flutter of birds 〜鳥達の羽ばたき〜 その1



今日は休みなので、昔作ってたエロゲのことなどつらつらと書いてみる。
となると、まずは「flutter of birds 〜鳥達の羽ばたき〜」からだなあ、やはり。


シルキーズの復活第一弾ソフトであり、ヘルプではなくヒロインをちゃんと担当させてもらった初めてのソフトとしても印象深い。
発売は2001年。もう5年も前だ。覚えていてくれる人はいるだろうか。
その内容はというと――


18禁純愛ストーリーアドベンチャーゲーム。主人公は、叔父の持つ診療所で、夏休みを利用した手伝いを頼まれる。入院している同世代の女の子達の相談役としてメンタルケアをしていく中で、入院患者の少女達や村の中で出会う少女達との絆を深めていく。(amazonの商品説明より)


ふむ、過不足なく説明してくれているな。ヒロインが3人も死ぬことを除けばだが。
いや、そんなもん商品説明に書かんか。
当時は、D.O.の「加奈〜いもうと〜」など、ヒロインの娘が可哀想な目にあってしまう、いわゆる「泣きゲー」「死にゲー」が流行っていた頃だ。それに乗ったと言えば身も蓋もないけど。
ともあれ、企画であり原画でもある竹井正樹氏の発案によって、「泣かせるゲーム」を作ろうということになり、私はメインキャラの一人、嫌な言い方だが死ぬキャラを一人担当することになった。


それが、美浜つばさ。
キャラ中最年少で、ボク娘で、八重歯で、お兄ちゃん。
竹井さん、狙いすぎです。いや待て、半分くらいは私が設定したんだっけ


ま、ともかく、かなり悩んで話を作った。
死にゲー自体流行ってたし、なんせ他に二人も死ぬからなあ。


結局、つばさシナリオでは二つの独自性を出すことにした。


まず、病気のことはしっかり書く。
何だかよく分からない不治の病が治ったり治らなかったりというのは禁止。
ちゃんとした病名を出し、エロゲとして許せる範囲で生々しい病気の苦しさも表現する。
その結果、尊厳死ルートでは比較的抑えられているものの、闘病ルートでは結構容赦のない描写をしている。スタッフに酷い人とか言われた。え〜〜〜。


もう一点は、その奇跡――病気が治ることに関係している。
病気に関係ない好感度選択によって、治る治らない、すなわち生き死にを決定しない。
参考として病気物をいくつかやったとき、そこに個人的なひっかかりを覚えたからだ。
「そりゃ、恋人になって幸せになったから、免疫力があがって病気が治ったってことなんだろうけど、それってどうなのよ?」
と思って作ったのが、最後の選択肢。
あれが、つばさシナリオの根幹だったように思う。
思うが、エロゲとしてはかなりの冒険で、上はよく許可してくれたものだ。感謝している。


気に入ってるシーン。
「四つ葉のクローバーで指輪を作って結婚式」
書いたのは自分だが、今読むと自分で照れくさくなってしまう。困ったもんだ。


あと二人、神楽琴羽と水川空をやったが、それはまたいずれ。


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