対魔忍RPG 男の娘キャラ 制作雑感

対魔忍RPGでついに男の娘キャラがプレイアブルキャラとして実装された。

 

ローンチから出ている主人公の友人、上原鹿之助。

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つい最近になって初登場した穂希なお。

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いつの間にか長くなった対魔忍の歴史でも、男の娘は初めてのはずだ。
なんの因果か二人ともエロシーンを書いたので*1、それに絡んで色々と感じたことについて書いてみる。

 

この二人、今月になって立て続けに登場したが、書いたのも同時期だ。
というより、二人まとめて依頼が来た。
「ついにやるか!」という驚きがあった。
私にとっても、初めての男の娘だ。

 

しかし、「男の娘」とは妙な言葉だ。
キャラ属性として「の娘」がついてるだけで、普通に男だ。
改めて定義を調べてみると、「娘のように見える男」ということらしく、問題になるのは外見で、内面が男であるか女であるかは関係ないようだ。
というより、この外見と内面のせめぎ合いに、男の娘のキモがあるような気もする。

 

元祖は1980年代のマンガ、「ストップひばりくん」あたりだろうが、言葉としてはもっと新しいはずだ。
私がこの業界に入ったのがちょうど2000年くらいだが、そのころようやく出始めたかなという印象だ。

 

個人的には、2005年「処女はお姉さまに恋してる」の「宮小路瑞穂」、同年の「サクラ大戦V 〜さらば愛しき人よ〜」の「九条昴(公式には性別不明のままか?)」、2009年の「steins;gate」の「漆原るか」などが印象に残っている。

 

漆原るかについては、主人公のオカリンがことあるごとに「だが男だ」と言っている。
そう「男」なんである。
あくまで男、でも見た目は娘。
男の娘だ。

 

前置きが長くなったが、男の娘のエロを書くことそれ自体に抵抗はない。
以前、どういうわけかBLの仕事に関わったことがあって、普段読んだりしていないので、ユーザーには当たり前のセオリーが分からずに、スタッフに聞いてオススメゲームをプレイしたり、傑作と言われる本を読みあさったりとえらい苦労をした。

結局、それはお蔵入りになってしまって残念だったのだが、おかけでちょっと好きな作品*2もできて、趣味の幅が広がったりもしている。

 

それに比べたら、今回は対魔忍。

性別が男なだけでこれまでと同じ文法でやれるので気は楽だ。

とはいえ、今まで女の子でチンポが付いているフタナリキャラはいても、完全な男のエロはなかった。
運営もかなり気をつかっているとみて、こんな注意書きがなされている。

 

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正直、笑ってしまったが、正しい警告だろう。

私は指定に従ってシナリオを書いただけだが、二人ともキャラ設定、エロのシチュエーションからして、対魔忍RPG世界にやんわり入ってこれるようにかなり注意していると感じた。

 

まずはキャラ設定。
上原鹿之助は、内面は男だが、家のしきたりで魔除けのため、6才まで女の子として育てられているので、女の子の心が隠れている。
穂希なおも、内面は男だが、可愛いもの好きで、普段から女装している。

 

つまり、二人ともオーソドックスな男の娘からはずれている。最初から女の子よりだ。
対魔忍は女の子がメインだから、たとえ性別が男であろうと、はなから女の子要素を入れておおいて、もろに「男」とならないようにクッションにしているのだろう。

 

次にエロシーンの構成。
先に実装された穂希なおは、まず調教師のおじさんに自動オナホールでチンポ責めされる。おじさんによる直の手コキではない。微妙な違いだが、気を遣っているのは間違いない。

そうやって男に射精させられる快感と屈辱を味わせておいてから、二つ目のエロシーンでようやくおじさんにアナル処女を奪われてメス化する。
これも内面が完全に女になるというよりは、「男のチンポが気持ちイイ=女」くらいのニュアンスで書いている。

 

一方、鹿之助は最初からアナルを掘られるのだが、その相手はフタナリのスネークレディだ。
つまり見た目は女なので、いきなり男同士が絡んでいるキツい場面とはならない。
二つ目のエロシーンでは、それから結構時間が経っていて、なおに比べて内面の女性化が進んでいるが、これも元から隠れていた部分が露わになったというニュアンスだ。

 

そして鹿之助もなおも、相手は主人公のふうま君ではない。
これはかなり重要だ。
正直、ふうま君が攻めだったら、たとえば薬で暴走でもして理性がない状態とかでないと、私も書きにくかったと思う。

とりあえずモノローグがつらい。
なおは本編でも出会って間がないからなんとかなるとしても、男友達として付き合いの長い鹿之助とか、お前どういうつもりで犯してるんだと、書き手の私も思わずにはいられない。

 

また、鹿之助に関しては、

 あれ以来、ふうまのことは考えないようにしていた。
 これ以上メスガキ調教されたら
 もうふうまに会えなくなる気がしていた。
 違う。そうじゃない。
 完全にメス化した自分がふうまに犯されるのではないか?
 自分もそれを望むのではないか?
 それを想像するのが怖かった。

 

このあたりのくだりなど、それ以前にふうま君のことをどう思っていたかにも関わるので、ここまで書くのは冒険かなと迷ったのだが、フタナリにチンポを突っ込まれてる異常な状況でもあるし、

「もし自分がメスになったら、ふうまからもそう見られるかもしれない。犯されて喜んでしまうかもしれない。それ以前にふうまを性的に意識していたかは自分でも分からない」

くらいのニュアンスでまとめている。

 

いかに通常ストーリーから独立したIFのエロシーンとはいえ、「本当はずっとふうまを性的に意識していた」とまで書いてしまうとさすがに違うので、初めての男の娘としては、このへんがギリギリのラインだろう。

 

BL的には、ゆきずりの男に犯されて、昔から自分の中にあった、あるいはそこで芽生えた同性愛的な部分を自覚し、今までただの男友達と思っていた相手を性的に意識するという展開はありな気がするのだが、今ひとつ確信が持てない。泥縄の勉強なのでその程度だ。

 

今後、鹿之助やなお、あるいは新しい男の娘キャラのエロシーンがあるのか、それがどんな内容なのかは分からない。

 

もっとオーソドックスな男の娘に寄せた内容になるとして、
例えば―――

ただ可愛い顔立ちで、内面も男。
ふうま君がその男に欲情してしまい、100%自分の意思で犯す。
その子は、内面は男でありながら女として犯される歓びに目覚め、ふうま君だけのメスになる。

 

むむむ、対魔忍としてはなかなか冒険になってしまった。
どう考えたって男の娘より、ふうま君の方が一皮剥けている。
やはり難しいな、男の娘。

 

個人的には、最初から内面が女で、自分のチンポが嫌いな男の娘を、まず望み通り女の子として堕としてやってから、手コキとかトコロテン射精で責め立てて、お前は女以下のチンポ付きだと認めさせる展開とかやりたいが、それ男の娘か?という疑問はある。

 

その方向でやるならフタナリの方が向いてそうだ。
男にチンポがあるのは当たり前なので、同じ心が女の子なら、チンポが生えてるその時点でタブーを犯しているフタナリのほうが倒錯感が出しやすい。

もっとも、二次元ではフタナリは普通なので倒錯感も馴染みになってしまうが、男の娘でチャレンジしすぎるよりはいいだろう。

 

いずれにしろ、このタブーというのがエロでは大切だ。
普段から胸を見られている裸族は胸を見られても別にどうということはないが、夫以外には決して肌を見せない部族の子は肩がちょっとはだけただけでも死ぬほど恥ずかしがる。
どっちがエロいかといえばもちろん後者だ。

女の子であろうが、男の娘であろうが、キャラのタブーをどのへんに持ってくかがポイントになる。

 

ただ、アサギを始めとする対魔忍の看板キャラたちはタブーを犯されすぎて、キャラもユーザーも慣れてしまっている感がある。

 

アサギは、敵を倒す前にはとりあえず全員に犯されとく、触手も妊娠も3000倍もどんと来いみたいなイメージができあがっているので、陵辱それ自体でのタブーがもう作りづらい。
それもあって、エロシーンを担当した【最強の対魔忍】井河アサギでは、年齢差のありすぎる恋人という、ごくごく普通なタブーを用意して、年上キャラならではの可愛らしさを狙っている。それについては 以前書いた

 

さくらとかも、陵辱体験はアサギと同レベル、加えて本人が軽さを武器にしていて精神的にタフという印象なので、
「なははー。
 またオークに快楽堕ちさせられちゃったよ
 いやーまいったなー」
とか言いそうだ。さくら先生、全然堕ちてないよ。

 

先生として生徒の前で醜態を晒すとかも考えられるが、卒業式にオークの群れに犯されても、
「これが対魔忍になるってことなんだよ。
 さくら先生の最期の授業、みんなちゃんと見てて」
とか、開き直ってアヘ顔晒しそうである。
対魔忍の鏡というか、理想の先生というか、それはそれでおかしな方向にエロいが。

 

もう一つの看板、対魔忍ユキカゼのキャラも違う意味で難しい。
ゆきかぜにしろ凜子にしろ、ゲームでの最大のタブーポイントは秋山達郎だ。
ゆきかぜの思い人にして、凜子の弟。

 

ゆきかぜは達郎以外の男に犯されるのがタブー。
凜子はそれに加えて、弟なのでそもそも近親相姦というタブー。

 

ただ、この肝心の達郎が対魔忍RPGではいるんだかいないんだか分からず、アクション対魔忍ではついにゆきかぜのプロフィールから達郎の名が消えてしまった。

この先どうなるんだ、達郎。

 

ゆきかぜは達郎がいないかのように振る舞っているからいいとして(達郎にとってはよくないが)、

凜子は待機セリフで達郎の名を普通に口にしたり、「達郎によく似た男に犯される」というエロシーンがあったりする。

 

これで達郎は実在しない、凜子の中だけの架空の存在、ゆきかぜはそれを知って凜子に合わせているとかだったらヤバくて面白いとは思うが、そんなことはないだろう。
ただ出番がないだけだ。かわいそうに。

この達郎については、別に言ってやりたいこともあるのだが、またの機会にしよう。

 

というわけで、変な方向に話が進んでしまったが、「女の子だけじゃなく、この先の男の娘も楽しみ」と雑に話を締めて、今回の記事の終わりとする。

 

*1:かつ二人ともゲットしてない。そんなもんだ

*2:明治カナ子氏の「坂の上の魔法近い」、井上佐藤氏の「10DANCE」などが好み