フィクションにおける処女の話

最近、Twitterでフィクションに出てくる処女について話す機会があった。
その場のノリでつらつらと喋っていたら、今まで作ってきた作品の根底に流れるテーマのような話になったので、ここにまとめておく。
なお、Twitterのログをまとめるのには、「発言ステータスURL or STOT形式からのTwitterログまとめ」のサイトを使わせていただいた。

アナタカタリ
@katari_anata
 そういえば、いわゆる処女厨と言われる人達の気持ちがちょっとは分かる、とか言ったらやっぱり気持ち悪がられるんだろうか。好きな相手が処女だったら嬉しいって思うのは男だったら当たり前だと思うんだけれど――それを相手や周囲に押し付けるかどうかは別問題で。(2009-07-30 21:56:28) link
アナタカタリ
@katari_anata
 むしろ、処女信仰自体が気持ち悪いっていうより、処女信仰しちゃうほど二次キャラ好きになっちゃってるのが気持ち悪がられてるのかな、とかも思うんだけど、多分違うだろうなぁ(2009-07-30 21:57:06) link
アナタカタリ
@katari_anata
 個人的には、現実の女性相手にも、二次キャラ相手にも、そこまでいっちゃうほど相手を好きになる、という感覚を抱いたことがないから、むしろそういったエネルギーに敬意を抱いてしまう。(2009-07-30 21:58:47) link
そのだまさき
@masaki_sss
 @katari_anata 三次なら「へえ、そうなんだ。そりゃ嬉しいな。でもちょっとプレッシャーがかかる」くらいですけど、二次ではそこにこそこだわりたいですね。(2009-07-30 22:02:57) link
アナタカタリ
@katari_anata
 @masaki_sss ですよね。というか、女性には嫌がられるだろうけど、男性の『処女信仰』って、特定の恋愛対象がいない場合においては常態だと(2009-07-30 22:05:35) link
アナタカタリ
@katari_anata
 @masaki_sss 途中で送るミス>< 常態のように思ったりもして。そういう欲求というか、要求というかに、それを満たすための媒体がなるべく沿うようにするのは、ある程度は当たり前ではあると思ったりもします――もちろんそれを押し付けるつもりは毛頭ないですがw(2009-07-30 22:07:29) link
アナタカタリ
@katari_anata
 あ、そういえば、僕は自分の書いた作品で何度かエロシーンを書いたことがあるけれど、処女ってほぼいないなぁ――自分的には、むしろ昔に誰かを好きでいた人が、今の主人公に流されて、というような流れにもの凄くぐっとくるのが強いと思うw(2009-07-30 22:09:10) link
アナタカタリ
@katari_anata
 ま、その周りで発現している問題の本質は、処女信仰そのものでなく、その表現の仕方が問題なのは重々承知なんですけどね――だからこそ、処女信仰そのものが槍玉にあがっちゃうのはどーかなー、と思う次第でもあるけれど。(2009-07-30 22:10:45) link
そのだまさき
@masaki_sss
 @katari_anata 分かります。ただ個人的にはちょっと違って、あくまでもフィクションって前提で、その中の特定の対象だからこそ、処女であることの意味があるように思ってます。(2009-07-30 22:11:03) link
アナタカタリ
@katari_anata
 @masaki_sss ですねー。やっぱり、ヒロインと主人公のつながりがとても綺麗な形で描ける。その綺麗さは、現実を体験してる人からすれば失笑ものなんでしょうけれど、だからこそ綺麗だってところもあるというか。(2009-07-30 22:14:06) link
アナタカタリ
@katari_anata
 処女信仰は、なんというか、少なくとも作品の中で相手のことを思いやることを前提に成り立ってるの。だから、みんなもみんなのこと、思いやってて欲しいな――誰なんだこれは(2009-07-30 22:19:03) link
そのだまさき
@masaki_sss
 @katari_anata >むしろ昔に誰かを好きでいた人が……。そこです。すごくナイスなポイントです。つまり昔、誰かを本気で好きになって、その人に処女を捧げた子がいたとしますよね。(2009-07-30 22:17:50) link
そのだまさき
@masaki_sss
 @katari_anata で、その子が自分のことを好きになったと。その子にとってセックスするってことは、ずっと恋愛関係が続くことをなんも保証しないわけです。だって、現に処女を捧げた人と別れてるんだし。(2009-07-30 22:22:33) link
アナタカタリ
@katari_anata
 @masaki_sss ですねー。好きっていう、どっちかっていうと本能的というか肉体的なな感情から、愛するっていう、ちょっとだけ高度な精神的なものへの過程というか――(2009-07-30 22:26:42) link
アナタカタリ
@katari_anata
 もちろんその過程で明らかなズレガ生じてしまったりした場合には――ですけれど。(2009-07-30 22:27:10) link
そのだまさき
@masaki_sss
 @katari_anata リアルだと当たり前の話で、むしろ付き合い続ける選択と、別れる選択を常にぐらつかせながら、近づいたり遠ざかったりして仲を深めるのが恋愛の醍醐味だったりするんですが。(2009-07-30 22:24:35) link
そのだまさき
@masaki_sss
 そういうやりとりは楽しい反面、辛くもあるんですよね。たまには「ずっと一緒にいようね」っていうのを無条件に信じていたかったりするわけで。(2009-07-30 22:26:57) link
そのだまさき
@masaki_sss
 せめてフィクションでくらい永遠の愛を楽しみたいなあと。ハッピーエンドのその先は書けないわけですから、もしかしたらこの子と別れるかもって不安はいらないです。それはリアルで十分楽しめるので。(2009-07-30 22:29:55) link
そのだまさき
@masaki_sss
 そのための担保が、フィクションにおける処女って感じですかね。処女を捧げてくれたんだから、この先も大丈夫だって安心感。これです。(2009-07-30 22:31:32) link
アナタカタリ
@katari_anata
 @masaki_sss なるほどです。と、納得しながら、皆が皆そういう楽しみ方出来るなら平和だろうなぁ、と思ったりもしましたw(2009-07-30 22:31:37) link
そのだまさき
@masaki_sss
 とかなんとか書きつつ、学生ものの恋愛話で「ずっと一緒にいようね」とか書きつつ、「大人になったら別れちゃうんだろうなあ」と考えてる自分がいて、我ながらちょっと嫌です。(2009-07-30 22:33:26) link
アナタカタリ
@katari_anata
 恋愛の永続を知覚ための担保が処女、かぁ――なるほどなぁと思いつつ。この処女を他のパーツで埋められるのなら何か新しいものが出てきそうだなぁ、とかとちょっと考えてみる――(2009-07-30 22:33:33) link
アナタカタリ
@katari_anata
 そういえば、主人公やヒロインの死亡というのも、またある意味で恋愛の永続性のファクターだろうなぁ、と思う。ただこちらはそう感じてくれる層が処女という要素に比べ狭いだろうけれど。(2009-07-30 22:39:07) link
アナタカタリ
@katari_anata
 恋愛ではなく愛というのをテーマにするのであれば、ファンタジーで、人間との性交渉によって体や記憶を失いながら卵になって、孵って、性交渉を交わした男性に育てられていく――というような話は素敵だな、と思ったりする。(2009-07-30 22:41:26) link
アナタカタリ
@katari_anata
 非処女だけれど、常に処女のような恋愛を『させられてしまう』女性の話は考えたことがある――でも結局これは非処女を題材としたものとちょっと違うだろうしなぁ(2009-07-30 22:43:48) link
そのだまさき
@masaki_sss
 @katari_anata 彼女にとって、処女喪失より意味のある「初めて」になるのかな? 初めて絶頂、初めてアナル、初めて墜ちる……等々。調教ゲーでおなじみです。逆に、エロいことは何でも経験済みだけど、愛だけは知らない女ってパターン。(2009-07-30 22:45:04) link
アナタカタリ
@katari_anata
 @masaki_sss んー、でもやっぱりそれって違う意味での処女性ですよねー。前に処女奪われてるのなら、『より何度の高い処女』を奪うことで、というような――処女でないこと自体を中心に据えたお話で、綺麗なものって考えられないかなぁ(2009-07-30 22:47:45) link
そのだまさき
@masaki_sss
 @katari_anata より難度の高い処女、まあそういうことになっちゃいますね。フィクションとして盛り上げるためには、この人は今まで愛した他の人とは決定的に違うっていうのを書きたいところで、「初めて」ってのは一番手っ取り早い記号だと。(2009-07-30 22:53:50) link
アナタカタリ
@katari_anata
 んー、どっちかっていうと、非処女を前提の置くと、やっぱり『恋愛は永遠じゃないだろうけれど、それでもいい』というような、諦観というか達観というかの話になっていってしまうんだろうか――それでも、こんなにも。あなたを思う心は綺麗です、というような。(2009-07-30 22:52:29) link
そのだまさき
@masaki_sss
 @katari_anata そこを作中で「綺麗」と表現するかどうかは作者の趣味になりそうですね。個人的には「綺麗でもなんでもない。だが、それがいい」ってノリが好きです。(2009-07-30 22:57:44) link
アナタカタリ
@katari_anata
 @masaki_sss なるなる。その辺りは実際の恋愛経験の量も出てくるかもですねw 僕は――というのは言わずもがなだと思いますがw(2009-07-30 23:01:46) link



 以上。
 こうして見ると、自分で書いてるくせに、主人公とヒロインとのハッピーエンドを信じてない節がある。
 それで思い出したが、ずいぶん昔に「恋愛のゴールとエロゲのハッピーエンド」というエントリでも似たようなことを言っていた。

童貞をこじらせた以上はその克服のための困難は死ぬまで続く
 童貞というのは、ついつい交際に持ち込めた時点がゴールだと勘違いしがちです。そんな莫迦なはずがない。モテから見れば、交際開始がスタートですよ。でも童貞、とくに非モテはそれをゴールと思い込みやすい。

 エロゲは基本的にそこをゴールにしてるな。特に純愛物。
 なんだかんだあって告白し、間髪入れずにHシーンに突入。で、エピローグ。
 下手するとエピローグは結婚式だったりして、主人公は「ずっと君のことを愛し続けるよ」とか呑気なことを言っている。良くあるパターンだ。
 現実では、交際開始がスタートというのは全面的に同意するが、ファンタジーとしての恋愛を楽しむ上では、「ついに恋人になった」「Hできた」という達成感がピークになったところで物語を終えるのが無難なのだろうと思う。