対魔忍アサギ~決戦アリーナ~ そのだまさき担当キャラ雑感 その2
2014年07月01日、ついにサービスが開始された。
その前後、私は個別のキャラのシナリオとは別に、いつでもプレイできる基本クエスト*1のシナリオや、期間限定で開催される特殊イベント*2のシナリオを書いたりしていた。
そういったシナリオでは自分が担当してはいない、したがってよく知らないキャラが次から次へと出てきて、しかも参考にできる資料は設定書とエロシナリオだけだったりするため、ごく普通のセリフを考えるのに苦労した覚えがある。
その一方で個々のキャラについては、エロシーン2つ、すなわちレアリティSR以上の担当が多くなってきて、サービス開始直後にも五人続けて執筆している。
担当キャラ雑感その2では、その五人を思い返してみる。
まずは期間限定イベント「斬鬼と双炎の攻防」のボスであり、そのイベント報酬だった。
「対魔忍ユキカゼ」、「対魔忍ユキカゼ2」のヒロイン、秋山凜子だ。
こちらに尻を向けた絵がとにかく印象的なカードだ。
「斬鬼と双炎の攻防」は、この凜子を何度も何度も倒していくレイドイベントであったことから、プレイヤーには尻叩きなどと呼ばれていた。
サービス開始後、初めて行われたレイドイベントで、当時はまだ仕様がこなれておらず、凜子を発見したプレイヤーのフレンドが救援攻撃をすると、最初の一回だけなぜかバトルポイントを消費しないようになっていた。
その結果、凜子の発見したプレイヤーは掲示板で一時的なフレンドを募集し、傭兵のように集まってきたフレンドがよってたかって尻を叩きまくるという妙な盛り上がり方をしていた。もちろん、そんな仕様はすぐに修正されてしまったが。
シナリオそのものでいえば、ゲームは1,2ともに全て執筆していたので、凜子の性格や口調は全く問題なかったが、アリーナですでに他のライターが担当した凜子がいくつかあったので、それらを一通りチェックしておかしな矛盾がでないかどうか気にしつつ書いていた。
サービス開始前に担当したキャラと変えたこともあった。
ゲームで使用した凜子の立ち絵と背景画像と組み合わせて、エロシーン前の通常シーンのシナリオを書くようにしたことだ。
それまでは、シーン冒頭からイベント絵、いきなり捕まっていて即エロ突入といった無理やりな展開にしていたので、ちゃんとした導入を入れたことで流れを組み立てるのが楽にはなった。もっともこれ以降、トータルで書くシナリオの量は増えてしまうのだが。
イベントの報酬キャラなので、もちろんエロシーンは二つ。
展開は、主人公が対魔忍の学校に教師として忍び込み、新任教師をしている凜子*3を精神支配して、学校や道場で陵辱し、それをいつでも惨めな目に合っている凜子の弟に気づかれるというものだ。
ちょっとしたお遊びで、その精神支配のスキル―――相手の記憶や知識や倫理観を長期間に渡って思うがままにねじ曲げるという能力を「監獄」と称している。もちろん元ネタは監獄戦艦シリーズだ。「監獄戦艦1」はエロシーンのヘルプとして、「監獄戦艦2」、「監獄戦艦3」はメインライターとして参加している。まさか後でそのキャラまでアリーナに登場してくるとは思ってもいなかったが。
とまあ、色々と思い入れがあるキャラなのだが、イベントで上位2000位までに入らないとゲットできないにもかかわらず、肝心のカードの性能は今ひとつで、でかい尻とエロを見る以外、アリーナでは使い物にならないというオチが付いている。
ブッチャーU氏作画による新規キャラだ。
これもエロシーン二つなので、いずれガチャなりイベント報酬なりで重要なカードになることが予想できたが、設定もプロットもすでにできていて、後は書くだけという担当だったので、どんなキャラか把握して書くのに苦心した記憶がある。
しかも、一つ目のエロシーンは電撃による拷問で、レッドラインが精神的に強いキャラのため、中盤あたりで媚薬を注射されて無理やり感じ始めるまでは、「クッ」と耐えるか、「ギャア」と悲鳴を上げるくらいの反応しかしない。
良く知られているアサギやさくらならともかく、初めて見たばかりのよく分からないキャラがなんとなく責められて耐えているという状況は避けたかったので、あえて主人公視点ではなくレッドライン視点のモノローグにして、悲鳴や喘ぎを堪えている間の心の声(ちゃんとボイスがある)で性格などが少しでも分かるようにしている。
二つ目のエロシーンは中年オヤジにマンコを、主人公に初アナルを二穴ファックされ、順番待ちの大勢に見られるという展開だ。
唐突な中年オヤジは「グフフ、わしの真珠入りのデカマラでヒイヒイ言わしてやるわい」的な輪姦シーンでよく出てくる量産型で、それだけだとさすがに弱い気がしたので、レッドラインに殺された息子の復讐のために陵辱という設定をつけ加えた。
後に、【深紅の死神】レッドラインとして再登場するが、そちらは担当していない。
この子もシナリオのみの担当で、エロシーン二つの新規キャラ。
だがこちらは、つり目の金髪ツインテール、名門の生まれで誇り高く生真面目な騎士、でもちょっと抜けているという、分かりやすく書きやすい設定だった。
エロシーンも「決闘で負けたらなんでもする」という、これまたお馴染みの展開で、ローターとアナルビーズを入れられ、首に縄をつけられた状態で街中を散歩させられ、最後には大勢が見ている前で犯されて、中出しアクメを決めてしまうという愉快なものだ。
作画は、「彷徨う淫らなルナティクス~月の姫お伽草子~」で、組ませてもらったSASAYUKi氏と決まっていて、すでにキャラデザまでできていたので、キャラもシチュエーションも申し分なくイメージでき、楽しく執筆することができた。
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このシナリオもレッドラインと同じように女の子視点で書いているが、これはキャラの性格を出すためというよりは、露出調教というエロシーンに合わせて、口では死ぬほど恥ずかしがりつつ、心の中では興奮していたり、そんな自分に戸惑っていたりするのを書くためだ。
そこでちょっと工夫して、決闘で自分を負かした主人公に対しては、たとえどんな恥ずかしいことをされても
「お願いです。もう許してください」
と、騎士らしくちゃんと丁寧語で話しつつ、心の中では
(いやあ、こんな恥ずかしい私を見ないで)
と普通の女の子のように喋らせたりしている。
また、ヨーロッパあたりの古風な騎士らしさがでないものかと、膣のことをワギナ、肛門のことをアヌスと言わせてみたりもしている。
よくアナル、アナルと言うが、英語で「肛門の」を意味する形容詞なので、それ単体で使うならアヌスが正しい。
個人的にはアヌスと書くと一昔前の翻訳洋物ポルノ小説のようなイメージがあるので、それをあえて狙っている。
似たような言葉にベーゼ(フランス語でキス)、コイトス(ラテン語で性交)、ラーゲ(ドイツ語で体位)なんかがある。今ではまず使わない。
好きなシーンは、街中で自分でスカートをたくしあげ、ワギナが濡れているのを通行人に見られつつ、恥ずかしいことを言う場面だ。
「外で……オ、オナニーするのは……は、初めてです……いつもは、へ、部屋で……え? ま、毎日はしませんっ……オナニーは安息日にい、一回だけです」
などと、必要以上に詳しく言ってしまうあたりが、ポンコツ騎士っぽくて気に入っている。
作画はlilithで多くの作品を手がけている、のぶしと氏。
私とも「奴隷志願サイト」、「AYAME ~人形婬戯~」、「魔法少女フェアリーナイツ」などでコンビを組んでいる。
自分の企画が採用された最初の作品、今はなきシルキーズから発売された「肉体転移」のころからの長い付き合いだ。
執筆時にキャラデザもできていてイメージはしやすく、エロシーンも一つ目は拘束してからの全身への媚薬針、二つ目は目はキメラによる異種姦とそれほど難しくはなかったのだが、「魔界の錬金術師、喋り方も知性的な感じで、言葉遊びを興じることもある」というキャラ設定が難題だった。
ただでさえ、会話のやりとりでキャラの知的さを感じさせるなどというのは苦手なのに、プロットではシーン冒頭から捕まっていて、いきなり調教シーンだ。
さて、どうやって知的さを出そうかと悩んでいたところで思い出したのが、「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」の最終話で、少佐と笑い男がサリンジャーなどを引用しまくりながら会話する場面だ。
キャラ同士のかけあいで知的さを感じさせるのは無理としても、とにかく色々と引用しまくればそれっぽさも出るだろうと、シュヴァリエのセリフは単純な喘ぎを除いては、ほぼ全てなにかの引用で、それをエロくもじっている。
例えば、一つ一つのカードについているキャラ紹介のセリフ。
調教前の「ホレイショー、天と地の間にはシュヴァリエの哲学では思いもよらない出来事がまだまだあるわ。今夜もまた気まぐれな運命からの来訪者が現れたの。さあ。あなたの闇をシュヴァリエに見せてご覧なさい」
調教後の「ねえ知っている? 愛してその人を得ることは最上で、愛してその人を失うことはその次にいいの。あなたを失うその日までシュヴァリエをたっぷりと愛してもらうわ。もちろん、あなた好みの爛れた愛でね」
こちらはイギリスの作家サッカレーの言葉。「ジョジョの奇妙な冒険」第一部でも引用されているので知っている人も多いだろう。
自分のことをシュヴァリエと名前で呼んでいるのは、ぶりっこをしているわけではなく、そうすることで錬金術師として常に自分を客観視しているというこじつけだ。
その後も引用しまくりは続き、主人公に全身を縛り上げられて、今まさに調教されようとしている状況で、
「シュヴァリエは未来がどうなるか、あれこれと詮索するのをやめているのよ」と、古代ローマの詩人ホラティウスの言葉から余裕たっぷりの態度を見せ、
主人公に媚薬を使われたらすかさず、
「もったいを付けてなにをするかと思えば、三色スミレの絞り汁を使うなんてね。興ざめだわ」
とシェイクスピアの「真夏の夜の夢」でも「三色スミレの絞り汁」という媚薬が使われたことをもちだして非難するなど、節操なくあちらこちらから引用しまくっている。
もちろん、私がそれらの名言をすべて知っているはずもなく、まず普通にセリフを考え、それに出てきたキーワードをウェブの名言集などで検索しまくって、うまく合いそうなものが見つかったら、それをシュヴァリエらしく変形させてと、一つセリフを作るのにもやたらと時間がかかる羽目になった。
本気で感じ初めてからは普通に喘いでくれるようになり、少しは楽になったのだが、それでもマンコとケツマンコに電撃を食らって、
「ウギギギフギイイイッ!! フンギイイイィイッ!! ウゴギヒィイイイイイイイイイ!!」
と馬鹿みたいに悶絶している心の中で、
(大地をゆさぶる雷よ、恥丘をたたきつぶして真っ平らにして! この世の子宮を突き破って、アクメ汁を垂れ流させてぇえっ!!)
と、もっと馬鹿みたいにシェイクスピアの「リア王」を引用したりしている。
これ元は「大地をゆさぶる雷よ、地球をたたきつぶして真っ平らにしろ! この世の子宮を突き破り、いのちの種を垂れ流し、二度と恩知らずを生ませるな」というものなのだが、キーワード「子宮」からようやくこのセリフにたどり着いた。そして「地球」を「恥丘」に、垂れ流すものを「いのちの種」から「アクメ汁」に変えたわけだ。後者は「いのちの種汁」とか精液を示すものにしたかったが、このシーンは電撃責めで中出ししないのでしょうがない。
最後は絶頂ボイス。
普通に「イグぅうううううううううっ!!」とかではつまらないので、なにか相応しいものにできないかと考え、ちょうど機械に拘束されての調教だったので、「機械仕掛けの神」を意味する
「デウスエクスマァーーーキナァアアアアアアアア!!」
という、およそあり得ないセリフでアクメを決めている。
当時のシナリオを確認すると、
※デウスエクスマキナ(『機械仕掛けの神』の意だが、ここでは感極まった絶頂の叫び)
と、声優さんむけに注釈を書いていた。そりゃ絶頂ボイスとは思うまい。
担当されたのは紅月奏美さん。わけの分からないセリフばかりでさぞ大変だっただろう。感謝している。
後に、【魔界の錬金術師】シュヴァリエとして再登場し、運良くそちらも担当することができたので、また名言引用しまくりをすることになった。
さて看板キャラ、井河アサギ、ようやく担当である。
サービス開始当初は、【最強の対魔忍】井河 アサギが一人いただけで、これは二人目に登場したアサギということになる。
カード名に「渚の」を関している通り、お馴染みの対魔忍スーツではなく、淡いブルーのハイレグエロ水着をつけている。
そんなビジュアルも売りのカードであるから、普通に手に入れられるはずもなく、前述した【斬鬼来援】秋山 凜子 が報酬となるイベント「斬鬼と双炎の攻防」の特攻カードになっていた。
これは、そのイベントでのみ攻撃力5倍の威力を発揮するカードで、イベント報酬が欲しかったら絶対に必要、もちろん期間限定のガチャでしか出ないという、多くのユーザにとっても、自分が書いた結果を確認したい私にとっても辛い代物だ。
それはさておき、「対魔忍アサギ3」以来のアサギとなったわけだが、後にアサギのクローン、【拠点防御換装】アサギを担当したきり、ちゃんとしたアサギはこの一人しか書いていない。ゲームでメインを担当したわりに意外と縁がない。 dlsoft.dmm.co.jp
もっとも、ゲームでも主人公とのイチャイチャエロは全部書いたが、陵辱シーンは一つも書いていおらず、このカードでも主人公が例の「監獄」でアサギを騙してイチャイチャエロするというシーンなので書きやすくはあった。
その内容は、アサギが校長をしている対魔忍学校の教師に化けている主人公が、例の「監獄」の能力でアサギと熱愛中という洗脳をしかけ、まんまと騙されたアサギが夏の海岸でただバカップル羞恥プレイをするという、もはや対魔忍でもなんでもないエロだ。アサギらしいが。
一つ目は周りに人が大勢いる状況でのバイブ責め、二つ目は人気のない岩場に隠れての中出しファックと趣向を変えているが、書いていて楽しかったのは一つ目の方だ。
アサギは看板キャラのわりに、ほとんどのヒロインよりは年上という熟女キャラ*4だ。
このカードでは、自分よりずっと年下の主人公と恋人という時点ですでに激甘モードなので、年齢不相応なエロい水着をつけさせられては恥ずかしがり、見知らぬ男たちの視線を浴びて「恥ずかしくて死にそう」と身悶えし、そうやって見られる中でバイブで責められ、「やめてやめて」と口では嫌がりながら、実は露出狂と思われることに興奮している変態なので、周りに人がいた方がアサギの色んなリアクションが書けて面白い。
個人的には、スケベな男たちが「あの女エロすぎ」とチンポをおっ立てるほど興奮しているときの反応よりも、同じ女に「なにあの変態」と侮蔑されたときの反応の方が書き甲斐があった。
もっと良いのは、アサギの醜態を見ても意味が分からない小さな子が、母親に「あのお姉ちゃんなにしてるの?」と無邪気に尋ね、母親が「ダメっ、見ちゃいけません」と慌てて子供を連れ去っていくときの反応だ。
それでまた興奮しているアサギはまさに対魔忍失格、人間失格だ。
最後に、実はアサギは主人公から騙されているのに気づいていたが、若い男に激しく求められる快感が耐えがたくて、いつの間にか自分から調教を受け入れていたというオチがバラされるのだが、それも感度3000倍を精神だけで耐えているアサギに相応しい気がしている。
ゲームでは見ることのできない水着姿は人気があったのか、後に【渚の最強】井河 アサギとしてまた登場している。
なにが最強なのかさっぱりわからないが、ついに「対魔忍」という言葉すらとられてしまうわけだ。
以上、サービス開始直後に立て続けに書いたエロシーン二つキャラを思い返してみた。
一人2エロ、五人で10エロ、テキストデータにして170KBくらいになった。四百字詰め原稿用紙でいえば、200枚くらいだろうか。
書く量としてはそこそこだが、キャラを次々と変えて毎日毎日エロばっかり書くのはけっこうつらいものがあった。
アリーナではそんな短いスパンの仕事が次から次へと押し寄せてくることになる。
ということで、続きはまた今度。