ひさびさの更新。
ちょっと間が空くと、つい書くのが億劫になってしまう。
楽しいことがあったので一つ書く。
ネットのご多分に漏れずニコニコ動画を楽しんでいる自分だが、
つい先だって、かつてシナリオを書いたゲームのMAD動画を見つけた。
探して見つけたのではなく、リンクをたどって偶然発見した。
しかも、近頃流行のアイマスMAD。
嬉しくない筈がない。
懐かしいメロディと共に流れる動画を見ながら、
当時、四苦八苦しながらシナリオを書いたことを思い出して、危うく泣きそうになった。
―――というのは嘘だが、アイマスよりずっと昔のゲームなのに、
わざわざMAD動画を作ってくれた作者の心意気にグッときた。
ファンのありがたみを感じる瞬間である。
ニコニコ動画(RC2)‐アイドルマスターMAD 雪歩・千早・春香「月光譚歌」
ゲームのタイトルは、宵待姫 〜大正淫猥吸血姫譚〜（よいまちひめ たいしょういんわいきゅうけつきたん)
ネルさんから、2004年11月に発売されたものだ。
ちょうど３年前になるが、もっと昔のように感じる。
エロゲ業界のサイクルは早い。
あらすじは、こんな感じである。
主人公の和泉時雄（いずみときお）は、成り上がり華族の跡取り息子。
幼い頃に拾われ、妹として育った結衣（ゆい）と共に、屋敷でくらしていた。
母親は早くになくなり、父親は世界中を飛び回り家に寄りつかない。
そんな中で結衣と時雄は、本当の兄妹以上に仲良く、そして家族の絆を深めていた。しかしある日、隠されていた屋敷の地下室で妖しい棺を見つけた時雄は、結衣が止めるのも聞かず、好奇心から蓋を開けてしまう。
――果たして、中には何も入っていなかった。
がっかりする時雄と、ほっとする結衣。
ところが、事件はすでにこの時から始まっていたのである……その夜、テラスで結衣の姿を見かけた時雄は、そこで信じられない光景を目にすることになる。
時雄の方に振り向いた結衣の目は紅く、紅く光っていた。
そして次の瞬間、結衣の髪は美しい金髪へと代わり、口元には鋭い犬歯が覗く。
エル「この身体はもはや妾のものじゃ」
吸血姫エル――そう名乗った少女は妖しく微笑むと、時雄の血を吸い始める。
血を吸われるけだるさと共にしんじられないほどの快楽を感じながら、時雄の意識は遠のいていくのあった……。昼はしとやかで可愛い妹。
夜は高貴で生意気な吸血姫。
二つの人格を持つ少女との生活は、この日から始まったのである。
（ＯＨＰより引用）
ＯＨＰのジャンル説明にある、『大正妹に(エ)浪漫の嵐 ＡＤＶ（仮）』というのは、
一斉を風靡したゲーム、サクラ大戦のキャッチコピーのもじり。
大正妹は「たいしょういもうと」と読む。
そのキャッチコピー通り、舞台はレトロ感溢れる大正時代であり、
個人的にも好きな『入れ替わりもの』ということもあいまって、
書いていてとても楽しかった一品である。
楽しかったということは、同じくらい辛かったわけであるが。
この宵待姫、それ以前に同じネルブランドから出た、シナリオは私、原画も同じ瑞井鹿央氏のゲーム
碧ヶ淵- 夜伽の村のお嫁様（みどりがふち よとぎのむらのおよめさま）と、世界観を同一にしている。
実はこれ、最初からそう決まっていたわけではなく、
シナリオを書いている時に悪戯心で勝手にやってしまったものである。
そういう「お遊び」は、ゲームによってやって良い時と悪い時があるので、
最終的にどうするかはネルさんの判断に任せていた。
そうしたらまんまと通ってしまい、それだけではなく、これら世界観を同じくしたゲームの合体ファンディスク
薺ヶ好（なずながすき） なずなと若葉の物語 というのも、後に発売されることとなった。
何でもやっておくものである。
宵待姫で個人的に好きなキャラは、エルとナタルのコンビ。
エルは吸血姫（きゅうけつき、鬼ではなく姫。ここが大事）で、ナタルはその忠実なメイドである。
エルは常に誇り高く、淫らな自分に自信をもち、残酷だったり気が短かったり、それでいて妙に素直だったりと、時と場合によって様々な表情を見せるキャラ。
ナタルは、普段は典型的なドジっ娘だけれども、エルのメイドとして一本心の通ったところがあって、直感は鋭いが判断は変という、トラブルメーカー的な役割。
二人とも書いていてとても面白く、自分の中で完璧にできあがっていたので、３年たった今でも、ふとした時に二人のくだらない掛け合いを思いついたりする。
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