いぐぅなエロシナリオを書くための3つのポイント その3

少し間があいてしまったが、エロシナリオ講座の最終回。
シーンの流れ、セリフに続く、3つめのポイントはモノローグだ。


3 モノローグ
いわゆる地の文である。
エロゲは主人公の語り、一人称で書かれることが多いので、モノローグと称している。
シナリオライターによって好みはあるだろうが、ことエロシーンにおいては、セリフを主、モノローグを従として、シナリオを書いていった方が上手くいく気がする。
つまり、セリフを効果的に聞かせるために、モノローグを書いていくというやり方だ。
今、「聞かせる」と書いたのは、ほとんどのエロゲにボイスが入っているからだ。

「ああああああああああ!!!」

字面で見ればただの「あ」と「!」の羅列も、演じる人によって、演じるキャラによって、幾通りもの絶頂の声に変化する。
声優って素晴らしい。
絵を見て、字を見て、音を聞く、エロゲならではといったところか。
同じアダルト商品である官能小説では、台詞よりも地の文が、その「官能」を醸し出すのに多くの役目を負っていて、書き手の個性も出やすいように思う。


で、そのモノローグの書き方だが、例によってその機能別に考えていくと進めやすい。

    • アクション描写
    • リアクション描写
    • 内面描写


  • アクション描写

読んで字の如く、主人公なりヒロインなりのアクション、行ったことを表現するための文である。
例えば、主人公が挿入したときの

俺は、愛液でぬらぬらと光るレイアの膣口に、いきりたった肉棒をずぶりと埋め込んだ。

といった描写。
または、ヒロインが主人公にフェラチオしたときの

アリーヤは、薄紅色の唇をおちょぼに開き、俺のペニスをふわりと咥え込むと、ヌプヌプと音を立てて顔を沈めていった。

といった描写がそれにあてはまる。
また、エロゲではヒロインが人間以外の物、たとえば触手を相手にすることも多いので、

のたくる野太い触手の先端が、ヒルデガードの膣口にぐちりと埋まったかと思うと、ズルズルと膣内へヌメリ入っていく。

こんな表現も、アクション描写の一種といえる。

  • リアクション描写

アクション描写に対するリアクション、すなわり主人公なりヒロインなり、触手なりの反応を表現するための文だ。
どちらかというと、ヒロインのリアクションを書くことの方が多い。
エロゲでは、主人公がセックスの主導権を握ることが多いからだろう。


まずは、ヒロインの表情や仕草、手足や体の動きなどを示す描写がある。
例えば、挿入されたときのリアクション

レイアは切なげな悲鳴をあげて全身を強ばらせる。俺の肉棒に押されて、膣内に溜まっていた愛液がブチュッと噴き出した。

このようなはっきりと外側から分かるリアクションではなく、もっと細かい性器のリアクションとして書くこともできる。

愛液でぬめったレイアの膣襞はペニスにクチュクチュと絡みついてきて、その柔肉で亀頭から根本まで貪欲に咥え込んでしまった。

こんな感じだろうか。
この例だと、ヒロインの性器のアクション描写としても成り立っているが、そのへんは気にしない。
だいたい、モノローグは主人公の心の声のはずなので、普通に考えればヒロインの性器のこんな細かい状態が分かるはずがない。
きっとエロゲ主人公のアレには、ものすごいセンサーが付いてるのだろう。
全てはエロさのため。それでいい。

  • 内面描写

主人公が思っていること、感じていることの描写だ。
ノローグの本来の意味での使い方といえるだろう。
エロシーンだと、主人公が「俺はこんなに興奮している」といった感情を示すときによく使われる。
例えば、

さらなる刺激を懇願するレイアの目に、俺はどす黒い欲望が欲望が抑えられなくなる。

とか、

肉棒を吸い上げ、精液を絞りだそうとする雌の本能に、俺はもう我慢ができなかった。

といった感じだ。


そうそう、内面描写で主人公の心の声をよりストレートに、まるでセリフを喋っているように書く方法があるが、これをやるとだいぶニュアンスが変わる。
上の例で言うと

レイア、なんて淫らな目だ。
ああ、犯してやる、犯してやるぞ!

くっ、絞り出されそうだ。
駄目だ、出るっっ!

とまあ、なんとなく情けない感じの男になる。
これはこれで、「人妻に責められる少年」とかのシチュエーションで使える。
やりすぎると、主人公がウザイとか、キモいとか言われるが。




さて、最初に「エロシーンではセリフを主、モノローグを従」と書いたのを覚えているだろうか。
そう、セリフを軸として、アクション描写、リアクション描写、内面描写を繋げていくのが、エロシーンの基本スタイルとなる。
つまり、こんな感じだ。

俺は、愛液でぬらぬらと光るレイアの膣口に、いきりたった肉棒をずぶりと埋め込んだ。
レイア「ひぁあっっ、あッ、あぁん、オチ○チン入ってきてるぅうううっ!!」
レイアは切なげな悲鳴をあげて全身を強ばらせる。俺の肉棒に押されて、膣内に溜まっていた愛液がブチュッと溢れ出た。
レイア「あ、あぁん……デュークぅ……ぐちゃぐちゃにしてください……わたしが壊れてしまうくらい……犯して……欲しいのぉ、犯してぇ」
デューク「ふふ……可愛いな、レイア」
さらなる刺激を懇願するレイアの目に、俺はどす黒い欲望が欲望が抑えられなくなる。

誰かのアクション、それに対するセリフ、リアクション、そのリアクションに対するセリフ、さらなるアクション、リアクション、そして内面の声……
そうやって繋げていけば、リズムのあるエロシーンを作ることができるだろう。


ということで、いぐぅなエロシナリオの書き方のポイントはここまで。
最後に参考図書を一冊だけ紹介しておく。
一万冊以上の官能小説を読んだというこの著者は、エロ表現について一連のエントリとはまた別の角度から、実に分かりやすく解説してくれている。


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