アドエスで名作を読む

Willcomのキャンペーンにのせられて、アドエスこと、Advanced/W-ZERO3[es]を買ってしまった。
これまでは京セラから出ているWX310K、通称京ぽん2を使っていて、それとの交換になったのだが、使い始めて2週間、ようやく慣れてきた。


小さくて軽くて液晶も綺麗で、横からキーボードがスライドしてくるあたり、モバイルギアだのザウルスだのシグマリオンだのPSIONだのといった、この手の小さいもの好きにはたまらないのだが、電話機としては微妙な出来だったりする。
例えば、標準で短縮ダイヤル―――番号ボタンと通話ボタンを組み合わせて、予め登録したダイヤルにかかるという、携帯ならあって当たり前の機能がないのに驚いた。
アドレス帳も、どうやらパソコン上のOutlookと連携させるのが前提になってるらしく、単体ではちょっと使いづらい。
京ぽん2のアドレスを移行させた時も、何をどう失敗してしまったのか、電話番号の090とか070とかの最初の0がみんな消えていて、一つ一つ手作業で0を足す羽目になった。馬鹿みたいである。


実際、単純に電話をかけるだけなら、京ぽん2の方が使いやすいと感じた。
買った初日は、「これは失敗した」と思ったものだが、色々弄ってみた結果、PHSではなく「電話もかけられるPDA」として、すっかり気に入っている。
このアドエス、OSがWindows Mobile 6.0で動いているので、ソフトを好き勝手に入れられる。
これが嬉しい。
短縮ダイヤルだのアドレスだの、電話機として不満だった部分もおおむね解消できた。


そして、電話機として以上に、青空文庫のビューワーとしてほぼ完全に満足している。
普通の携帯より一回りも二回りも綺麗な、800×480の3型ワイドVGAディスプレイ。
見やすい。見ていて疲れない。
さすがは液晶のシャープだ。


また、青空文庫に特化した2つのソフトの存在も大きい。
まずは、PocketSkyView
青空文庫のサイトから、データを直接ダウンロードするためのソフトだ。
データは作者順、作品順に並んでいて、むしろオリジナルのサイトよりも目当ての本を探しやすい。
これで、いちいちパソコンでダウンロードして、データを移行するなどといった面倒くさい作業から解放された。
好みのビューワーと連動させられるのも良い。



ビューワーは、色々試してみた結果、青空子猫というのを選んだ。
なによりも読みやすく、気の利いた細かい機能がある。
片手で簡単に操作できるのも嬉しいところだ。



アドエス、PocketSkyView、青空子猫のおかげで、買おうか迷っていたDS文学全集の購入を取りやめた。
ベッドに寝っ転がって、名作を読むのはまったくたまらない。