エロシーンは殺人ロボットの制御を奪われ、拘束されて、メカメカしいディルドーを突っ込まれるという内容になっている。

 キャサリンと同じ頃に考えたが、今となっては印象が薄い。

 それもそのはず、デザインチャイルド、天才だが倫理観がないという以外、キャラクターの過去をたいして考えていなかった。

 その一方、「○○だが××」という設定を色々と盛り込みすぎて、なにをやりたいのかよく分からなくなっている。

 そのあたりがボツの原因だろう。

 

 

テュール

「あなたは浅ましい心の持ち主ですね。
 そのような者には私は容赦しません。
 可愛いこの子たちの牙でズタズタに切り裂いてあげます。
 生まれたことを後悔しながら死んでいきなさい」

 

 魔獣使いの少女。

 魔界の辺境に位置する、魔獣の森の国ネビロスの族長の娘。

 どんな魔獣も支配することができる「支配の右手(ハンズ・オブ・ドミネーション)」の能力を持つ。

 先代の族長を殺し、一族を壊滅に追い込んだ闇の魔獣を倒すため、三体の魔獣をともなって旅をしている。

 魔獣に死をも強制させることのできる使い手でありながら、本質的には心穏やかな性格で、自分の戦いのために、魔獣に殺しをさせることは好んでいない。

 部族の掟で、夫となる者以外には決して肌を見せてはいけないので、いつも長袖長ズボンをつけている。

 その下の身体には魔獣支配のための呪紋のタトゥーがびっしりと刻まれている。

 

 とまあ、ドロシーなどに比べて、設定も過去もそれなりに考えていた。

 なら、なぜボツになったのかと考えてみると、まず全身に呪紋のタトゥーというのがビジュアル的に微妙だったのと、肝心のエロシーンが三体の魔獣に犯される獣姦物だったからだろう。

 獣姦はたいていNGになる。本物の犬や馬は絶対に駄目だ。

 一応、犬に似た四つ足の魔獣で、顔が山羊だったり、触手がいっぱいだったり、豚だったり、背中に羽が生えていたりと、犬っぽいが犬でないと指定してみたのだが、やはりアウトだったようだ。

 とはいえ、そのうち登場するだろうと思っていたので、【魔界の錬金術師】シュヴァリエでその存在を匂わせたりしている。

 そのエロシーンでシュヴァリエは、六本足の豚のような怪物ムツンバイに犯されるのだが、お館様とこんな会話をしている。

 

シュヴァリエ「冗談はよして。こんなところにムツンバイを連れてこれるわけがないわ」

お館様「それが連れてこれるのだ。どんな魔獣も支配できる優秀なビーストマスターがいてな」
シュヴァリエ「支配の右手(ハンズ・オブ・ドミネーション)!」

 

 ここでニヤリとして欲しかったのだが、書いた私しか分からないやりとりになってしまった。

 残念無念。

 

 

 千代女(ちよめ)

「ふふん、久しぶりの客じゃ。
 存分に妾の身体を楽しむがよい。
 死とひき替えに至上の快楽を与えてやろうぞ」

 

  数百年の時を生きているくノ一、全ての房中術を会得した対魔忍の始祖。

 かつて武田信玄に仕えた望月千代女(もちづきちよじょ)その人。

 というキャラだが、設定をデカくしすぎたのがマズかったようだ。

 エロシーン1枚の2軍キャラで、こんな対魔忍世界の根幹に関わるような設定を入れたら駄目だろう。

 そのエロシーンも「全ての房中術を会得」という設定に引っ張られて考えすぎたあまり、奇天烈なものになっている。

 千代女がお館様を試してやると称して、「子宮回帰の術」とやらを使い、第一段階でチンポが膣から抜けなくなり、第二段階で射精が止まらなくなり、第三段階で腹に手を当てて左右に広げると、そこがぱっくり開いて巨大なマンコ、真の女陰が姿を現わす。

「男に無限射精させながら、真の女陰からぐいっと丸呑み。これこそ妾の子宮回帰の術じゃ。ほれ、貴様もここに戻りたかろう?」

 お館様は真の女陰に頭を突っ込みたい誘惑に必死に抵抗して、なんとか千代女に認めてもらえるという展開だが、我ながらわけがわからない。

 もっとも、これにも一応元ネタらしきものはある。

 1990年代、まだプレイステーションが1しかなかったころ、「クァンタムゲート 悪夢の序章」という、CGと実写ムービーを組み合わせ、選択肢によってストーリーが変化するインタラクティブムービーゲームがあり、それの続編「ボルテックス」のなかで、ヒロインに向かって「君とファックしたい」と選択すると、めでたくエロシーンになるかと思いきや、ヒロインの腹が唐突にぱっくり開いて、そこにできた化物の口からムシャムシャ食べられてしまうという、意味不明の即バッドエンドがある。

 よくもそんな大昔のネタをひっぱり出したものだと思うが、その当時は一度に10人とかまとめてキャラを作っていたので、設定やら過去やらエロシーンやら一気に考えすぎて、ネタ出しが限界にきていたのだろう。

 

 

クリスティン=コーンウェル

「私みたいな化け物になにか用?

 用がないなら消えてちょうだい。

 私が殺したいのは甲河アスカだけ。
 あなたではないわ」

 

 ボツキャラのラストはまたしても趣味に走りすぎたキャラである。

 設定は以下の通り。

 

 元米連関連のナノテクノロジー企業で働いていたエリート技術者。
 しかし、甲河アスカのアンドロイドアーム&レッグ開発の実験台にされてしまう。
 自ら望んでのことではなく、実験に必要な遺伝子パターンがたまたま一致したためで、双子の妹セリシア=コーンウェルと共に米連に誘拐された。
 アスカのアンドロイドアーム&レッグは、人間と魔界の技術を融合させたことに特徴があるが、実験で魔物の細胞をアームの機械に生体融合させたところ、その細胞が暴走、妹のセリシアは暴走細胞に飲み込まれて死亡してしまう。
 セリシアを助けようとしたクリスティンも右腕を失い、左腕は魔物の細胞と融合し始め、いったんはショック死してしまう。
 実験は失敗。後は解剖を待つだけのところ、魔物の再生能力でクリスティンは生き返り、米連の研究施設を脱走。
 右腕には死んだ妹のアンドロイドアームをつけ、魔物の細胞を取り込んだ左腕はいつまた暴走するか分からない。
 クリスティンは、自分と妹をこんな目にあわせた米連、さらには自分たちの犠牲も知らず、完成品としてのうのうと生きている甲河アスカに深い憎しみを抱くようになる。
 元々、遺伝子適正があっただけで、さしたる対魔能力もなかったクリティンだが、増大した魔族の血によって、実験用のアンドロイドアーム&レッグにも関わらず、完成体のアスカに匹敵する戦闘力を身につけるに至った。
 一方、米連の追っ手との戦いの中で、正規のメンテナンスも受けられず、その場しのぎの補修を繰り返したアンドロイドアーム&レッグにはガタが出始めている。
 死を覚悟したクリスティンは、逆恨みと知りつつ、アスカを倒すことだけを考えている。

 

 「たまたま異形の力を得てしまった普通人」という、個人的にかなり好きなパターンだ。

 デザインは、人造人間キカイダースクライドのカズマ、AKIRAで義手が暴走した鉄雄あたりの、左右非対称のキャラを想定していて、右目も人工皮膚が剥がれたターミネーターのように義眼剥き出しにするつもりだったが、いくらなんでもグロ方面にふりすぎたようだ。

 エロシーンも、ちょいと騙してメンテナンスをしてやったついでに、失われた子宮の機能も回復させ、異形化してしまったクリスティンに『女としての悦びを思い出させてやる』というもので、これは同じ時期に考えたサイボーグ人魚のトゥーリア=エルスハイマーと被っているので、どちらを削るかと聞かれたらこっちだろう。

 トゥーリアの、恋人を殺してしまった悲しいサイボーグという設定も気に入っているが、よくある話なのでどちらかと言えばクリスティンの方に思い入れがある。

 思い入れがありすぎると上手くいかないという、これもいい例だ。

 

 というわけで、ボツになってしまった5人を紹介したが、彼女たちはシナリオを書くことができただけいい方で、設定だけで終わってしまったキャラクターは他にいくらでもいる。この先もたくさん作っては、消えていくだろう。

 そんな表に出ることなく終わってしまったキャラクターも含めて、みんなありがとう、お疲れさまと記して、この記事を終わることにする。