蔵出し「対魔忍RPG 未来キャラ制作雑感」


祝、対魔忍RPG5周年。

以下の記事は、鬼神凜子が実装された2022年5月頃に書き始めたもので、細々と手を加えていたら公開するタイミングを逸してしまい、そのままお蔵入りになっていたものだ。
それから1年半ほどもたってしまったが、このまま埋もれされるのはもったいないので、5周年のこの機会に思い切って公開する。
多少情報が古くなっているのはお許し願いたい。

 

対魔忍RPG 未来キャラ制作雑感

大人ゆきかぜ から始まった対魔忍RPGの未来キャラも、未来アスカ 舞華姐さん氷神きらら魔神蛇子さままり首領鬼神凜子と続いている。
いつのまにか随分と増えたものだ。*1
本編ストーリーも現在時空と並行して、未来時空の話が進んでいる。
今回は私が担当した未来キャラのエロシーンについて一人一人語ってみようと思う。
大人ゆきかぜが実装されたのは2020年11月末。それから今日までに色々と状況も変っているので、それぞれの執筆時にどんなことを考えていたのかなど比較しつつ、改めて思い返してみたい。

 

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まずは大人ゆきかぜ  
未来キャラ一人目の彼女は、『雷神の対魔忍』において、死ぬ運命にあるふうま君を未来から救いにくるという劇的な登場の仕方をした。
それについてはこの記事で詳しく述べている。
エロシーンはその後日談、本編の後にあったかもしれない出来事になっている。
通常、エロシーンは本編から独立したIFになることが多いので、そういうのは結構珍しい。
私の担当キャラでは、『奪われた石切兼光』のために設定からエロシーンの内容まで決めた陽炎、それから本編の前日譚としてあってもおかしくないアンリード・ボニーくらいだ。
本編の後日談なので、大人ゆきかぜはもちろん、ふうま君も本編そのままの性格となっていて、その場のノリで腕を脱臼させるような鬼畜でも、電車で言葉巧みに痴漢プレイをするような破廉恥でもない。そして童貞である。


初めての未来イベントのヒロインとあって、大人ゆきかぜはそれ以降の連中とは大きく異なる点がある。
キャラ設定とかではなく、これを書いた時点でその先の未来話が続くかどうか私が分かっていなかったことだ。
『雷神の対魔忍』はそれ自体で話が終わっているので、もしかしたら続きがあるかもしれないが、なくても別に構わないつもりでいた。
従って、エロシーンは大人ゆきかぜの物語の締めのつもりで書いている。

まずは『雷神の対魔忍』のラストシーン、別れの場面のおさらいから始まる。
ここ実はプロットにはなく、エロシーンがイベントの続きというのをはっきり示すためにシナリオで追加した。
というのは建前で、ゆきかぜ役のひむろゆりさんにあのシーンをやって欲しい、その演技を聞きたいというのが一番の理由だったりする。
『対魔忍RPG』では色々と本編シナリオを書いたが、エロ以外はいつも声なしなので、メインクエストではいつも声ありの『アクション対魔忍』がちょっと羨ましかったのだ。
だからといって、イベントシナリオをそのままコピペするだけでは手抜きすぎるので、二人のセリフは同じにする一方、ふうま君のモノローグを少し変えてエモーショナルなものにしている。例えばこんな風に、

ゆきかぜ「終わったわ。これで」
 未来から来たゆきかぜの顔には言いようのない寂しさが浮かんでいた。
 アルサールを倒し、遺物を破壊して俺と鹿之助の命を救ってくれた。
 ゆきかぜはこの過去にやってきた目的をすべて果たしたのだ。
 だからもうこの時代にいる理由はない。
 いや、これ以上いてはいけない。
 愁いに満ちたその表情からは言葉にならないそんな想いが伝わってきた。

大嘘である。
そんなことリアルタイムでは全然伝わってなかったはずだ。
同じ場面、本編ではこうなっている。

ゆきかぜ「終わったわ。これで」
 ゆきかぜは感慨深げに言った。
 その顔には一抹の寂しさが浮かんでいる。

ほらね。なにが「愁いに満ちたその表情」だ。お調子者め。
これはふうま君が後で思い返しているからだ。
時間が経つと記憶が美しく脚色がされるのはよくある話だ。
実のところ、ふうま君に対する未来キャラたちの想いも、わりと同じことが言える気がするのだが、まあ悪いことじゃない。

そしてエロシーン本番だが、ゆきかぜのこの喘ぎにはこういう意図があった、この攻めはこういう狙いだったとかいちいち説明するのも興醒めなので、諸々の行為が終わってからのピロートーク、ゆきかぜのこのセリフに注目してもらいたい。

ゆきかぜ「ずっとずっと愛してる……ふうま……」

私が担当したゲームの『対魔忍ユキカゼ』シリーズ、『対魔忍アサギ決戦アリーナ』、『対魔忍RPG』を通して、ストレートに「愛してる」とゆきかぜに言わせたのは初めてだ。
冒頭で述べたように大人ゆきかぜの物語の締め、その最後のセリフとして、大人ゆきかぜからしてみれば、ふうま君とようやく結ばれた喜び、そして今度こそ本当にお別れという万感の想いを込めて「愛してる」と言っている。
別れ際、最後の最後にようやく「愛してる」。
またしても昔のネタで恐縮だが『BRIGADOON まりんとメラン』を思い出す。そういやあれも未来からの異邦人であった。
普段、「淫乱雌豚マンコイグゥ!」とかわけの分からんことを書き倒してる私だが、「愛してる」という言葉にはそれだけ注意を払っているわけだ。
これで「”愛してる”を知りたいのです」のヴァイオレット・エヴァーガーデンにいつ注目されても大丈夫だ。
と書いておいてなんだが、『対魔忍RPG』でゆきかぜの「愛してる」は初めてではない。
【雷撃のクリスマス】水城ゆきかぜを持っている人は知っているだろうが、フレーバーセリフでしっかり「コタツ愛してる」と言っている。しかもかなり可愛く。
ああもう、この小娘は。人がせっかく気を遣っているのに。
まあ、言ってしまったたものはしょうがない。
タツの次に愛してるということで、勘弁してもらいたい。

 


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未来キャラ二人目は、どういうわけかロリ化した未来アスカだ。
大人ゆきかぜが『雷神の対魔忍』の後日談になっているのと同じく、未来アスカも『風神の対魔忍』の後の話だ。
しかも、大人ゆきかぜとふうま君との初体験があったことになっている。なかなか思いきったエロ設定だ。
そんなわけで、未来アスカは身体が小さくなってしまったこと以上に、ゆきかぜに遅れをとったのを気にしている。
現代でもアスカは「ふうまのことを好きになる物好きなんて私くらいでしょ」と大いなる勘違いをしていたら、実は周回遅れだったというポジションなので、似合っていると言えば似合っている。

未来アスカのそのへんの心情、つまり年はとるわ、身体は小さくなるわ、あげく親友に遅れをとるわと、いつにもましてややこしい女心をエロシーンに反映させることになった。
大変ではあったが、普通に大人になったアスカがまた童貞のふうま君と初体験するよりは書いてて楽しい。
その場合は、死んでしまったふうま君への想いをやっと叶えられたという、大人ゆきかぜでやったことを、キャラを大人アスカに変えてやるだけだからだ。それはそれで書き甲斐はあるが、たいして難しくはない。

そんな未来アスカのエロシーンを書くにあたっては、彼女の面倒くさい部分を思い切って変えてみた。つまり恐ろしく素直な恋愛アピールだ。
現代のアスカはふうま君への好意をストレートに示さない。いや、示せないといった方が正確だ。
素直に好きと言うかわりに、「あんた私のこと好きでしょ?」的にやたらとアピールしてきて、「そういう態度をとるってことは、私があなたを好きってことなの。言わなくてもそれくらい分かるでしょ。鈍感」という言うわけだ。回りくどいな。
機動戦艦ナデシコ』でミスマル・ユリカが「アキトは私が好き」とやたらと連呼していたのを思い出す。もっともユリカの場合は「私がアキトを好き」というのはあまりにも当然のことすぎて、最終回まで言うのを忘れていた感じだったが。

そのあたりの面倒くさい性格はアスカも自覚しているようで、『闇との邂逅』でアンジェと一緒にふうま君の家に行った時には「もっと素直になれたら楽なのにな」とか思っている。思ってるなら素直になれ。
未来アスカはそういう性格が災いして、ふうま君に気持ちを伝えられないまま死に別れてしまう。『風神の対魔忍』のエピローグからすると、あっちの次元ではバレンタインのチョコすらちゃんと渡せなかったようだ。どれだけ後悔したか想像に難くない。

未来アスカはそんな経験を経て、過酷な世界を生き抜いている。
レジスタンスのリーダーとして、別の意味で感情を表に出してはいけない立場になり、弱みを見せるのは相棒のゆきかぜだけ。ついでに身体まで小さくなってしまった。
そしてふうま君のとの再会、夢にまで見た初エッチ。
しかし自分と気持ちを共有できていた親友、かつ恋敵のゆきかぜには遅れをとっている。もう回りくどいアピールなんかしてる場合ではない。

というわけで、未来アスカはセックス中に「愛してる」を連発することとなった。アスカが焦っていることも鑑み、かなり意識して使っている。
大人ゆきかぜが別れ際にたった一回、決め台詞で「愛してる」と言ったのとは対照的だ。
これを書いた時点で、未来話が続くことがもう分かっていたので、お別れのニュアンスを出す必要がなくなったこともある。
葵渚さんのスペシャル差分によって、ゆきかぜには絶対にできない、ふうま君の初パイズリをもらったことで、恋愛的に遅れをとった気持ちも少しは解消されたに違いない。
と未来アスカを書いた時には思ったのだが、氷神きららによって、またゆきかぜ共々えらい遅れをとることになった。
とはいえ、現代では『 From Your Valentine』において、三度目にしてようやくバレンタインで直接チョコを渡すことに成功した。
まあ、私個人としてはアスカに一番似合うのは愛人、それも昔付き合っていたがうまくいかなくて、何年か経って再会したら身体も含めてお互い相性がすごく良かったというポジション*2だと思うが、それはそれとしてまだまだ逆転のチャンスはある。頑張れアスカ。

 

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未来キャラ三人目は舞華姐さん こと、大人になった神村舞華だ。
彼女のユニットとしては、神村舞華 【爆炎のギャル】神村舞華 【バニー】神村舞華に続く四人目で、なんの因果か私が全て担当している。*3
一方、本編ではそれほど舞華を書いていない。
初登場の『期末テストと最強の対魔忍』はやってないし、『蜘蛛の貴婦人』はラストのちょい役、ちゃんと書いたのは『バニー対魔忍とカジノ・ラビリンス』くらいだ。
つまり本編中の舞華より、エロシーンの舞華の方がキャラを把握している。
というわけで、舞華姐さんのエロシーンは、これまでの三つのエロシーンのような出来事があった舞華というIFで書くことにした。
特に【バニー】神村舞華の設定、かつてヨミハラで奴隷娼婦になったというのは使える。
これを書いたのは、ちょうど『失われたもの』を書き終えたころで、未来ではヨミハラが消滅していたので、ゴロツキたちに恐れられていた彼女が実は伝説のヨミハラの奴隷娼婦だったという状況になるからだ。
第一、初めての奴隷娼婦で最初は嫌がっていたが次第に感じてきて云々というのは、【バニー】神村舞華がすでにそうなので、舞華の年齢だけ上にして同じことをやっても面白くない。
それよりは、かつて奴隷娼婦として肉体に刻み込まれた忌まわしい快楽の記憶が蘇ったとしたほうが、姐さんと呼ばれる年上キャラに相応しい。

エロシーンはそんな舞華姐さんの視点による導入のあと、昔の舞華を知っていたとある火遁対魔忍の視点に切り替わる。
あくまでも第三者の視点として必要なだけだったので、「強くて格好いい舞華姐さんに純粋に憧れていた元少年で、奴隷娼婦になっていたことは知らない」以外の設定は考えていない。むしろ余計な個性は消した。
一方、舞華を次々と犯す男達はお馴染みの名無しのモブだが、一人一人細かい設定を即興で考えている。
といっても連中の過去とかではなく、チンポが大きいか小さいか、早漏か遅漏か、どんな風に攻めるのが好きかといった、凌辱するにあたって必要な設定だ。
もう書き終わったので忘れてしまったが、そういうことを決めておかないと、何人もの男に次々と犯されるとか書きにくくてしょうがない。みんな似たような調子になってしまう。
同じ理由で、主人公がすごい威力の媚薬を使ってモブの女の子を次々と犯すようなエロゲによくあるシーンなどでは、出てくる女の子のセックス関連の設定をアドリブで決めている。
例えば、ゲームの『対魔忍ユキカゼ2』で、ゆきかぜと凜子が妙な学園に転入し、クラスメートに輪姦されたり、痴態を見られたりする場面のために、男女20人ほどの設定を即興で作った。当時の資料がこれだ。こいつらは日常シーンもあったので少し細かい。

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舞華姐さんに話を戻して、このエロシーンの特徴として、犯している男達もそれを見ているモブ対魔忍も、舞華の過去や心情を完全には把握できないということがあげられる。
例えば、奴隷娼婦となった舞華の口癖らしい「ごめん、堕ちちゃう許して」がふうま君に対しての言葉だと分かるのはユーザーだけだ。
あの世界でふうま君は死んでいるので、おそらく舞華はずっと操を守っていたであろうこと、仮に刹那的に誰かと付き合うことがあったとしても、ふうま君の代わりにはなり得なかったことが伺える。
そういう舞華が色恋とは最もほど遠いゴロツキたちに犯され、しかもかつてふうま君のために行った娼婦体験のため、身体は感じてしまうというシチュエーションだ。
そういう意味でオーソドックスな輪姦シーンでありつつ、アヘ台詞のなかに舞華の秘めたる心情を盛り込むことができて、書いていて楽しかった。

ただ、『氷神の対魔忍』で次元ケータイでふうま君と話した舞華が「大人の魅力をたっぷり教えてやる」とか言っていたので、実はあれは大人の女を演出しようとした舞華の強がりで、まだ処女だと正直に言えなかった舞華が年下になってしまったふうま君とビクビクしながら初エッチとかは書いてみたい気がする。
今までとの整合性? そんなことは知らん。


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未来キャラ四人目は満を持して登場したきらら先輩、氷神きららだ。
彼女も『氷神の対魔忍』の後日談で、かつ大人ゆきかぜ、未来アスカのエロシーンがあったものとして書いている。
それに加えて、この氷神きららは舞華姐さん同様、今までのエロシーン的な出来事を経ているというIFになっている。
そうなると大人ゆきかぜ、未来アスカとの整合性が問題になりそうだが、そういう世界線もあったということで、そこはあまり気にしないでいただきたい。
あくまでもエロシーンのためのIFであって、あの未来社会において、ふうま君ときらら先輩とが恋人だったことが確定したとかでは全くない。

この氷神きららが出るまで、きららのユニットは三つあった。
それぞれのエロシーンの内容は、
鬼崎きらら :酔った勢いで処女じゃないと強がってセックス。
【ハロウィンヴァンパイア】鬼崎きらら :媚薬で発情したふうま君の欲望を治めるためセックス。
【バニー先輩】鬼崎きらら :いつもリードされて悔しいので逆襲するためにセックス。
……とまあ、無印とバニーはもちろん、ハロウィンヴァンパイアも中身はわりとふうま君に意地を張ってしまうという流れになっていた。

一方、この氷神きららはそれとは違って、セックスのためにいきなり呼び出すという導入はさておき、きららがもう意地を張るのをやめて純粋な愛情をふうま君に求めるという展開だ。
だったら、また未来処女設定で書くよりも、今までの意地を張ってセックス勝負していた関係があった方がいいだろうと考えた。
「ふうま君を失った悲しみで引きこもっていたきらら先輩」という未来設定だけでなんとなく書くよりは、本編以上のもっと具体的な過去があった方がセリフが自然にでてくる。一つ前に実装されたバニー先輩を担当していたことも都合がよかった。

そんな氷神きららのエロシーンの特徴はやはり実質3シーンであること、しかも最初のH,妊娠中、出産後と、それぞれの間にかなり期間を置いていることだ。
当然、ふうま君ときららとの関係、セリフのやりとりの感じも少しずつ変えている。三つ目のバブバブはどうかと思うが。
そしてシーンの合間合間には、ゆきかぜとアスカのやりとりが入っている。
二人ともふうま君ときららとの関係を認めているような会話になっているが、そこに至るまでには相当な葛藤や嫉妬、さらには自分もふうま君をまた呼び出して妊活と色々あったはずだが、それを書き始めると氷神きららのエロシーンで二人が出しゃばりすぎるので、ここは狂言回しの役割に徹してもらった。

またこのエロシーンでは、ふうま君がきららの好きだったふうま君とは別人という点にも少しだけ踏み込んでいる。
最初のシーンで現代の自分とふうまとの関係を聞こうとしてやめたり、妊娠中のシーンでは、すでにそれを尋ねたあとで、現代では恋愛関係ではないと知っているといった描写がそれだ。
大人ゆきかぜや未来アスカではあえて言及を避けてきたのだが、個人的に未来キャラを書いていてずっと気になっていたところだ。
「死んだはずのふうまが生きていた。抱いて」という女性たちの気持ちは分かるし、求められて応じる現代のふうま君もまあいいのだが、死んでしまったふうま君からすれば別次元の自分に彼女たちを奪われていい面の皮である。
私としては、未来キャラたちの「ふうまが生きていた」と単純に喜んでいる段階から一歩進んで、「このふうまは私の好きになったふうまじゃない。でもこのふうまも好きになってしまった。これは死んだふうまへの裏切り?」的な葛藤、それにどうケリをつけるのか、つけないのかといったあたりも書きたいのだが、そこをあまりクドクドやってもエロシーンが変に重くなるし、対魔忍RPGのカラーとも違う気がするので悩みどころではある。

 

 

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未来キャラ五人目は、魔神蛇子さま だ。
蛇子のユニットとしては、相州蛇子 【ハロウィン】相州蛇子 【6月の花嫁】相州蛇子に続く四人目となる。
オープニングから登場している「ふうま君の幼馴染」というポジションでありながら、その属性があだとなったか、本編中ではふうま君とラブな展開にいまいちなり得ていない。
そんな蛇子の今までのエロシーンは、一人目は淫魔虫に発情させられてふうま君との治療和姦、二人目のハロウィンはふうま君との電車内での痴漢プレイからの家での和姦*4、三人目の黒花嫁は任務のため衆人環視でふうま君に疑似調教され、その流れでオッサンにも犯されてしまうという展開だった。
そして四人目、大人になった蛇子がどうなるのかと思っていたら、ダゴンに掴まって触手責めから触手排卵という、実に対魔忍らしいガチ調教であった。
蛇子も色んな意味で大人になったんだなという感じである。
私自身、久しぶりに触手チンポという言葉を楽しく使った。

エロシーンは、ダゴンの罠にはまってしまうまでの任務の場面から始っている。
この導入わりと長い。
エロのことだけを考えれば、基地に潜入したら罠を仕掛けられたというだけで十分だ。
しかし、せっかく蛇子だけでなく、Bandit首領になったまりも出てくるのに、それだけではちょっともったいない。
というわけで、大人になって変った二人、大人になっても変っていない二人というのを意識して少し膨らませてある。羊羹見つけてはしゃいでる場面とかがそうだ。
ちょうど未来の蛇子とまりが登場するメインクエスト『 首領と魔神さま』をやる前だったので、大人になった二人のキャラを改めて把握し、続けて本編のシナリオを書くのにも役に立った。

ここでは、大人まりが昔も今も和菓子好きという設定を使っている。
和菓子はなんでも良かったのだが、倉庫に保管してあるということで、現実に5年間長期保存できる井村屋の「えいようかん」があったりするミニ羊羹となった。
ふうま君が携行食としてこれを愛用しているというのは、大人ゆきかぜのイベントで私が勝手に作った設定だが、思わぬ所でリンクできて楽しい。
そうそう、本編では書いてないが、現在のまりへのバレンタインへのお返しは、虎屋のあんペーストなんかが相応しいと思う。
いい和菓子というのはわりと高いが、あれはふうま君でも買える手頃なお値段で、パンに塗ったりアイスに添えたりと色々と楽しめる。

魔神蛇子のエロシーンに話を戻そう。
蛇子にとって初めての触手責め、しかも胸だのオマンコだのを改造されて、あげくに触手出産までするという、てんこ盛りのエグい内容なので、そこをしっかりねっとり書くのは言うまでもない。
その一方で、未来の話がある程度進んでいることを踏まえて、死んだふうま君にもう一度会えると思っていた蛇子の気持ちが無惨に散らされるという要素を入れることにした。
それでこそ凌辱が生きるというものだし、今回ふうま君がどこにも出てこないので、ちゃんと蛇子に思い出してもらわないと、大人になった蛇子らしさが出しにくい。

その結果、ふうまちゃんへの想いにしがみつくようにして快感に耐え、最初は心の中だけで呼びかけていたが、次第に口に出すようになり、一人称も「私」から「蛇子」に戻ってしまい、ついにはその気持ち自体が押し流されてしまうという、まあ言ってみればオーソドックスな堕ちシーンとなった。それでいいのだ。
個人的には、ついに触手の子供を出産し始めたが、オマンコに引っかかって出てこなくなってしまい、「早く出てきてママをちゃんとイカせて」と懇願し、出したら出したでもう知らないってあたりが、いい感じに狂っていて気に入っている。
そんなこんなで、わりと長めの導入、多めの差分、色んなことが次々と起こる展開ということで、今までの大人キャラ五人の中だけでなく、私が担当した対魔忍RPGの全キャラで一番長いエロシーン*5となった。幼馴染の面目躍如といったところか。


さて、どんじりに控えしは、凜子先輩が大人になった鬼神凜子だ。
対魔忍RPGでは通算8人目の凛子となる。
それだけ沢山のユニットになってる割には、この人あんまり本編に出てこない。
ゲーム『対魔忍ユキカゼ』では、ゆきかぜとツートップのヒロインを務め、新世代のエースコンビ、いつも好き勝手にやっているゆきかぜも凛子にだけは頭が上がらないというポジションだった。
しかし、対魔忍RPGでは二人を繋いでいた凜子の弟、達郎がいるんだがいないんだか分からないことになってしまい、お互いの接点が減ってしまったのが原因だ。
ゆきかぜは同学年として、ふうま君の友人のポジションを早々に確保したので、学年が違う凛子先輩の出番が減るという理屈だ。

ローンチ直後に私が担当したイベント『雷撃の対魔忍』では、まだゲームの関係性を維持していると考えていたので、ゆきかぜが空に向かって雷撃をぶっ放したのが凜子にバレて逃げ出したりしているのたが、今となってはあれはなんだったんだという感じではある。
まあ実際には、凜子とゆきかぜでコンビを組んでいたりもしているのだろうが、なにしろ二人とも強すぎるので、別にふうま君の力を借りることもなく、普通に敵を倒して任務達成してしまうのだろう。困ったもんだ。

そんな凜子といえば、対魔忍随一の剣客だったり、AV女優だったりする愉快な人であるが、前者は『奪われた石切兼光』や『五車決戦』とかでわりと書いているが、 後者すなわちエロシーンは対魔忍RPGで一つも書いていない。
しかも、未来で色々あって自暴自棄になってしまった大人の凜子だという。
その設定を見たら、もう性格からなにから完全に変わっていて、エロシーンも自暴自棄とあるので、凜子の定番であるAV女優メソッドが使えない。
ともかく、一つ目のエロシーンは何をされても無反応、男たちに淡々と性奉仕をこなしながら、心の声で鬱々しているというやり方で自暴自棄感を出してみた。

問題は二つ目だ。同じことをもう一度やっても面白くもなんともない。
これで竿役が知り合いとかだったら、凜子との関係性で展開に変化をつけられるのだが、またしても相手は十把一絡げのモブ竿だ。
さて、どうしようと色々考えて、凜子は自暴自棄になりつつも、無意識のうちに中出しされた精液が溢れないように膣を締め付けていて、

男に出されたものを人前で垂れ流す。
女としてそれは恥だ。
(だが、そんなことを感じる資格は今の私にはないっ!)

てな感じで、まだ恥を知る女であろうとしていた己を責め苛み、罪人である自分をもっと蔑めてやれといった流れで、一つ目とは違う自暴自棄感を出してみた。

この元ネタは富野由悠季の小説『リーンの翼*6で、クライマックス中のクライマックスにこんなくだりがある。

男が人前で口からものを吐き出す。
それは、恥だ。

エロシーンに変化をつけたいので、自暴自棄になって感情が死んでいる凜子になんでもいいから恥を感じてもらいたい。
どんな恥がいいかなと、あれこれ頭をひねっているうち、唐突にこの小説のフレーズが浮かんできて、それならマンコから精液が溢れるのが恥にしようと決めた。
シナリオを書いていて、わけのわからないところから、ふいにアイデアが湧き上がることはよくある。
これもそのパターンだが、とびっきり変な連想だと言える。


(以下、2023年9月末日記載)

お蔵入りになっていた記事はここまでだ。
今回、遅まきながら公開するにあたり、執筆時より後の出来事について少し注釈を付け加えた。
今、読み返すと、鬼神凜子に相当手こずっていたことが伺える。
よくあることだが、本編を書く前にエロシーンをやったので、姿も性格も変わってしまった凜子に何をしたらどんな反応をするのか確信が持てず、いちいち手探りで書いていた。

先日の5周年五車祭で、【雷撃斬鬼】ゆきかぜ&凜子としてやっと二人目の、そして凜子らしい凜子を書くことができて嬉しく思っている。
せっかくなので、2023年9月末時点における対魔忍RPGの担当エロシーンを数えてみたら、その【雷撃斬鬼】ゆきかぜ&凜子でちょうど107、108個目だった。
煩悩の数と同じ。嘘みたいだが本当だ。
あの二人は、2011年に私が初めて担当した対魔忍シリーズ『対魔忍ユキカゼ』以来のキャラなので、やはりそういう変な縁があるようだ。

*1:2023年9月末時点で、さらに眞田咲、鬼壱あずさ、石神井爽美、【RONIN】舞華姐さん、飴谷しいな、【強襲兵装】眞田咲、風神アスカ&雷神ゆきかぜ、【正月】魔神蛇子さま、【夜会ドレス】大人ゆきかぜ、【未来彷徨】ZERO紫、【ポストアポカリプス】ナーサラがいる

*2:という設定で後に書いたSSが、『恋人たち』TEN YEARS AFTER』

*3:その後、舞華姐さんの二人目 【RONIN】舞華姐さんも書いた

*4:これは私が担当した

*5:2023年9月時点では【雷撃斬鬼】ゆきかぜ&凜子が最長

*6:後に出た「完全版」ではなくオリジナルの方。完全版にはこの手の印象的なフレーズが削られていて残念