エロシーンを書くにはイメージが大事

少し前に書いたエントリ、「エロゲ会社に応募書類を出す前にチェックすべき7つのこと」は、思った以上に読まれていたようだ。
知り合いから、「ヒドいのって結構あるよね。何も考えないで書いてるようなの。あと、小説を送るな」みたいな話も聞いた。
やはり、どこも多いらしい。


その一方で、別の知り合いから「あれじゃ、肝心の良いエロシーンの書き方が分からない」と突っ込まれたりもした。
『良いエロシーンの書き方』なんて、そんなのこっちが知りたい。
たとえ知ってても、教えません。
必ず儲かる方法と同じだ。
と、切り捨ててしまうのもアレなので、「書き方」というテクニック的なことはとりあえず置いておいて、その前段階について述べてみる。
まあ、エロシーンを書く前の準備だ。

キャラのイメージを固める

これは、別にエロシーンに限ったことではない。
書く前には、キャラのイメージを固めておくのが当たり前だ。
言い方をかえれば、自分の中でキャラを生きたものにしておく。
エロにしろエロでないにしろ、何かしら物語を作りたいというような人間は、ともすればシーンや、プロット、構成―――つまり物語に気を取られすぎて、その物語に出てくるキャラクターを作る作業を怠りがちだ。
その結果、キャラクターはついさっき生まれたばかりのような、現実世界に生まれ育っていれば当然持っているはずの深みに欠ける人物になる。
つまり、リアリティがない。
キャラクターによって物語が紡がれるのではなく、物語を進行させるための人形になってしまう。


「男にとって都合のいいエロゲキャラにリアリティなんかない」という意見もある。
確かにその通りだが、ここでのリアリティはそんなキャラが現実にいるかどうかということではない。
いるわけないし、いたらわざわざ話にする必要がない。
例えるなら、「一人の男を何人かで好きになって、かつ揉め事も起こらない」という都合のいい世界があったとして、「そこでキャラが本当に何かを感じ、考え、その感情に従って行動している」ように見えるかというリアリティだ。
人型巨大ロボットが跳梁跋扈する世界でのリアリティに似ている。


別の例えをすれば、「ご飯にマヨネーズをかけて食べる」ことについて、キャラ同士で議論ができるかということだ。
そんな場面あるわけがないが、キャラが作り手の中で生きていれば、そんなくだらない問いかけにも自然とセリフを返してくれる。そういうものだ。
そういう意味では、「らき☆すた」第1話のチョココロネの食べ方がどうの、ネギタン塩がどうのというやりとりは、本来は表に出てこないはずの情報がポンと出てきたようで、ちょっと面白かった。


生きたキャラクターを作る方法は色々あるが、一番てっとり早いのは「キャラクターのプロフィール」を作ることだろう。
たいていのシナリオ教本に書いてあるが、やってみるとなかなかに効果的だ。
肉体的な特徴、容姿や振る舞い、過去に起こったこと……等々、あらかじめ決めておいた項目を無理矢理うめていくうちに、自分の中でキャラがより明確なものになり、自分では気づかなかった部分にも気づくことになる。
作ったプロフィールがストーリーに反映されなくても、実際にシナリオとして書いたときに矛盾することになったとしても問題はない。
とにかく書いて、キャラのイメージを作る。


プロフィールの項目としては、以下のようなものが考えられる。
書いていくうちに増えていったら、どんどん付け加えればいい。

名前
年齢
誕生日
身長
体重
3サイズ
容姿
髪型
服装の趣味
出身地
現住所
子供のころの家族の思い出
現在の家族構成
初恋
現在の恋人
子供のころの友人
学歴
職歴
子供のころの趣味嗜好
現在の趣味嗜好
トラウマ
今一番やりたいこと
自分のことをどう思ってる??
恋愛についての考え
他人はどう見てるか?
コンプレックス
価値観
一番大切にしているもの
秘密にしていること
好きなもの
嫌いなもの
特技
苦手
好きな食べ物
嫌いな食べ物
尊敬する人
自信のあるもの


キャラのエロ関係のイメージをかためる

キャラのプロフィール作りの延長で、これはエロ関係。
エロゲなので、そのイメージも作っておくと楽だ。
アソコの形、その感度、オナニーは週何度でどうやるか、好きな体位は……等々、エロに関するプロフィールを作って、イメージを固める。
例えば、かつて書いた-碧ヶ淵- 夜伽の村のお嫁様(ネル)に登場する「御島せり」は、こんなプロフィールであった。

●御島せり
・外観
 年齢相応の少女型。
 皺はそこそこ。
 普通タイプだが、形がおかしいのではないかと、本人は気にしている。
 僅かに膨らんだ、洋なしのような形の小陰唇。凄く綺麗なピンク色。
 左右対称の丘の先に、包皮に覆われた陰核。
 恥毛は楕円形で、結構ちぢれている。
 匂いは甘い感じ。果物のような。エロいというよりエッチ。


・膣具合
 かずのこ天井 膣前壁に深い襞襞がたくさんある。
 ネコの下で舐められているような感覚。
 擦られると弱い。膣感覚が育っていないので。ただし感度は良い。
 膣壁や襞が小刻みに震える。
 愛液が豊富。
 膣温高めで、名器タイプ。


・オナニー
 週1、2度。一回30分くらい。
 オナニーでクリトリス感覚はかなり育っている。
 二本の指で陰唇をつまみ、陰核を挟むようにして震わせ、最後の方でクリトリスを弄る感じ。
 寝る前に何となくする。部屋の電気を消し、布団の中で声を押し殺して行う。恥ずかしがり屋なのである。
 かつて、トマト畑の中でドキドキしながらしたことがある。


・生理
 比較的軽い方、おりものも少なめ。
 ナプキン派で、タンポンを使おうと買ってみたこともあるが、破れちゃったらどうしようとか色々考えてまだ未経験。
 一回試しにちょっとだけ入れて、その感触に「うわっ」と驚いて抜いた。


(当時の書類からコピペ)

こんなことを色々考えておくと、エロシーンもまたひと味ちがったものになるだろう。
冷静に考えると変態もいいところだが、そこは気にしないのが大事である。


【関連エントリ】
エロゲ会社に応募書類を出す前にチェックすべき7つのこと



碧ヶ淵 夜伽の村のお嫁様 初回版碧ヶ淵 夜伽の村のお嫁様 初回版

マリゴールド 2004-01-30
売り上げランキング : 3140

Amazonで詳しく見る
by G-Tools