対魔忍RPG そのだまさき担当キャラ雑感 ローンチ登場SRキャラ

対魔忍RPGX - オンラインゲーム - DMM GAMES R18

 2018年9月25日。

対魔忍アサギ~決戦アリーナ」に続く、新たな対魔忍オンラインゲームが始まった。

その名も 「対魔忍RPG」、「対魔忍RPGX」。

アサギやさくら、ゆきかぜといったお馴染みの感度3000倍連中がプチキャラになり、5人一組のチームを組んでRPGスタイルでバトルをするという代物だ。

キャッチコピーは「今日から俺が対魔忍だ!」

なんだかユーザーが突っ込まれてえらい目にあいそうな気がするが心配無用。

アヘ顔を晒すのはヒロインたちだ。

 

RPGとPRGX、末尾のXはエロシーンのありなしで、前者は一般バージョン、後者は18禁バージョンということになっている。

といっても、エロが見られるか見られないかを分けているだけで、同じアカウントであればセーブデータは両方で共通のようだ。なので、ぼうけんのしょ1、2のように二つにプレイすることはできない。

あえてエロなし対魔忍をやりたいという人がそれほどいるとも思えないが、まだエロが駄目な年齢の人はPRGでプレイしておいて、OKな年齢になったら晴れてPRGXに行き、セーブデータは共通しているので、いつのまにか解放されていたエロシーンを見まくるなんてことができる。

あるいは、外でプレイするときはエロなしRPGするという手もある。

こうしておけば、万が一にも往来のど真ん中でスマホが「メス豚オマンコいぐう!」といったヤバすぎる音を発する心配もなくなる。

 

決戦アリーナの担当キャラについて色々と書いている途中だが、せっかく新しい対魔忍が始まったので、そっちのことについても少しだけ思い返してみる。こういうのは早いほうがいい。まあ宣伝だ。

決戦アリーナほどではないが、キャラ30人くらい、テキストにして700KBくらいと、そこそこのエロシーンを執筆している。

書いた時期は2016年の末頃。

けっこう昔だ。こういうことには時間がかかる。

当時、何人くらいのシナリオ担当がいたのかは分からないが、おそらくは最初期の執筆であったはずだ。なにせPRGのサンプルシナリオがなかった。

手持ちの資料は企画書、設定書、ふうま小太郎をはじめとする新規キャラのキャラデザ、あとはチャプター3くらいまでのプロット。

あとは決戦アリーナから引き続き登場するキャラの設定と、サンプルとして決戦アリーナのエロシナリオ、そしてPRGで書くべきエロシーンのプロット、以上だ。

エロシナリオ書きの資料はたいていそのくらいだが、正直十分とはいえない。

特に主人公。

決戦アリーナと同じ「ふうま」だから、その流れでやれるかと思ったが、どうやらまるきり別人のようだ。

あっちは己の野望実現を目指す悪の頭領、戦闘能力はそこそこだが、相手の能力を奪うというチート能力をもっていて、女だろうが卑怯な手を平気で使い、容赦なく犯してしまう、くされ外道ふうま。

こっちは対魔忍見習いの学生、頭領のくせに何の能力も覚醒しておらず、一族からは軽蔑されていて、戦闘も得意ではなく、ちょっと頭が切れるのだけがとりえという、落ちこぼれふうまだ。

これだけ違うと、ふうま君の行動やセリフはもちろん、文体からしてかなり違ってくるような気がする。

担当するキャラの資料はあったものの、よく見れば設定がゲームや決戦アリーナと微妙に異なっていたりして油断ができない。

決戦アリーナでのエロシナリオも、主人公との関係やシチュエーションがまったく違っている。下手に引っ張られるとまずい類いのものだ。

だいたい憎い敵にレイプされるのと、同級生や仲間とのイチャイチャエロとでは普段の喋り方から、セックスでの反応までまるきり違う。

どうせ最後は感じて絶頂するにしても、あっちで「イグゥ」となっているからといって、こっちでも濁点がつくかは分からない。そのへんの書き分けがキャラらしさなのに困ってしまった。

 さて、どうしようかと迷ったが、幸いにして締め切りが結構キツかったので、手持ちの資料でなんとかイメージを掴んで、資料にない部分はアドリブで勝手に決めて、えいやっと思い切って書くことにした。

そうやってできたシナリオが、もしかしたら他のライターのサンプルになるのかと思うとちょっと怖かったが。

 

以下の四人は、そんな勢いで書いたキャラのうち、ローンチからすでに登場していてエロシーンが二つある、いわゆるガチャで当たりのSRキャラだ。

私は運が悪く、そうそうガチャも回せないので今のところ誰もゲットしていないが、おそらくは担当したもののはずだ。

なお、決戦アリーナのときと同じく、各キャラのデータは有志によるサイト「対魔忍RPG攻略 Wiki」を参照させてもらった。

 

 

沙耶NEO

決戦アリーナで一番のお気に入りキャラだ。

そっちでは最初に出た「沙耶NEO」、次に出た「【夏祭り暴走中】沙耶NEO 」 と二つとも担当している。そのへんについては「決戦アリーナ雑感その1」でも書いた。

なので、キャラは問題なく把握していたが、プロットの始まりはこうだった。 

はしゃぐ沙耶の後ろに回るとぷしっとある薬をうちこむ。即行性であるそれは、すぐに沙耶の意識を奪い、身体が倒れこむ

後は拘束してのエロシーン。

急ぎすぎだ。

ふうま君と沙耶がどういう関係なのか、なにをはしゃいでいるのかさっぱり分からない。まあ、よくある話だが。

別の作品でだが、夜這いの前にお姉さんキャラが助言に来るのだが、その内容は不明とか、ヒロインと喧嘩した主人公がやけくそで娼館に行くのだが、喧嘩の理由は不明といったことがあった。もちろん全体の話に合うように適当に考えた。

ともかく、二人ではしゃぐような仲であること、続くプロットによれば薬を盛られてギャンギャン喚きつつも流されるように感じているので、それほど悪くはない関係だとは思われた。

そこで、場所が研究室と決まっていたので、

「ここがふうまの研究室? きゃはは、イカくさーい♪」

「日がな一日、部屋にこもって研究してるネクラ男の匂いがプンプンしてる。イヤーな感じ♪」

と、沙耶がかつて米連に囚われていて、そこの連中を皆殺しにして脱走してきたという過去にからめてはしゃがせ、それだけでは少し足りない気がしたので、気を許している主人公に背中の触手を見せてと言われ、そうしたらいきなり抱きしめられて、

「わっっ! いきなり後ろから抱きしめるなんて、ふうま大胆! なに告白? 沙耶に告白とか??」 

ともう一段はしゃがせて、そこで薬を打ち込む流れにした。ふうま君ひどいな。 

目が覚めて縛られていることに気づいてからも、

「沙耶に告白するつもりじゃなかったの!? 沙耶ちょっとだけドキドキしちゃったのに、もうどうしてくれんの!」

てな感じで怒ってはいるが、本気ではない程度のリアクションで、ちょっと気になる男にラブラブレイプされてプンスカ、でもお口にも、オマンコにも、お尻にも入れられて、気持ちよくなっちゃった―――というエロシーンになった。

導入をどうするかでちょっと悩んだが、書き始めてしまえば好きなキャラなのでセリフがスラスラ出てきて楽しくやることができた。

 

 

水城不知火

対魔忍ユキカゼ」、「対魔忍ユキカゼ2」のヒロイン、水城ゆきかぜのエロいお母さん。

ド貧乳の娘と違って、こちらは超爆乳。遺伝とかどうなってんだって感じの人気キャラで、決戦アリーナでは何回も登場している。

私も「【幻影の対魔忍】水城 不知火」を担当していて、そちらでは不知火が淫魔王に堕とされたときの記憶を見せてもらうシーンとなっている。

一方、こっちでは誰からか送られてきた「S豚ママの調教日記」というビデオを見るという内容で、どういうわけか二つとも主人公が直に犯さない。

こっちの相手は淫魔王ではなく、「対魔忍ユキカゼ1」に出てきた娼館の主人リーアルでこれも前に書いて知っているキャラだ。

不知火がリーアルに調教されているシーンを普通に描写しながら、それをビデオで見ているふうま君の感想などを入れていけばいいので、書くのは比較的楽だった。

そういった余裕があったせいか、少し遊びを入れてみた。

ゲームでは、不知火は敵に捕まって何年も調教を受けたが堕ちることなく、ついに淫魔王に責められて屈してしまったということになっているので、その理由を勝手に考えている。

リーアル「貴様のことは調べさせてもらったぞ。絶頂を自在に逸らすことができるそうだな」

不知火「んっ!? んんっ、ふぐううううっっ!!」
  不知火が『なぜそれを!?』と言いたげな呻き声を発した。
ふうま君「……き、聞いたことがある」
  常に魔族に犯される危険がある対魔忍の秘術中の秘術“淫気流水”。

  またの名を“絶頂逸らし”。
  水が絶えず流れゆくように、快楽を肉体にとどめず、

  たとえ絶頂させられても、それを自在に流して己を保つ。
  絶頂を防ぐのでも、耐えるのでもなく、ただ流す。
  戦国時代の対魔忍、あの武田信玄にも仕えた望月千代女は

  千日間絶頂させられても堕ちず、

  ついに射精した淫鬼を倒したという。

 こうして、何回イッても平気だった秘密をリーアルに知られた不知火はついに堕ちてしまうという展開だ。

今考えると、妊娠アクメを防ぐ感じで「魂導無(こんどうむ)」とかいう当て字にすれば良かったと思う。

現物を見ていないので、こんな馬鹿馬鹿しいくだりはまるきりカットされているかもしれないが、無事に残っていたらちょっと嬉しい。

それがなくても、現時点で全体回復のスキルを使えるキャラなのでぜひ欲しいところだ。

 

 

リリム

決戦アリーナでは、リリムミナサキはコンビでしょっちゅう出没している。

二人ともゲームには出ておらず、決戦アリーナで初めて登場したキャラだ。

最初はカードの性能も大したことがなかったので、同じような他の大勢のようにすぐ埋もれてしまうと思っていたのだが、あちらこちらで主人公に迷惑をかけまくるトラブルメーカーコンビというキャラが立って、すっかりレギュラー化してしまった。

実際、勝手に揉め事を持ってきてくれて話を転がしやすいので、使いやすそうなキャラではある。アリーナではどちらも書いたことがないのだが。

ということで、初のリリム担当となった。

 こういうとき、まずやるのは既存のシナリオのチェックだ。

人によってやり方は違うだろうが、私の場合はセリフを全て抽出したファイルを作って、それを横に見ながら言い回しや語尾などを逐一チェックしつつ書いていくことが多い。

ごく簡単な喘ぎ声でも、「あああっ」と「アアアッ」とでは見た目のニュアンスが違ってくるし*1、他では「おちんちん」としか言わなかった子がそこだけ「チンボ」と濁点付きになったり、「オマンコ」をやめて「淫乱メス穴」と叫んだりするのはちょっとおかしい。

ゲームのヘルプの場合は、1セリフあたりの文字数とか、男女のセリフとモノローグの比率なんかをサンプルと合わせるようにして、なるべくメインライターとは別の人がやったように見えないようにしている。

面倒くさいが、個人的には嫌いな作業ではない。

今回は決戦アリーナとRPGとで違うのでそこまで気をつかう必要もなく、リリムのキャラを合わせるだけだ。

手元にあったのは決戦アリーナで登場した順にリリム【夢の小悪魔】リリム【ハッピーツイン】リリムのシナリオだった。

いつものようにセリフを抽出したが、なんだか最初のリリムだけ微妙にキャラが違う。

よく見るとイラストもちょっと違う。特に目。バカっぽさがない。

まだトラブルメーカーというキャラができあがっていないころなのだ。

だから、最初のリリムはあえて無視することにした。

そうやって書いたエロシーンは、リリムがふうま君に淫魔の催眠をかけて生気を奪おうとしたのだが全く術が効かず、自分を犯させる淫夢を見させていると調子に乗っているつもりが、実は本当に犯されていてあらびっくりというポンコツ淫魔に相応しいもので、初めてにしてはサクサクとセリフが出てきてくれた。

やはりキャラが立っているからだろう。

 

 

ナーサラ

この子もPRGで初担当となるキャラだ。

SASAYUKi氏のキャラデザはかなり好みだが、決戦アリーナでも一回しか出ていないのに、なぜRPGのローンチで、それもエロシーン二つのSRキャラとして登場したのか謎だ。

魔界に現れた突然変異の知的生命体、新しい知識や経験を溜め込むのがその存在意義で、生物的な感情はなく、女の形をしているのもその方が都合がいいから、ぶつぶつと単語だけを繋げるように話すという、綾波系というか長門系というか、よくあるタイプの無口キャラだ。

決戦アリーナでは、お館様はナーサラに殺されたくない一心でビビりながらセックスの知識を実践で教えてやり、形だけの女でしかなかったナーサラが次第にその快感に嵌まっていくという展開だった。

こっちでは、ふうま君からいきなりナーサラの胸を揉み始め、ナーサラもその快感というよりは、ふうま君の行動に興味を持って続きを促したりと、二人の関係もエロシーンの意味合いも結構違っている。

それでも、こういう人間じゃないキャラ、性的なことに初心以前の本当に何も知らないキャラのセオリーというものはあって、その無知さを強調することが多い。

なぜか心拍数が上がっていく自分に戸惑ったり、乳首が硬くなっていくことに驚いたり、絶頂が近づいてきてまともに思考ができなくなることに本気で怯えたりとかだ。

 

もう10年も前に、「戦乙女ヴァルキリー2「主よ……淫らな私をお許し下さい……」で、新しいヴァルキリーのアリーヤの処女を奪うシーンを書いたが、主人公のデュークが前戯でクンニをしたくだりで、こんなやりとりをさせている。

アリーヤ「き、貴様ッ……わた、私に、な、何をしたっ! この私に…邪悪な魔術をかけただろう! か、形も色も……変わって……お、おぞましい」

デューク「はははははっっ、最強の戦乙女とはよく言ったものだな。本当に戦以外、何一つ知らないらしい。自分の身体のことすらな」
アリーヤ「な、何を……言っている……き、貴様が魔術で私のそこを、そんな風におぞましい形に……ううぅ……」

デューク「魔術など使っていない。お前のオマンコはごく自然に形を変えたのだ。男を受け入れるために、女としてごく自然にな」
アリーヤ「ま、まさか……だが、魔力は感じなかった……でも……そんな、私の身体が……そ、そんなことが……嘘……だ」

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アリーヤは戦乙女でも一番の堅物で、性的な知識は皆無なので、デュークに弄られて充血してしまった自分のオマンコを見て、なにか邪悪な魔術をかけられたと憤り、それを否定されて怯えるというわけだ。

 

このナーサラもそんな風に無知さを強調して書いていったが、ひたすら知識を探求する謎の知的生命体という設定なので、そのあたりを工夫してみた。

勃起した自分の乳首を見て、

ナーサラ「乳首膨張……250%」

と、やけに厳密に観測したり、

ふうま君にパイズリをするために胸を寄せるように求められ、

小太郎「これが胸マンコだ。覚えておけ」
ナーサラ「矛盾……乳房、授乳器官……生殖器ではない……」
小太郎「それがいいのだ」
ナーサラ「理解……困難ッ……続き、要求ッ」

小太郎「そしてこれを挟み込む」

ナーサラ「生殖器。なぜ?」
小太郎「いいから」

ナーサラ「熱い……生殖器……みゃ、脈動……ビクビク……」

といったやりとりは、やらせているふうま君も含めちょっとおかしいので気に入っている。

また、先のアリーヤにならって、興奮してオマンコが変化したくだりはこんな風に書いている。

小太郎「自分で広げてみろ」
ナーサラ「広げる? なにを?」
小太郎「もちろんオマンコだ。こう左右の穴に縁に指をあてがってクパアっとな」
ナーサラ「穴の縁、指、あてがって、クパア、承知」
小太郎「おおっと優しくな。今のお前の身体はお前が思っている以上に敏感になっているぞ」
ナーサラ「理解、してる……肉体、不規則状態……興味、増大……クパア」

新しく覚えた「クパア」という言葉を淡々と繰り返すあたりで、無知キャラの繋がりか、「ちぃ、おぼえた」という、えらく懐かしいセリフを思い出してしまった。

 

以上、ローンチ時に登場したSRキャラのうち、私が担当した四人だ。

まだ持っていないので実際の中身を確認していないため、所々で違っているかもしれないが、そのへんは初稿を書いたライターの与太話ということで勘弁して欲しい。

 

最後に現時点での私の部隊を紹介しておく。

信頼度を上げ、なんとか全員をエロい姿にすることができたが、この中ではさくらしか書いていない。

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ということで、対魔忍RPGをよろしく。

エロシーンも楽しんで欲しいので、できればXの方で。

 

対魔忍RPGX - オンラインゲーム - DMM GAMES R18


*1:カタカナのほうがH度が高い気がする

対魔忍アサギ~決戦アリーナ~ そのだまさき担当キャラ雑感 その2

  対魔忍アサギ~決戦アリーナ~ オンラインゲーム

2014年07月01日、ついにサービスが開始された。

その前後、私は個別のキャラのシナリオとは別に、いつでもプレイできる基本クエス*1のシナリオや、期間限定で開催される特殊イベント*2のシナリオを書いたりしていた。

そういったシナリオでは自分が担当してはいない、したがってよく知らないキャラが次から次へと出てきて、しかも参考にできる資料は設定書とエロシナリオだけだったりするため、ごく普通のセリフを考えるのに苦労した覚えがある。

その一方で個々のキャラについては、エロシーン2つ、すなわちレアリティSR以上の担当が多くなってきて、サービス開始直後にも五人続けて執筆している。

担当キャラ雑感その2では、その五人を思い返してみる。

まずは期間限定イベント「斬鬼と双炎の攻防」のボスであり、そのイベント報酬だった。

 

【斬鬼来援】秋山 凜子

対魔忍ユキカゼ」、「対魔忍ユキカゼ2」のヒロイン、秋山凜子だ。

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こちらに尻を向けた絵がとにかく印象的なカードだ。

斬鬼と双炎の攻防」は、この凜子を何度も何度も倒していくレイドイベントであったことから、プレイヤーには尻叩きなどと呼ばれていた。

サービス開始後、初めて行われたレイドイベントで、当時はまだ仕様がこなれておらず、凜子を発見したプレイヤーのフレンドが救援攻撃をすると、最初の一回だけなぜかバトルポイントを消費しないようになっていた。

その結果、凜子の発見したプレイヤーは掲示板で一時的なフレンドを募集し、傭兵のように集まってきたフレンドがよってたかって尻を叩きまくるという妙な盛り上がり方をしていた。もちろん、そんな仕様はすぐに修正されてしまったが。

シナリオそのものでいえば、ゲームは1,2ともに全て執筆していたので、凜子の性格や口調は全く問題なかったが、アリーナですでに他のライターが担当した凜子がいくつかあったので、それらを一通りチェックしておかしな矛盾がでないかどうか気にしつつ書いていた。

サービス開始前に担当したキャラと変えたこともあった。

ゲームで使用した凜子の立ち絵と背景画像と組み合わせて、エロシーン前の通常シーンのシナリオを書くようにしたことだ。

それまでは、シーン冒頭からイベント絵、いきなり捕まっていて即エロ突入といった無理やりな展開にしていたので、ちゃんとした導入を入れたことで流れを組み立てるのが楽にはなった。もっともこれ以降、トータルで書くシナリオの量は増えてしまうのだが。

イベントの報酬キャラなので、もちろんエロシーンは二つ。

展開は、主人公が対魔忍の学校に教師として忍び込み、新任教師をしている凜子*3を精神支配して、学校や道場で陵辱し、それをいつでも惨めな目に合っている凜子の弟に気づかれるというものだ。

ちょっとしたお遊びで、その精神支配のスキル―――相手の記憶や知識や倫理観を長期間に渡って思うがままにねじ曲げるという能力を「監獄」と称している。もちろん元ネタは監獄戦艦シリーズだ。「監獄戦艦1」はエロシーンのヘルプとして、「監獄戦艦2」、「監獄戦艦3」はメインライターとして参加している。まさか後でそのキャラまでアリーナに登場してくるとは思ってもいなかったが。

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とまあ、色々と思い入れがあるキャラなのだが、イベントで上位2000位までに入らないとゲットできないにもかかわらず、肝心のカードの性能は今ひとつで、でかい尻とエロを見る以外、アリーナでは使い物にならないというオチが付いている。

 

 

レッドライン

ブッチャーU氏作画による新規キャラだ。

これもエロシーン二つなので、いずれガチャなりイベント報酬なりで重要なカードになることが予想できたが、設定もプロットもすでにできていて、後は書くだけという担当だったので、どんなキャラか把握して書くのに苦心した記憶がある。

しかも、一つ目のエロシーンは電撃による拷問で、レッドラインが精神的に強いキャラのため、中盤あたりで媚薬を注射されて無理やり感じ始めるまでは、「クッ」と耐えるか、「ギャア」と悲鳴を上げるくらいの反応しかしない。

良く知られているアサギやさくらならともかく、初めて見たばかりのよく分からないキャラがなんとなく責められて耐えているという状況は避けたかったので、あえて主人公視点ではなくレッドライン視点のモノローグにして、悲鳴や喘ぎを堪えている間の心の声(ちゃんとボイスがある)で性格などが少しでも分かるようにしている。

二つ目のエロシーンは中年オヤジにマンコを、主人公に初アナルを二穴ファックされ、順番待ちの大勢に見られるという展開だ。

唐突な中年オヤジは「グフフ、わしの真珠入りのデカマラでヒイヒイ言わしてやるわい」的な輪姦シーンでよく出てくる量産型で、それだけだとさすがに弱い気がしたので、レッドラインに殺された息子の復讐のために陵辱という設定をつけ加えた。

後に、【深紅の死神】レッドラインとして再登場するが、そちらは担当していない。

 

 

レベッカ・シルキー

この子もシナリオのみの担当で、エロシーン二つの新規キャラ。

だがこちらは、つり目の金髪ツインテール、名門の生まれで誇り高く生真面目な騎士、でもちょっと抜けているという、分かりやすく書きやすい設定だった。
エロシーンも「決闘で負けたらなんでもする」という、これまたお馴染みの展開で、ローターとアナルビーズを入れられ、首に縄をつけられた状態で街中を散歩させられ、最後には大勢が見ている前で犯されて、中出しアクメを決めてしまうという愉快なものだ。
作画は、「彷徨う淫らなルナティクス~月の姫お伽草子~」で、組ませてもらったSASAYUKi氏と決まっていて、すでにキャラデザまでできていたので、キャラもシチュエーションも申し分なくイメージでき、楽しく執筆することができた。
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このシナリオもレッドラインと同じように女の子視点で書いているが、これはキャラの性格を出すためというよりは、露出調教というエロシーンに合わせて、口では死ぬほど恥ずかしがりつつ、心の中では興奮していたり、そんな自分に戸惑っていたりするのを書くためだ。

そこでちょっと工夫して、決闘で自分を負かした主人公に対しては、たとえどんな恥ずかしいことをされても

「お願いです。もう許してください」

と、騎士らしくちゃんと丁寧語で話しつつ、心の中では

(いやあ、こんな恥ずかしい私を見ないで)

と普通の女の子のように喋らせたりしている。
また、ヨーロッパあたりの古風な騎士らしさがでないものかと、膣のことをワギナ、肛門のことをアヌスと言わせてみたりもしている。

よくアナル、アナルと言うが、英語で「肛門の」を意味する形容詞なので、それ単体で使うならアヌスが正しい。

個人的にはアヌスと書くと一昔前の翻訳洋物ポルノ小説のようなイメージがあるので、それをあえて狙っている。
似たような言葉にベーゼ(フランス語でキス)、コイトス(ラテン語で性交)、ラーゲ(ドイツ語で体位)なんかがある。今ではまず使わない。

好きなシーンは、街中で自分でスカートをたくしあげ、ワギナが濡れているのを通行人に見られつつ、恥ずかしいことを言う場面だ。

「外で……オ、オナニーするのは……は、初めてです……いつもは、へ、部屋で……え? ま、毎日はしませんっ……オナニーは安息日にい、一回だけです」
などと、必要以上に詳しく言ってしまうあたりが、ポンコツ騎士っぽくて気に入っている。

 

 

シュヴァリエ

作画はlilithで多くの作品を手がけている、のぶしと氏。

私とも「奴隷志願サイト」、「AYAME ~人形婬戯~」、「魔法少女フェアリーナイツ」などでコンビを組んでいる。

自分の企画が採用された最初の作品、今はなきシルキーズから発売された「肉体転移」のころからの長い付き合いだ。

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執筆時にキャラデザもできていてイメージはしやすく、エロシーンも一つ目は拘束してからの全身への媚薬針、二つ目は目はキメラによる異種姦とそれほど難しくはなかったのだが、「魔界の錬金術師、喋り方も知性的な感じで、言葉遊びを興じることもある」というキャラ設定が難題だった。

ただでさえ、会話のやりとりでキャラの知的さを感じさせるなどというのは苦手なのに、プロットではシーン冒頭から捕まっていて、いきなり調教シーンだ。

さて、どうやって知的さを出そうかと悩んでいたところで思い出したのが、「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」の最終話で、少佐と笑い男サリンジャーなどを引用しまくりながら会話する場面だ。

キャラ同士のかけあいで知的さを感じさせるのは無理としても、とにかく色々と引用しまくればそれっぽさも出るだろうと、シュヴァリエのセリフは単純な喘ぎを除いては、ほぼ全てなにかの引用で、それをエロくもじっている。

例えば、一つ一つのカードについているキャラ紹介のセリフ。

調教前の「ホレイショー、天と地の間にはシュヴァリエの哲学では思いもよらない出来事がまだまだあるわ。今夜もまた気まぐれな運命からの来訪者が現れたの。さあ。あなたの闇をシュヴァリエに見せてご覧なさい」

これはシェイクスピアハムレット

調教後の「ねえ知っている? 愛してその人を得ることは最上で、愛してその人を失うことはその次にいいの。あなたを失うその日までシュヴァリエをたっぷりと愛してもらうわ。もちろん、あなた好みの爛れた愛でね」

こちらはイギリスの作家サッカレーの言葉。「ジョジョの奇妙な冒険」第一部でも引用されているので知っている人も多いだろう。

自分のことをシュヴァリエと名前で呼んでいるのは、ぶりっこをしているわけではなく、そうすることで錬金術師として常に自分を客観視しているというこじつけだ。

その後も引用しまくりは続き、主人公に全身を縛り上げられて、今まさに調教されようとしている状況で、

シュヴァリエは未来がどうなるか、あれこれと詮索するのをやめているのよ」と、古代ローマの詩人ホラティウスの言葉から余裕たっぷりの態度を見せ、

主人公に媚薬を使われたらすかさず、

「もったいを付けてなにをするかと思えば、三色スミレの絞り汁を使うなんてね。興ざめだわ」

シェイクスピアの「真夏の夜の夢」でも「三色スミレの絞り汁」という媚薬が使われたことをもちだして非難するなど、節操なくあちらこちらから引用しまくっている。

もちろん、私がそれらの名言をすべて知っているはずもなく、まず普通にセリフを考え、それに出てきたキーワードをウェブの名言集などで検索しまくって、うまく合いそうなものが見つかったら、それをシュヴァリエらしく変形させてと、一つセリフを作るのにもやたらと時間がかかる羽目になった。

本気で感じ初めてからは普通に喘いでくれるようになり、少しは楽になったのだが、それでもマンコとケツマンコに電撃を食らって、

「ウギギギフギイイイッ!! フンギイイイィイッ!! ウゴギヒィイイイイイイイイイ!!」

と馬鹿みたいに悶絶している心の中で、

(大地をゆさぶる雷よ、恥丘をたたきつぶして真っ平らにして! この世の子宮を突き破って、アクメ汁を垂れ流させてぇえっ!!)

と、もっと馬鹿みたいにシェイクスピアの「リア王」を引用したりしている。

これ元は「大地をゆさぶる雷よ、地球をたたきつぶして真っ平らにしろ! この世の子宮を突き破り、いのちの種を垂れ流し、二度と恩知らずを生ませるな」というものなのだが、キーワード「子宮」からようやくこのセリフにたどり着いた。そして「地球」を「恥丘」に、垂れ流すものを「いのちの種」から「アクメ汁」に変えたわけだ。後者は「いのちの種汁」とか精液を示すものにしたかったが、このシーンは電撃責めで中出ししないのでしょうがない。

最後は絶頂ボイス。

普通に「イグぅうううううううううっ!!」とかではつまらないので、なにか相応しいものにできないかと考え、ちょうど機械に拘束されての調教だったので、「機械仕掛けの神」を意味する

デウスエクスマァーーーキナァアアアアアアアア!!」

という、およそあり得ないセリフでアクメを決めている。

当時のシナリオを確認すると、

デウスエクスマキナ(『機械仕掛けの神』の意だが、ここでは感極まった絶頂の叫び)

と、声優さんむけに注釈を書いていた。そりゃ絶頂ボイスとは思うまい。

担当されたのは紅月奏美さん。わけの分からないセリフばかりでさぞ大変だっただろう。感謝している。

後に、【魔界の錬金術師】シュヴァリエとして再登場し、運良くそちらも担当することができたので、また名言引用しまくりをすることになった。

 

 

【渚の最強対魔忍】井河 アサギ

さて看板キャラ、井河アサギ、ようやく担当である。

サービス開始当初は、【最強の対魔忍】井河 アサギが一人いただけで、これは二人目に登場したアサギということになる。

カード名に「渚の」を関している通り、お馴染みの対魔忍スーツではなく、淡いブルーのハイレグエロ水着をつけている。

そんなビジュアルも売りのカードであるから、普通に手に入れられるはずもなく、前述した【斬鬼来援】秋山 凜子  が報酬となるイベント「斬鬼と双炎の攻防」の特攻カードになっていた。

これは、そのイベントでのみ攻撃力5倍の威力を発揮するカードで、イベント報酬が欲しかったら絶対に必要、もちろん期間限定のガチャでしか出ないという、多くのユーザにとっても、自分が書いた結果を確認したい私にとっても辛い代物だ。

それはさておき、「対魔忍アサギ3」以来のアサギとなったわけだが、後にアサギのクローン、【拠点防御換装】アサギを担当したきり、ちゃんとしたアサギはこの一人しか書いていない。ゲームでメインを担当したわりに意外と縁がない。 dlsoft.dmm.co.jp

もっとも、ゲームでも主人公とのイチャイチャエロは全部書いたが、陵辱シーンは一つも書いていおらず、このカードでも主人公が例の「監獄」でアサギを騙してイチャイチャエロするというシーンなので書きやすくはあった。

その内容は、アサギが校長をしている対魔忍学校の教師に化けている主人公が、例の「監獄」の能力でアサギと熱愛中という洗脳をしかけ、まんまと騙されたアサギが夏の海岸でただバカップル羞恥プレイをするという、もはや対魔忍でもなんでもないエロだ。アサギらしいが。

一つ目は周りに人が大勢いる状況でのバイブ責め、二つ目は人気のない岩場に隠れての中出しファックと趣向を変えているが、書いていて楽しかったのは一つ目の方だ。

アサギは看板キャラのわりに、ほとんどのヒロインよりは年上という熟女キャラ*4だ。

このカードでは、自分よりずっと年下の主人公と恋人という時点ですでに激甘モードなので、年齢不相応なエロい水着をつけさせられては恥ずかしがり、見知らぬ男たちの視線を浴びて「恥ずかしくて死にそう」と身悶えし、そうやって見られる中でバイブで責められ、「やめてやめて」と口では嫌がりながら、実は露出狂と思われることに興奮している変態なので、周りに人がいた方がアサギの色んなリアクションが書けて面白い。

個人的には、スケベな男たちが「あの女エロすぎ」とチンポをおっ立てるほど興奮しているときの反応よりも、同じ女に「なにあの変態」と侮蔑されたときの反応の方が書き甲斐があった。

もっと良いのは、アサギの醜態を見ても意味が分からない小さな子が、母親に「あのお姉ちゃんなにしてるの?」と無邪気に尋ね、母親が「ダメっ、見ちゃいけません」と慌てて子供を連れ去っていくときの反応だ。

それでまた興奮しているアサギはまさに対魔忍失格、人間失格だ。

最後に、実はアサギは主人公から騙されているのに気づいていたが、若い男に激しく求められる快感が耐えがたくて、いつの間にか自分から調教を受け入れていたというオチがバラされるのだが、それも感度3000倍を精神だけで耐えているアサギに相応しい気がしている。

ゲームでは見ることのできない水着姿は人気があったのか、後に【渚の最強】井河 アサギとしてまた登場している。

なにが最強なのかさっぱりわからないが、ついに「対魔忍」という言葉すらとられてしまうわけだ。

 

以上、サービス開始直後に立て続けに書いたエロシーン二つキャラを思い返してみた。

一人2エロ、五人で10エロ、テキストデータにして170KBくらいになった。四百字詰め原稿用紙でいえば、200枚くらいだろうか。

書く量としてはそこそこだが、キャラを次々と変えて毎日毎日エロばっかり書くのはけっこうつらいものがあった。

アリーナではそんな短いスパンの仕事が次から次へと押し寄せてくることになる。

 

ということで、続きはまた今度。

 

*1:チャプター10まである。かなり初期に全部書いた。以降増えていない

*2:開催中だけのレアガチャが唸り、枚数限定の報酬キャラをプレイヤー全員で取り合う、アリーナではこちらがメイン

*3:ということは、対魔忍ユキカゼ2の事件が起こった後なのだろう。アリーナではキャラのバックボーンがコロコロ変わるので気にしても意味はないが

*4:このアサギは3以降の設定なので30を越えている

対魔忍アサギ~決戦アリーナ~ そのだまさき担当キャラ雑感 その1

対魔忍アサギ~決戦アリーナ~ オンラインゲーム

「全てのヒロインをメス豚に堕とせ!」

この実に分かりやすいキャッチフレーズは、アダルトゲームブランド「LILITH|リリス」の看板キャラ、感度3000倍で有名な対魔忍アサギを題材にしたDMMのソーシャルゲームだ。こんなサイトを見る方はとうに知っているだろうが。

サービス開始は2014年の7月1日。それから丸四年を迎え、登場キャラは膨大なものになっている。

 「すべてのヒロイン」の看板通り、雑魚兵士やオークなどのレアリティNカードを除く、レアリティRカード以上のすべてのキャラにエロシーンがある。レアリティSR以上のカードはエロシーン二つだ。

改めて数え直してみたが、現在エロありカードの数は600を越え、エロシーンのトータルは1000を越えていた。多すぎだ。

その世界観も広がっていき、「対魔忍アサギ 」、「対魔忍アサギ2」、「対魔忍アサギ3」 「対魔忍ムラサキ」、 「対魔忍ユキカゼ 」、 「対魔忍ユキカゼ2」、「対魔忍紅」、そして最新作の「対魔忍アサギZERO」といった対魔忍シリーズだけに限らず、 「鋼鉄の魔女アンネローゼ」、「監獄戦艦」、 「陰陽騎士トワコ」、 「Tentacle and Witches」 などなど、LiLiTHの他作品からのキャラを取り込んで、スーパーLiLiTH大戦の様相を呈してきている。

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私は企画開始当初から制作に関わってきたが、実はそれもサービス開始から2年ほどまでで、最近はとんと御無沙汰である。
それでも60人ほどのカードを担当し、エロシナリオだけでもLiLiTHのゲーム一本分ほどの量を執筆したので、8年も放っておいたサイトをはてなダイアリーからはてなブログに移した記念に、あれやこれや当時のことを思い出してみる。

個々のカードデータについては、オフィシャルではないのだが「対魔忍アサギ~決戦アリーナ~ Wiki」を参照させてもらった。
正直、担当キャラ以外は把握しきれないので、こういうまとめは大変にありがたい。

その1は、サービス開始前に担当したキャラだ。

多少、違っていると思うが、おおむね執筆した順になっているはずだ。

 

オリガ=アレクセエヴナ=パヴロヴァ

アリーナ用の新規キャラとして一番初めに考えたものだ。

作画も対魔忍シリーズの看板であるカガミ氏であるため、個人的には特に印象深い。

透過能力を持ったこのキャラのモチーフは「R.O.D -READ OR DIE-」のナンシー・幕張で、建物をすり抜けていくときに、スーッと透過するのではなく、肉に建物にグリグリ引っかかっている感じが妙にエロかったからだ。

最初のキャラということもあり、しっかりした過去がないと書きにくいので、こんな感じ*1に決めた。エロシーンにはろくに反映されていないが。

スーツは同時期に考えた【闇水影心】井河さくらと技術的な繋がりがあるようにデザインしてもらった。

一人目だけに思い入れのあるキャラなのだが、結構面倒な通常クエストをチャプター10までクリアしないと手に入らず、そのわりにカードとしては使えないので、わざわざ取っていないプレイヤーも多いだろうし、もし取ったとしてもエロシーンを解放したらすぐに捨てられてしまうのが寂しい。

 

ミリア・クレメンティーナ

特にモチーフはない。異能でもっともありがちな炎使い。ファナティック・フレイムの二つ名の通り殺人狂。それだけだとつまらないので二重人格にした。

淫乱なミリアを捕まえて犯しているうちに、正体不明の協力者だったマリアがもう一つの人格として浮き上がってきて、隠された良心と思いつつ、そいつも実は淫乱でと、まだ手探りの状態のキャラ作成だったので、個人的な趣味がもろに出ている。

 

カタリーナ

「いつから◯◯だと錯覚していた?」な展開。

背中に羽の映えた天使のような姿をしているが、実は人を騙す悪魔。というか名前でバレバレだ。

都合のいい夢を見させるスキルのドリームペインターは「Wizardry IV: The Return of Werdna」の同名のモンスターが由来。

「え? ウソ? 夢じゃなくて、本当に犯されてる? 痛い! でも気持ちイイ!」という即堕ち2コマのような展開は馬鹿馬鹿しくて好きだ。

 

アヌーシュカ・ライ

鋼鉄の魔女アンネローゼ」に出てきたアイシュワリヤ・レイの姉という設定。

全くの新規キャラだと馴染みがないだろうから、少しでも作品世界との繋がりを持たせようとしていた。

同じように、関連キャラを二人ほど書いたのだが、今に至るも登場していない。さすがにもう出ないだろう。その一人はサービス開始直前にお気に入りキャラとツイートしているのが泣ける。

ところでこのカード絵、いきなり風呂に入っているので、イベントシーンの立ち絵として流用しにくい。もっともそういう風に使い回すことなどこの時点では知らなかったわけだが。

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ドロレス

ゲームで既に出ているイングリッドの遠縁だったり、この時点でアリーナ用としてキャラができていた、別に担当でもないキルケ キルケと因縁があることにしたりと、細々と繋がりを持たせていた。

あまり書いたことのないキャラだったので期待していたのだが、実際に登場したのはサービス開始から二年ほどもたってから。

そのころにはもうボツになったと思っていたので、民安ともえさんが演じる引きこもり魔族のボソボソ喋りが聞けて嬉しかった。

特に調教後ボイスの「じ、実況しない? ほ、本番実況」という変に上ずってしまった感じの声が実にいい。

 

【邪龍召喚】イングリッド

最初期に考えた既存キャラで、かつエロシーン2つとなるSR以上のカードだ。

アリーナではゲームとちょっと違うことをやりたかったので、デザインから一捻りしている。続く【闇水影心】井河さくらや、【屍鬼羅刹】八津紫も同じだ。

覚醒を始めたアサギに対抗するため、魔界の邪龍グルニエを召喚し、己の力に変えているという設定にして、素っ裸に黒龍が張り付いているようなエロい姿になっている。

まあ要するに邪王炎殺黒龍波だ。眠くなるかわりにエロくなる。

CIRCUSの「エターナルファンタジー」でリューリカというキャラでも担当したが、全身に異能のタトゥーというのは結構好みだ。「ソード・ワールドRPGアドベンチャー」のレイハとか。

といって分かる人がどれだけいるか。

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【闇水影心】井河 さくら

次の【屍鬼羅刹】八津紫と物語的に対になるキャラだ。

さくらは対魔忍シリーズのメインヒロインの一人なので、エロシーンを二つ使うことができた。

やはりゲームとは少し変えたかったので、普段のおちゃらけた感じとは違って、シリアスになるようにデザインした。能力が暴走して化物になってしまった紫を助けるために、心ならずも米連に協力しているという設定だ。

そんな紫のために頑張っているのなら、その記憶を消してしまうのが一番残酷だろうと、このさくらのスキルを人の心の影、すなわち記憶に潜り込むという能力にし、それを主人公に奪われてしまうということにした。

そして、対魔忍アサギ1~3、対魔忍ムラサキなどから、さくらと紫が一緒に犯されているような、つまり二人にとって忘れてしまいたいが、忘れることのできない、しかしある意味、対魔忍である二人だけの友情の証である陵辱記憶を無理やり回想させられつつ犯され、最後はその記憶記憶もろとも紫のことを全部忘れさせられてしまうという展開を展開を考えた。

しかし、実のところ書いたのは対魔忍アサギ3だけなので、さてそんなシーンはどこにあったろうかと、前のシナリオを全部読み直して、効果的な場面やセリフを選ぶのに苦労した。

そうして書いたエロシーンでは、絶頂するたびに紫のことを少しずつ忘れさせてやると脅して、「イキたくないよ、ムッちゃんのこと忘れたくないよ」と、絶叫するさくらが本当に可哀想で気に入っている。

 

【屍鬼羅刹】八津紫

上のさくらとペアになるキャラ。これもエロシーン二つだ。

デザイン的に紫の肌に三ツ目をやりたかったために、不死覚醒を暴走させられて心のない怪物になってしまったという設定を思いついた。

いつも馬鹿をやっているさくらが本気になるくらいだから、それくらい大変な事になっている方がちょうどいい。

紫はゲームでもアサギの使用済みタオルを手に入れようとしたりと、ちょっと危ない愛情を抱いているキャラだ。

そんな紫が人としての心を失ってしまってなお、アサギに助けて欲しいではなく、殺して欲しいという気持ちだけが残っているというのは、実に紫らしくていい。

無自覚に破壊し尽くした廃墟で、ぶつぶつとアサギの名前を呟きながら機械的にオナニーするだけだった紫が、やってきた主人公に無理やり犯され、最初は無反応だったものの、次第にその快感で歪んだ自我に目覚めていき、最後は「お前が私を殺してくれ」とイキながら懇願するのもいい。

カガミ氏によるビジュアルもグロテスクで大満足だった。

 このさくらと紫のペアは後に、【シャドウキル】井河 さくら【闇の奔流】八津 紫という形に発展して再登場している。それらは担当していないが。

 

井河さくら

イングリッド

甲河 アスカ

チュートリアルでもらえる三人だが、書いたのは少し後になってからだ。
シチュエーションは違っているが、どれも主人公に卑怯な手段で捕まって陵辱されるという、本作を象徴するような展開になっている。

まだ制作に関わったばかりの頃で、三人ともチュートリアルで即堕ちして、後の展開との整合性は大丈夫なのかとかと少し気にしていた。

 

須城 幸

盲目のキャラに、視姦されている自分の裸、処女を奪われる瞬間の膣口から見たチンポのアップ、挿入されてからの膣内のヌチョヌチョ映像など、見たくない光景を無理やり見せて犯すという展開だ。
キャラに「見えない」みたいな強い設定があるとエロシーンが作りやすい。

このキャラに限らず、最初の頃は「相手の特殊能力を奪う」という主人公の能力から、元は自分の能力で逆にエロい目に合うという展開をよく考えていた。

 

リック・ミリアード

「ビースト」という野獣の本能を発揮できるキャラが、その能力を奪われ、野獣らしく発情期にさせられるという、これも能力逆用のエロシーン。
本来であれば、発情に伴って獣耳や尻尾を生やし、より雌犬らしくしてやりたかったのだが、この頃はまだ差分の枚数も変化も控えめにしていた。

 

クリシュナ

小生意気なロリ魔族を陵辱して反省させるというよくあるエロシーン、

ただ、まず拘束した状態で街中に放置して、浮浪者に穴という穴を輪姦させたあと、最後に主人公がやってきてトドメをさすという展開になっている。主人公以外が犯すのはアリーナではちょっと珍しい。
ところで、カード名ではただクリシュナという名前だが、改めてシナリオを見るとクリシュナ・リイラ・クリシュナという富野キャラみたいな本名だった。アドリブで書いたようだ。

このクリシュナ、それから先に述べた須城幸、リック・ミリアードは執筆時に或十せねか氏によるキャラデザが上がっており、どんなエロシーンにするかイメージが膨らませやすかった。

 

穂村 奏

対魔忍ユキカゼ 」「対魔忍ユキカゼ2」に出てくる秋山凜子を尊敬する逸刀流剣士である。

その繋がりだけで色々と膨らませ甲斐があったのだが、アリーナでの属性が対魔忍なのに、スキルが米連の攻撃力アップというズレのため、全く使いどころがなくなってしまった可哀想なキャラだ。
もっとも、執筆時には能力の名前と設定くらいは決まっているが、それが具体的にどんな性能になるかは分かっていないからしょうがない。

エロシーンは、道場の壁に張り付けられてレイプされるという、逸刀流剣士に相応しいものにしている。チンポでなく奪われた愛刀で処女喪失するのがポイント。ただ刃はグロいのとNGが出そうだったので、柄から入れるようにしてあげている。

犯られるキャラにとってはなんの慰めにもならないが。

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メイア・ブラッドロード

血を自在に操る齢数百才の高慢ちきな魔族という、どこにでもいそうなキャラだ。

かつてネルの「宵待姫~大正淫猥吸血姫譚~」を書いた頃から好きなタイプである。
キャラ設定はすでにあってエロシーンを考えるところから始めた。

血を操る能力を主人公に奪われて、さてどうしようかと考えたところで、自分を傷つけて快感を得る危ない趣味と設定にあったので、ピストン運動のたびに処女膜を再生させて、何度も何度も処女喪失という展開にしてみた。
対魔忍アサギ~決戦アリーナ~ Wiki」のデータによると、彼女はナディアを慕っていて、消息を経った彼女を探すためにナディアが人間界に現れたそうだ。

ナディアは担当してないから知らなかった。作画のさくらんぼ氏つながりだろう。そういうのは嬉しい。

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レイナ・七霧

 忍法"七斬り"という、空気中の水分から七つの刃を作り出すという、バトルが映えそうな能力を持つ彼女だが、シーンの頭からいきなり負けていて、もう犯される寸前になっている。

最初の頃は、シナリオの容量がゲームよりも少なめに指定されていて、エロ絵以外の導入を入れる余裕がなかったため、そういう即エロ展開が多かった。
エロシーン自体は主人公に犯されながら、それを知らない仲間と無線で会話をさせられ、感じているのを必死に誤魔化そうとして失敗、最後はアヘってしまうというオーソドックスなものになっている。
今考えてみると、水を操るという能力を主人公に奪われ、膣内で愛液や精液を直に動かされて感じてしまうといったネタをやれたように思う。惜しいことをした。
なお、忍法"七斬り"の華麗な姿は、後に登場した【七斬】レイナ・七霧で見ることができる。髪の毛や水の刃がふわっと広がってとても綺麗だ。残念ながら担当はしていない。

 

田沼 詩季

このキャラも主人公に自分の能力を奪われて―――のパターンなのだが、「逆・肉体変化の術」という他人しか変化させられないキャラがその能力を奪われて、コンプレックスであった貧乳を爆乳にしてもらい、パイズリからニプルファックで堕ちてしまうという、どう考えてもエロシーン先行の能力設定がおかしい。

その能力で、巨乳のクラスメートを貧乳にして憂さ晴らししている間抜けさも好みだ。

 

日向 綾香

子供のころから魔法少女物に憧れていて、ウィッチズスキンとかいう謎物質によって無理やり変身するハイテク魔法少女、自称ケミカルアヤカ。
そのネーミングセンスもどうなんだって感じだが、「スターケミカルパワー、メイクアーーーップ!!」から始まって、どっかで聞いたような台詞を喋りまくる、書いていてとても楽しいキャラだった。

後に【機械兵装】日向 綾香として再登場する。これまたそっちの担当はできなかったが。

 

 沙耶NEO

対魔忍シリーズのゲームに出てきたキャラと関連付けて、なにか新しいキャラが作れないか全てのシナリオを読み返していたところ、「対魔忍アサギ2」のメイン敵として出てくる沙耶に惹かれた。
朧のクローンに作られたもろに化物デザインの女の子で、残虐なモンスターだが実は可哀想な過去があって、最後にはアサギに倒されて消滅してしまうという、実に趣味に合う設定だった。
ゲームでは純粋に敵でエロシーンもなかったので、アリーナで復活させてやろうと、残っていた沙耶の細胞を元に米連が新しく作り出した人工魔族という設定をでっちあげた。
実は沙耶が生きていたということにしなかったのは、蜘蛛のような巨大モンスターボディに蒼い肌の人型がくっついているという、あまりエロ映えするデザインではなかったからである。それとアサギ2の沙耶のセリフを真似て書くのが面倒くさかったから。
そうした考えた沙耶NEOは、元の沙耶より少し年齢を上げたセクシーボディで、猫目でツインテールツンデレ美少女系にしてもらった。
モンスター要素は元の沙耶と同じ触手を背中からのみ生やすということにした。このモチーフはスパイダーマンに出てくるドクター・オクトパスだ。
そんな設定を出したら、いいキャラだと思ってもらえたのか、元はエロ絵1枚だったのが2枚に増え、カードのランクが格上げとなった。

エロシーンは、1枚目が触手のコントロールを主人公に奪われ、処女を犯されながら自分の触手でさらに責められる展開、2枚目はその触手も出せなくさせられて、人間のような弱い身体で改めて犯されて、その新鮮な快感でついに「お兄ちゃんになって」とおねだりするという展開だ。

人間は化物より弱いが、セックスはずっと気持ちいいというアイデアは結構気に入っている。

 カガミ氏が仕上げたデザインもさすがの可愛らしさで、人殺しが好き、エッチも好きという性格も含め、アリーナで担当したキャラで一番気に入っている。

後に、【夏祭り暴走中】沙耶NEOとして再登場し、元の沙耶と同じデザインの【量産型再び】沙耶も結局は出てきて、嬉しいことにその二つも担当することができた。
最後に、それらとは別にもう一つ沙耶NEOをすでに書いているので、そのうちどこかで出てくるだろう。楽しみにしている。

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【仮面の対魔忍】甲河朧

対魔忍アサギ3」に出てきた「仮面の対魔忍」こと、本物の甲河朧その人である。

ゲーム内ではエドウィン・ブラックに殺されてしまったのだが、エロシーンもなかったので実は生きていたということにして登場してもらった。
前述のとおり、対魔忍アサギ3はシナリオを担当していたので、把握している性格通りに書けばいいので簡単だ。
あれから一人で孤独に戦い続けていたということにして、トレードマークの仮面にはヒビが入り、スーツやマントもボロボロになっているというデザインをお願いした。
そのあたりのボロボロ感は、「真(チェンジ!!)ゲッターロボ 世界最後の日」のブラックゲッター、「仮面ライダー THE NEXT」の仮面ライダー1号、「機動戦士ガンダム00」のガンダムエクシアリペアなんかをモチーフにしている。

彼らのように、ちゃんとしたメンテナンスを受けずに、ギリギリの所で戦っているキャラというのは魅力的だ。
そんな仮面の対魔忍のため、エロシーンはあらかじめ感度3000倍の新鮮な雌豚ボディ、しかも処女、そして遺伝子レベルで主人公のチンポへの忠誠心を刻み込んだものを用意しておいて、そこに空蝉の術で魂を移動させるように仕向けるという展開にしてみた。

そんなボディをどうやって準備したんだか。えらい迂遠な計画だ。

ただ、主人公は相手の能力を奪うというチート気味の能力を持ってはいるものの、純粋な実力ではアサギ、さくら、紫、ゆきかぜあたりのメインキャラには及ばないと考えていたので、そうやって姑息な罠ではめて、チンポでもはめる展開が多くなっていた。
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 トゥーリア=エルスハイマー

 当時、モンスター娘ものが流行っていたので、それに便乗して作成したキャラである。
ただ一捻りして、人魚デザインの水中用サイボーグ、所属も米連にして、同じくサイボーグで「対魔忍アサギ3」に出てきた甲河 アスカとのデザイン上の共通点が見えるようにしてもらった。
それから、コードネームをライン川に身を投げた伝説の精霊ローレライからもらい、ならきっと可哀想な過去があるだろうと、趣味丸出しでまたこんな*2設定を考えた。
例によってエロシーンにはろくに反映されてないが、やはり色々と過去があった方がセリフが出てきやすいのでしょうがない。

このキャラも作ったのはサービス開始前だが、登場したのはだいぶ後になってからだったので、ボツになったのではないかと思っていた。

 

以上、このあたりまでがサービス開始前に担当したキャラとなる。

この頃は、自分でキャラを考えるところからやれたが、サービスが開始すると常にキャラを追加し、イベントを続けないといけないソーシャルの宿命から、それでは間に合わなくなり、もうできているキャラ設定からエロシーンのプロットを考えたり、プロットまでできていて後はシナリオを書くだけといった関わり方にシフトしていった。

それと平行して、アサギ、さくら、紫、ゆきかぜといった馴染みのキャラでエロが2つのもの、つまりガチャの目玉やイベントの報酬といった、デカいキャラを担当することも増えていった。

それらの話についてはまた次回。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1:幼い頃は幸せな家庭であったが、オリガ15才、妹のミーシャ10才ときに父親が事業に失敗して、不幸のどん底へ。父親は酒浸り、そんな父親に嫌気が差した母親は娘二人を捨てていなくなる。オリガはバレリーナになる夢を捨てて働かなければならなくなり、さらにミーシャが重い病にかかるという不幸も襲う。ミーシャの薬代で暮らしはさらに悪化。父親が酔った勢いでミーシャに暴力を振るい、オリガはミーシャを護ろうとして能力に目覚める。父親の身体に手を突っ込んで両手で心臓を止めたのが生まれて初めての殺し。それ以来、闇の世界に足を踏み入れた。数々の政治家や権力者を暗殺してきたが、一時心を許した恋人の裏切りにあって、米連の手に落ちる。懲役777年の刑を受け、病身の妹ミーシャを人質にとられて、懲役減刑のために働かされている。かつての恋人を殺し、ミーシャ以外の誰にも心を開かない。銃でもナイフでも武器はなんでも使えるが、好きな殺し方は父親を殺したのと同じ、直に心臓を掴んで止めてやること。

*2:元米連の水中工作員。ある任務で己のミスによって、恋人であった上官を死に至らしめ、自身も両手両足を失い、サイボーグ手術によって生きながらえた。恋人を殺してしまった海で自分も死ぬために、死に場所を探し続けている。任務に関しては冷徹そのもので、船人を水に誘い入れて殺すローレライの伝説そのままに、敵の水中用サイボーグ、戦艦や潜水艦に至るまで容赦なく破滅に導いている。もう誰も巻き添えにしたくないことと、事実上、水中で付いてこれるものがいないので、単独任務がほとんど。同時期に開発されたアスカは数少ない友人。アスカから見れば大人の女性の見本。空気を読まないアスカに恋愛相談などされている。開けっぴろげなアスカに戸惑いつつも、ずいぶんと心休められている。日本びいきで茶道と華道の心得がある。

このマンガがすごい!(つらいクリエイターマンガ編)


宝島社から発行されいる「このマンガがすごい! 2010」
オトコ編第一位は、「バクマン。」だった。


バクマン。 1 (1) (ジャンプコミックス)バクマン。 1 (1) (ジャンプコミックス)
小畑 健

集英社 2009-01-05
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二人の少年、サイコーとシュージンがジャンプで人気漫画家を目指すというストーリー。
確かに面白い。
  バクマン 1巻 感想 「現実とフィクションが交差する現代版まんが道」
登場人物の誰もが才能に溢れていて、とんとん拍子に成功していく。
物を作るって楽しい。夢をかなえるって素晴らしい。
ジャンプはそうでなければいけない。
アニメ化も決定して羨ましい限りだ。


とはいえ、たいして才能に溢れているわけでもなく、日々泥沼であがくように物作りをしている者としては、いまいち共感しづらいのも確かだ。
あいつら、夢に向かって一直線過ぎ。
眩しいにもほどがある。


今日は一つ、マンガやアニメやゲームなどの様々な物作りを題材にしつつ、夢をかなえる素晴らしさよりはそのつらさを前面に押し出しているものを並べてみた。
個人的には、行き詰まっている時に読むと楽しい。
「どうせ皆こんなもんだ。しょうがない。俺もやるか」と、やや後ろ向きだが元気をもらえる。



まんが道 (藤子不二雄Ⓐ)

まんが道 (1) (中公文庫―コミック版)まんが道 (1) (中公文庫―コミック版)

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--クリエイターマンガの基本--
今更にもほどがあるが、これを抜きにしては、「バクマン。」も語れない。
漫画家を目指す二人の少年の姿を描いた、藤子不二雄の自伝的漫画だ。


いいところをあげたらきりがないが、クリエイターの苦しみという点から考えると、まず主人公の満賀道雄(モデルは作者の藤子不二雄Ⓐ氏)が劣等感まみれなところがいい。
学校に行けばチビと馬鹿にされ、運動ができないと馬鹿にされ、学校から帰ったら帰ったで、ちょっと憧れた女の子が大人の男とキスしてるのを目撃するわで、「俺の恋人はマンガや!」と泣きながら満賀が原稿に向かう姿がたまらない。
そんな「自分にはこれしかない!」というマンガでさえ、常に劣等感に苛まれている。
相手は無二の親友で、相棒の才野茂(もちろんモデルは藤子・F・不二雄氏)だ。


こんなエピソードがある。
二人が友達になってすぐの頃、幻灯機で映す作品をお互いに作ってみようということになる。
満賀はずるずるとなにもできなかったあげく、締め切りの前の晩になって、手近にあった本「曲垣平九郎」の挿絵を「才野には分からないだろう」と模写し、さも一から考えたかのように振る舞ってしまう。
それを才野が褒めてくれると、「ほかのものはだめだけど時代劇だけは得意なんだ」とか、「これなんかマンガとは言えないね、少しかたくなりすぎて挿絵みたいになって失敗したよ」とか、調子に乗りまくり。
そこで満賀ははっと気づく
ぱくった本が才野の本棚にもある。
もう冷や汗だらだらだ。
そんな満賀に才野が見せたのが、「天空魔」という話も絵もオリジナル、空飛ぶ軍艦のために設計図は引くわモデルは作るわ、「お前やりすぎだろ」っていうくらいの作品。
「まいりました。この勝負、おれの負けだ」と、満賀はうちひしがれるわけだ。



このみっともなさ、あるある感がいい。
これは○○のパクリ
誰も気づいていないけれど、自分では分かっているその部分が変に受けて、なんとなく自分一人でやったような気になってしまう、みっともない自己欺瞞
すげー分かる。
分かっちゃ駄目なんだけどね


一事が万事の調子で、満賀は劣等感とみっともなさを全開にしながら、それでも「俺にはマンガしかない」と努力していく。
その努力も、夢に向かって一直線っというわけではなく、目先の色恋や、ちょっとした怠け心、本当に漫画家になれるのか? といった現実的な考えの狭間で、行ったり来たり、右往左往する。
そこがいい。


すぐ漫画家にもならない。
藤子不二雄Ⓐ氏がそうであったように、満賀も漫画家への夢を抱きつつ、一度は新聞社に入ってサラリーマンになる。
新聞の仕事にやりがいを感じ始め、漫画への情熱が薄れていく満賀と、職に就かずにひたすら漫画家を目指している才野との気持ちのすれ違いは、屈指の名場面だ。
結局、満賀は新聞社を辞めて後のない状態で漫画家を目指すわけだが、そのあたりの「生活がかかっている」ことへの悩みは、同じように仕事をやめて創作業界に入った者としては、共感するところが大きい。


文庫で全14巻完結。
続編といえる「愛…しりそめし頃に…―満賀道雄の青春」もおすすめだ。
愛…しりそめし頃に…―満賀道雄の青春 (1) (Big comics special)愛…しりそめし頃に…―満賀道雄の青春 (1) (Big comics special)

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アニメがお仕事!  (石田敦子

アニメがお仕事! 1巻 (ヤングキングコミックス)アニメがお仕事! 1巻 (ヤングキングコミックス)

少年画報社 2004-08-27
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--かなった夢はただの現実--
さて、マンガの次はアニメ。
タイトルも「アニメがお仕事!」とド直球だ。


作者の石田敦子氏は、漫画家であると同時に、現在は第一線を退いているものの、れっきとしたアニメーターであり、動画、原画はもちろんのこと、『伝説の勇者ダ・ガーン』では作画監督、『勇者特急マイトガイン』ではキャラクターデザインをつとめている。
その経験をいかんなく発揮して作られた本作は、アニメ業界の生々しい話がもう目白押しだ。


ところで、作画監督とは聞き慣れない言葉かもしれない。
京都アニメーション発行の「アニメーション制作の手引き〜作画編〜」によると、作画監督とはこう説明されている。

 現在、日本の商業アニメーションで作画監督が行う作業は、「絵コンテをもとに、演出の考えに沿った形で、レイアウトと原画をチェックすること」です。
 よく間違われるのですが、「絵柄の修正」がその役割ではありません。”作画”監督の名の通り、作画全体に関わること(物語を生み出すキャラクターの芝居、動き、表情など)をチェックすることが本来の仕事です。
 作品全体のイメージを統一するために、個々の作画スタッフの絵柄の違いや、技量の差を調整します。
 作画監督となる人は、十分にアニメーションの仕組みを理解し、確かな知識と技術を持っていなければなりません。

現場におけるアニメーターのある種の到達点、アニメーターを志す者なら誰もがなりたいポジションなのだと思う。


作者の石田氏はそこまでいったわけだが、本作の主人公、福山イチ乃はまだ動画、アニメーターとしてスタートしたばかり。
もちろん、アニメーターとしての技術はまるで足りていない。
未熟もいいところである。


そんなイチ乃に、「夢」を仕事にしてしまった者への「現実」が、後から後から津波のように襲ってくる。
思ったように絵が描けないという現実。
何をどう描けばいいか分からないという現実。
頑張っても早く描けないという現実。
そしてそれ以前の問題。
誰かに頼らないと生活すらしていけないという現実。


そんな現実に負けないために、イチ乃に何ができるか?
自分の技術が拠り所にならない以上、「アニメが好き、アニメが作りたい」という情熱にすがるしかない。
しかし、イチ乃からすれば志が低い(ように見える)アニメーターも業界には当然いて、でもそのアニメーターは自分よりずっと技術があって、そんなアニメを馬鹿にしているような人間よりも自分は役立たずで、だけどどうやって上手くなればいいかも分からなくて、そんな諸々の答えを出す間もないままに、目の前の仕事をこなさなければならなくて――と、延々続いていく。
もうなんというか、一冊まとめて読むのが辛くなる。
色々と共感できすぎて。


第一話からこれだ。
高校生の頃、一緒にガンダムにはまった友達みんなに「まだアニメなんて言ってるの? やめてよ、恥ずかしい」と笑われてまったイチ乃の後ろ姿である。

このマンガ、こんなのばっかり。
だから元気になる。ちょいと劇薬だが。
ちなみに、創作と恋愛の関係についてもかなりキツい描かれ方をしている。それもまたいい。
  「アニメがお仕事」第5巻 感想
  「アニメがお仕事」第5巻 再購入
   アニメがお仕事! 完結
全7巻完結。





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大東京トイボックス 1 (バーズコミックス)大東京トイボックス 1 (バーズコミックス)

幻冬舎 2007-03-24
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--迷走するゲーム制作--
マンガ、アニメときて、ゲームだ。
だんだんと自分の仕事に近づいてきて、共感できるとか言っている場合じゃなくなってきたが、それはともかくクリエイターマンガとして今、一番注目しているのが本作、東京トイボックス、その続編の大東京トイボックスだ。
後者は、雑誌『コミックバーズ』で現在も連載中。ちなみに、「だいとうきょう」ではなく、「ぎがとうきょう」読む。つい最近まで知らなかった。


主人公、天川太陽はゲームプランナーである。
決め台詞は、「仕様を一部変更する!!」
うわあ、実際にゲームを作ってる者からすると、寒気のする台詞だ。


ゲームプランナー。
ゲームの制作に多少なりとも興味を持っていれば、雑誌などでこの言葉を見たことがあるかもしれない。
他に、企画、ディレクター、ゲームデザイナーなどと言い、それぞれ微妙に違うのだが、ゲーム制作を仕切る中心人物と思って間違いない。
その割には、実際の現場で何をやっているのかあまり理解されていない仕事でもある。


ゲームのアイデアを考える人、シナリオや設定を作る人、ゲームショーや雑誌に出る人、アフレコで声優さんに指示を出す人、自分の好きなゲームを作れる仕事、うわあなんか楽しそう!
そんなわきゃない。
そういうハレの仕事はゲームプランナーのごくごくごく一部である。
大半は地道で根気のいる、それこそ目に見えない重いコンダラを延々引いて歩くような仕事だ。
下手をすると、華やかな表舞台に立っているプランナーと、実際に現場を仕切っているプランナーは別ということもありうる。
主人公の太陽はもちろん裏方の方。


さて、警察でも地球防衛軍でもウイッチ隊でもなんでもいいが、ある特殊な集団を説明するために外からの異物を使うというのは物語のセオリーだ。
本作でも、東京トイボックスでは社外から出向してきた月山星乃を、大東京トイボックスでは未経験の新米プランナー百田モモを配置している。
月山といい、百田といい一筋縄ではいかないキャラクターで、実に現場をかき回してくれる。
しかし、本作でもっとも制作を迷走させているのは、太陽その人だったりする。


太陽は、かつてソードクロニクル三部作という、作品世界ではドラクエ、FFに匹敵する名作を仕上げたプランナーだった。
しかし、ソードクロニクルの4製作において、スタッフや上層部との確執により降板、会社を辞めた上に、自分が手がけたものとは全く違うものが「4」として発売され、今もシリーズとして続いているという過去に苦しめられている。


途中で企画がポシャるとか、降板するとか、自分にも覚えがあるがそりゃ嫌なものである。
かつての相棒、今は太陽と袂を分かった仙水というキャラが言っている。
「太陽はね、まだ作り続けてるんですよ。完成しなかった幻のソードクロニクル4を」
思い入れが強ければ強いほど、「いつか見てやがれコンチクショー」と、何らかの形で完成させないとすっきりしない。
その気持ち、よーく分かる。
が、それにつきあわされるスタッフはたまったものじゃない。
ソードクロニクル4に端を発した太陽の迷走は徐々に拡大していき、ついには身内であるスタッフからも見限られそうになる。

最新刊5巻で、スタッフとの感情のこじれは解消されたように見えるのだが、これからどうなることやら。
共同開発している別会社との確執、ソードクロニクルを擁する最大手の動向など不安要素は山積みだ。
だからこそ、この先が楽しみでしょうがない。
東京トイボックスは新装版で全2巻。
大東京トイボックスは現5巻で、以下続巻。
おすすめである。


おっともう一つ、この作品は実在するゲーム会社で、『天誅』や『侍道』などのシリーズで知られる『株式会社アクワイア』が取材協力をしている。
これに関連して、『侍道』シリーズの第1作、『侍』の制作ドキュメンタリーが『ゲーム開発最前線『侍』はこうして作られた―アクワイア制作2課の660日戦争』という本にまとめられている。
これは読めば、迷走するゲーム制作、例えばプログラマーの逃亡などが、ノンフィクションだけに本当に洒落にならない状況で起こっていたのが分かる。
どうも絶版のようなのだが、マンガの副読本として、ゲーム制作の実情を知る手がかりとしてこれもおすすめだ。マンガじゃないけど。
ゲーム開発最前線『侍』はこうして作られた―アクワイア制作2課の660日戦争ゲーム開発最前線『侍』はこうして作られた―アクワイア制作2課の660日戦争

新紀元社 2002-06
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ヤサシイワタシ (ひぐちアサ

ヤサシイワタシ 1 (アフタヌーンKC)ヤサシイワタシ 1 (アフタヌーンKC)

講談社 2001-06
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--まだ本気じゃない--
仕様変更とか書いてたら胃が痛くなってきたので、お次は自分とあまり関係ない「写真」といこう。
これなら心おきなく紹介できる。
と軽く扱うには、痛いマンガなんだけどな。
アニメ化もされた高校野球マンガ「おおきく振りかぶって」の作者、ひぐちアサ氏による「ヤサシイワタシ」だ。


大学の写真サークルを舞台にしたこのお話、主人公の芹生弘隆とつきあうことになる唐須弥恵がとにかくもう痛い。
一言で言えばサークルのトラブルメーカーで、この弥恵をめぐる恋愛問題でサークル内はつねに不穏な雰囲気をたたえていて、本作は言うところのサークルクラッシャー物としても白眉である。


クリエイター物として見てみると、弥恵の頑張らなさ加減が痛い。
この点が、今まで語ってきたマンガの登場人物たちと大きく異なる。
とにかく頑張ってない。
いや、弥恵本人は「将来は写真で食っていきたい」など公言し、頑張っているつもりなのだろう。
だが見ていると、つねにあらかじめ「逃げ」をうっている。


カメラレンズの手入れを怠り、現像作業はいい加減にすまし、コンクールの締め切り当日になって慌てて作品をでっちあげる。
なぜそんな「逃げ」をうつのかははっきりしている。
自分の実力と向き合うのが怖いからである。
こう言いかえてもいい。

まだ本気じゃない。本気をだしたら私はもっとすごい

他人にそう思ってもらいたいから。
それ以上に、自分がそう思いたいから。
その結果、
『あたし、広告も興味あんだよね。なんでもいいから広告つくって応募すんの。遊園地とかお菓子とかブランドとかなんでもいーの』
と言って、サークルのメンバーや恋人を巻き込んで作った作品があっさり落選すると、
『あたしがホントにやりたいのって、ファッション関係なんだよね』
などと恥ずかしげもなく口にしてしまう。
暗に、「本気でやった作品じゃないから、落ちても別にかまわない」と言いたいんだよなあ。


が、どんな事情があろうが、それを見る人には関係ない。
できあがった物が実力。それだけ。
そうすんなり納得できれば苦労はない。本当にね。
自分のことを思い出し、痛くて見ていられない。


広告じゃなくてファッションなどと言い出したように、興味の対象をころころと変えていくのも弥恵に特徴的だ。
一つのことに打ち込んでしまった結果、自分の実力――実力のなさが明らかになるのを避けようとしている。
そういった逃げの姿勢は写真のことだけではなく生活にもおよび、やがて弥恵はサークルはおろか大学にも来なくってしまう。
芹生に向かって『そんなにガッコーすきかねェ』などとしたり顔で語り、わずかばかり社会を経験しただけで偉そうに放つセリフがこれだ。

こんな嫌な顔のヒロイン見たことねえ。
この嫌な顔を見るために、何度も読み返してしまう。
本気になることを避け続ける弥恵はやがて一つの決断をするのだが、それは読んでのお楽しみ。
全2巻。
痛いヒロインとキツい結末が待っているがおすすめだ。




キャノン先生トばしすぎ (ゴージャス宝田

キャノン先生トばしすぎ (OKS COMIX)キャノン先生トばしすぎ (OKS COMIX)

オークス 2008-01
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--次は絶対いい作品を描きますから--
さて、どん尻に控えしはエロマンガだ。
やはりエロがないとね。


あらかじめ断っておくが、クリエイターがテーマといっても、登場人物がセックスのシチュエーションやプレイを創作するために苦しむとかそういう話ではない。
確かに、このマンガは
 テレビの枠を頭に被せた男の目の前で、女の子がキリンのぬいぐるみを肛門からひりだすプレイとか、
 女の子の肛門に放尿してから手提げバッグに入れて持ち運び、喫茶店の前で取り出して中にお客がいるウインドウめがけてオシッコを噴出させるプレイとか、
 女の子の両親と一緒に一家団欒の象徴であるホームビデオを見ながら、その両親にバレないようにセックスするプレイとか、
エロクリエイティブ溢れるシーンばかりなのだが、ひとまずそれは置いておこう。


大事なのは、これはエロマンガを書いている人の話だということ。
主人公のルンペン貧太はデビュー5年ながら、筆が遅すぎるためバイトで食いつないでいるエロマンガ家。
ヒロインの大砲キャノン(本名:剣峰百合子)にいたっては処女単行本が30万部の大ヒット、資産家の一人娘でありながら頭がエロ妄想でいっぱいの超人気エロマンガである。なんと若干12歳。やばいって。


物語は、キャノン先生のアシスタントになった貧太が、自分より遙かに年下でありながらプロとしての確たる信念を持っている彼女に刺激され、同時に自分とは比べものにならない才能に打ちのめされて、悩み、苦しみながらマンガ家として一皮剥けるまでが描かれる。
こう書くと、全然エロマンガっぽくない。だが、本当にこうなのだ。


貧太も描けなくて苦しんでる。
理由は色々あるのだろうが、読んでいて感じたのは、作品を完成させるのを怖れているということだ。
もっといいアイデアがあるのではないか、もっと別のやりかたがあるのではないか、そうやって修正を繰り返したあげく、結局は完成できないまま終わってしまう。


その気持ちは分かる。
「完成」と自分のなかでケリをつける。その後はなにもできない。
完成品の評価を待つだけ、容赦なく発売され、人の目に晒される。
仕事なら当たり前だ。
さっきも書いたが、作り手にどんな事情があろうが、それを受け取る側には関係ない。
面白いか、つまらないか。それだけだ。
それ以前の、全く無反応ということもあり得る。
これで怖くなかったら嘘だ。


その怖さを乗り越えないとプロとしてはやっていけない。
いや、乗り越えるは無理か。
ずっと不安にかられながら、作り続ける。
そうするしかないんだよなあ。
本作でも、貧太に向かって、ベテラン編集長がこんな檄を飛ばしている。

迷う心に突き刺さるようないい台詞だ。
他にも、創作者の魂がほとばしり出るような、キャノン先生の名台詞は必見だ。
もちろん、エロさは折紙付。
全1巻。
今日の最後のおすすめだ。

志の輔らくご in PARCO 2010 鑑賞


今年も行ってきた。
毎年、渋谷PARCOで一月に公開される「志の輔らくご
志の輔師匠の落語は機会を見つけては行っているのだが、PARCOのそれは規模が段違いでいつも楽しみにしている。
大舞台での趣向を凝らした一ヶ月公演。
しかも、普通の独演会などとは違って、前座もなしに師匠が三つの噺をやってくれる。
チケットを手に入れるのは一苦労だが、ファンとしては行かないわけにはいかない。


今回の演目は以下のとおり。

身代わりポン太
踊るファックス 2010
中村仲蔵


一つめの「身代わりポン太」。
富山県のある村で、地域活性化ために進められてきた「たぬきの里プロジェクト」が、流行の事業仕分けのあおりで予算を凍結されてしまった。
そのおかげで、プロジェクトの目玉のたぬきの形をした展望台がまだ半分、キンタマのぶらぶらする下半身しか完成していないのに残ってしまい、予算がないので解体することもできず、さあどうしようと関係者が右往左往するお話。
きっとこれが今年の新作なのだろう、初めて聞いた。
時事ネタをうまく盛り込んで、大いに笑わせてもらった。
会場のロビーには、たぬきの置物がしっかり飾られていた。



二つ目の「踊るファックス 2010」。
「2010」がないものは、何年か前に初めてPARCO落語に行ったときにやっていた演目で、生で見るのは二度目だ。
当時買ったパンフレットには台本まで掲載されていたので、お話はよく知っている。
それでも大笑いした。
やっぱり落語は、「何をやるか」じゃなく、「誰がやるか」だ。
台本と照らし合わせてみると、大枠は同じでも所々で変わっている。
サゲも変えてきたし、大舞台ならではのギミックも面白い。
当時の新作が年月を経て、熟成されていた。


休憩を挟んで、三つめは「中村仲蔵
PARCO落語では、最後は古典なのが定番だ。
江戸時代の歌舞伎役者に、中村仲蔵という人がいる。
歌舞伎において、「名人仲蔵」と言われるほどの名優である。(中村仲蔵 (初代) - Wikipedia
彼がまだ成り上がりの一役者にすぎなかった頃、当時は端役だった「仮名手本忠臣蔵・五段目」の定九郎を周囲からの嫌がらせで割り当てられ、それにめげることなく斬新な解釈で演じきるまでのお話。
その時演じた定九郎は、現在まで続く定九郎スタンダードになっているという。
元ネタの「仮名手本忠臣蔵・五段目」のお話やら、当時の状況やらを知らない観客のために――はい、知りませんでした――ちゃんと説明してくれるところがありがたい。もちろん、笑いを交えて。
テンポ良く笑わせてくれた前の二本とは違い、古典の人情話をじっくりと楽しませてもらった。
全部の噺が終って師匠がもう一度挨拶に出てきたとき、「中村仲蔵は一時間二十分もやっていた」というのを聞いて、会場全体に「えっ、そんなにやっていたの?」というどよめきが広がったのが印象的だった。
みな時間を忘れて、聞き惚れていたのだ。


いい落語だった。また行きたいものだ。

「十二人の怒れる男たち」観劇


今年初めての芝居見物。
俳優座劇場プロデュースの『 十二人の怒れる男たち 』
法廷物の代名詞とも言える作品で、ヘンリー・フォンダが主演した映画、『十二人の怒れる男』は何度も見ている。
芝居で見るのは初めてだ。


お話は、ある殺人事件の陪審員に選ばれた十二人が、その評決に至るまで一つの部屋で延々と討論しつづけるというのもの。
場面は陪審員室だけ、十二人も最初から最後までみな出ずっぱりという、会話劇の妙を楽しむものといえる。
見るこちらも、ストーリーは隅から隅まで頭に入っているので、目の前で行われる役者の生の演技を楽しみにしていたのだが、いまひとつ乗り切れなかった。


理由はいくつかあるが、脚本がほぼオリジナルそのままということが大きい。
舞台はアメリカで、時代ははっきりしていないが、最初のテレビドラマ版が1954年だから多分そのくらいなのだろう。
十二人の陪審員たちのやりとりを通して、人種や年齢、職業や出自、階層などに対する偏見や差別が浮き彫りになっていくのが醍醐味なのだが、脚本がそのままのわりには、演じる役者の全員が全員、現在の日本人、見る側もそうなので(外国人がいないと確かめたわけではないが)、ところどころで引っかかってしまった。


たとえばこんな場面。
陪審員の一人がどこかからの移民者で、討論の中である陪審員が彼らに対する差別意識をむき出しにするという箇所があった。
芝居では、その陪審員が移民であるという説明もないまま、別の陪審員が差別発言の段になっていきなり「おまえら移民の連中は」云々とわめき出す。
見ている方は、そこで初めて「ああ、あっちの人は移民なんだ」と気づく。
これは辛い。


アメリカでやる場合は、移民者の役はそれっぽい人が演じるのだろうし、言葉にそれっぽい訛りなどもいれて、特に説明がなくても「ああ、彼は移民者だ」と把握できるのだろう。
ただ、役者が全員日本人で、全員標準語を喋っている状態でそれは不親切だ。
差別発言でもめ出す前に、一言でいいから「あの人は移民者だ」ということを示しておいてくれれば、それ以前の発言も差別意識に根付いたものだと感じられるのに、後説じゃもったいない。


他にも、ある陪審員が自分の見た映画について話をしているとき、二本立ての映画を見たとは一言も言ってないのに、彼を追求する他の陪審員が何の疑問もなく「二本目の映画は?」などと聞いている。
なんで二本立てが前提よ?
当時のアメリカでは映画は二本立てが当たり前だったのかもしれないが、一言、「二本立て」って断っても罰は当たるまい。
そういった、現在の日本人が舞台でやると「あれ?」って思うところがちょこちょこ出てきて、もったいない気がした。


もう一つ、このお話、議論が白熱して、キャラが激高する場面が何度も何度もあるのだが、その怒っているところが、どうにも芝居臭く感じてしまった。
口では「貴様、なんだその言い方は!」みたいなことを叫び、相手につかみかかろうとまでしているのだが、なんだろうなあ、段取り通り怒った演技をしているって印象で、それがちょっと残念ではあった。
ヘンリー・フォンダの映画を見過ぎたせいで、誰が何を言われて怒り出すかあらかじめ分かってるのがまずかったのかもしれない。


今ひとつすっきりしなかったので、その映画を久しぶりに見直すことに決めた。


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フィクションにおける処女の話

最近、Twitterでフィクションに出てくる処女について話す機会があった。
その場のノリでつらつらと喋っていたら、今まで作ってきた作品の根底に流れるテーマのような話になったので、ここにまとめておく。
なお、Twitterのログをまとめるのには、「発言ステータスURL or STOT形式からのTwitterログまとめ」のサイトを使わせていただいた。

アナタカタリ
@katari_anata
 そういえば、いわゆる処女厨と言われる人達の気持ちがちょっとは分かる、とか言ったらやっぱり気持ち悪がられるんだろうか。好きな相手が処女だったら嬉しいって思うのは男だったら当たり前だと思うんだけれど――それを相手や周囲に押し付けるかどうかは別問題で。(2009-07-30 21:56:28) link
アナタカタリ
@katari_anata
 むしろ、処女信仰自体が気持ち悪いっていうより、処女信仰しちゃうほど二次キャラ好きになっちゃってるのが気持ち悪がられてるのかな、とかも思うんだけど、多分違うだろうなぁ(2009-07-30 21:57:06) link
アナタカタリ
@katari_anata
 個人的には、現実の女性相手にも、二次キャラ相手にも、そこまでいっちゃうほど相手を好きになる、という感覚を抱いたことがないから、むしろそういったエネルギーに敬意を抱いてしまう。(2009-07-30 21:58:47) link
そのだまさき
@masaki_sss
 @katari_anata 三次なら「へえ、そうなんだ。そりゃ嬉しいな。でもちょっとプレッシャーがかかる」くらいですけど、二次ではそこにこそこだわりたいですね。(2009-07-30 22:02:57) link
アナタカタリ
@katari_anata
 @masaki_sss ですよね。というか、女性には嫌がられるだろうけど、男性の『処女信仰』って、特定の恋愛対象がいない場合においては常態だと(2009-07-30 22:05:35) link
アナタカタリ
@katari_anata
 @masaki_sss 途中で送るミス>< 常態のように思ったりもして。そういう欲求というか、要求というかに、それを満たすための媒体がなるべく沿うようにするのは、ある程度は当たり前ではあると思ったりもします――もちろんそれを押し付けるつもりは毛頭ないですがw(2009-07-30 22:07:29) link
アナタカタリ
@katari_anata
 あ、そういえば、僕は自分の書いた作品で何度かエロシーンを書いたことがあるけれど、処女ってほぼいないなぁ――自分的には、むしろ昔に誰かを好きでいた人が、今の主人公に流されて、というような流れにもの凄くぐっとくるのが強いと思うw(2009-07-30 22:09:10) link
アナタカタリ
@katari_anata
 ま、その周りで発現している問題の本質は、処女信仰そのものでなく、その表現の仕方が問題なのは重々承知なんですけどね――だからこそ、処女信仰そのものが槍玉にあがっちゃうのはどーかなー、と思う次第でもあるけれど。(2009-07-30 22:10:45) link
そのだまさき
@masaki_sss
 @katari_anata 分かります。ただ個人的にはちょっと違って、あくまでもフィクションって前提で、その中の特定の対象だからこそ、処女であることの意味があるように思ってます。(2009-07-30 22:11:03) link
アナタカタリ
@katari_anata
 @masaki_sss ですねー。やっぱり、ヒロインと主人公のつながりがとても綺麗な形で描ける。その綺麗さは、現実を体験してる人からすれば失笑ものなんでしょうけれど、だからこそ綺麗だってところもあるというか。(2009-07-30 22:14:06) link
アナタカタリ
@katari_anata
 処女信仰は、なんというか、少なくとも作品の中で相手のことを思いやることを前提に成り立ってるの。だから、みんなもみんなのこと、思いやってて欲しいな――誰なんだこれは(2009-07-30 22:19:03) link
そのだまさき
@masaki_sss
 @katari_anata >むしろ昔に誰かを好きでいた人が……。そこです。すごくナイスなポイントです。つまり昔、誰かを本気で好きになって、その人に処女を捧げた子がいたとしますよね。(2009-07-30 22:17:50) link
そのだまさき
@masaki_sss
 @katari_anata で、その子が自分のことを好きになったと。その子にとってセックスするってことは、ずっと恋愛関係が続くことをなんも保証しないわけです。だって、現に処女を捧げた人と別れてるんだし。(2009-07-30 22:22:33) link
アナタカタリ
@katari_anata
 @masaki_sss ですねー。好きっていう、どっちかっていうと本能的というか肉体的なな感情から、愛するっていう、ちょっとだけ高度な精神的なものへの過程というか――(2009-07-30 22:26:42) link
アナタカタリ
@katari_anata
 もちろんその過程で明らかなズレガ生じてしまったりした場合には――ですけれど。(2009-07-30 22:27:10) link
そのだまさき
@masaki_sss
 @katari_anata リアルだと当たり前の話で、むしろ付き合い続ける選択と、別れる選択を常にぐらつかせながら、近づいたり遠ざかったりして仲を深めるのが恋愛の醍醐味だったりするんですが。(2009-07-30 22:24:35) link
そのだまさき
@masaki_sss
 そういうやりとりは楽しい反面、辛くもあるんですよね。たまには「ずっと一緒にいようね」っていうのを無条件に信じていたかったりするわけで。(2009-07-30 22:26:57) link
そのだまさき
@masaki_sss
 せめてフィクションでくらい永遠の愛を楽しみたいなあと。ハッピーエンドのその先は書けないわけですから、もしかしたらこの子と別れるかもって不安はいらないです。それはリアルで十分楽しめるので。(2009-07-30 22:29:55) link
そのだまさき
@masaki_sss
 そのための担保が、フィクションにおける処女って感じですかね。処女を捧げてくれたんだから、この先も大丈夫だって安心感。これです。(2009-07-30 22:31:32) link
アナタカタリ
@katari_anata
 @masaki_sss なるほどです。と、納得しながら、皆が皆そういう楽しみ方出来るなら平和だろうなぁ、と思ったりもしましたw(2009-07-30 22:31:37) link
そのだまさき
@masaki_sss
 とかなんとか書きつつ、学生ものの恋愛話で「ずっと一緒にいようね」とか書きつつ、「大人になったら別れちゃうんだろうなあ」と考えてる自分がいて、我ながらちょっと嫌です。(2009-07-30 22:33:26) link
アナタカタリ
@katari_anata
 恋愛の永続を知覚ための担保が処女、かぁ――なるほどなぁと思いつつ。この処女を他のパーツで埋められるのなら何か新しいものが出てきそうだなぁ、とかとちょっと考えてみる――(2009-07-30 22:33:33) link
アナタカタリ
@katari_anata
 そういえば、主人公やヒロインの死亡というのも、またある意味で恋愛の永続性のファクターだろうなぁ、と思う。ただこちらはそう感じてくれる層が処女という要素に比べ狭いだろうけれど。(2009-07-30 22:39:07) link
アナタカタリ
@katari_anata
 恋愛ではなく愛というのをテーマにするのであれば、ファンタジーで、人間との性交渉によって体や記憶を失いながら卵になって、孵って、性交渉を交わした男性に育てられていく――というような話は素敵だな、と思ったりする。(2009-07-30 22:41:26) link
アナタカタリ
@katari_anata
 非処女だけれど、常に処女のような恋愛を『させられてしまう』女性の話は考えたことがある――でも結局これは非処女を題材としたものとちょっと違うだろうしなぁ(2009-07-30 22:43:48) link
そのだまさき
@masaki_sss
 @katari_anata 彼女にとって、処女喪失より意味のある「初めて」になるのかな? 初めて絶頂、初めてアナル、初めて墜ちる……等々。調教ゲーでおなじみです。逆に、エロいことは何でも経験済みだけど、愛だけは知らない女ってパターン。(2009-07-30 22:45:04) link
アナタカタリ
@katari_anata
 @masaki_sss んー、でもやっぱりそれって違う意味での処女性ですよねー。前に処女奪われてるのなら、『より何度の高い処女』を奪うことで、というような――処女でないこと自体を中心に据えたお話で、綺麗なものって考えられないかなぁ(2009-07-30 22:47:45) link
そのだまさき
@masaki_sss
 @katari_anata より難度の高い処女、まあそういうことになっちゃいますね。フィクションとして盛り上げるためには、この人は今まで愛した他の人とは決定的に違うっていうのを書きたいところで、「初めて」ってのは一番手っ取り早い記号だと。(2009-07-30 22:53:50) link
アナタカタリ
@katari_anata
 んー、どっちかっていうと、非処女を前提の置くと、やっぱり『恋愛は永遠じゃないだろうけれど、それでもいい』というような、諦観というか達観というかの話になっていってしまうんだろうか――それでも、こんなにも。あなたを思う心は綺麗です、というような。(2009-07-30 22:52:29) link
そのだまさき
@masaki_sss
 @katari_anata そこを作中で「綺麗」と表現するかどうかは作者の趣味になりそうですね。個人的には「綺麗でもなんでもない。だが、それがいい」ってノリが好きです。(2009-07-30 22:57:44) link
アナタカタリ
@katari_anata
 @masaki_sss なるなる。その辺りは実際の恋愛経験の量も出てくるかもですねw 僕は――というのは言わずもがなだと思いますがw(2009-07-30 23:01:46) link



 以上。
 こうして見ると、自分で書いてるくせに、主人公とヒロインとのハッピーエンドを信じてない節がある。
 それで思い出したが、ずいぶん昔に「恋愛のゴールとエロゲのハッピーエンド」というエントリでも似たようなことを言っていた。

童貞をこじらせた以上はその克服のための困難は死ぬまで続く
 童貞というのは、ついつい交際に持ち込めた時点がゴールだと勘違いしがちです。そんな莫迦なはずがない。モテから見れば、交際開始がスタートですよ。でも童貞、とくに非モテはそれをゴールと思い込みやすい。

 エロゲは基本的にそこをゴールにしてるな。特に純愛物。
 なんだかんだあって告白し、間髪入れずにHシーンに突入。で、エピローグ。
 下手するとエピローグは結婚式だったりして、主人公は「ずっと君のことを愛し続けるよ」とか呑気なことを言っている。良くあるパターンだ。
 現実では、交際開始がスタートというのは全面的に同意するが、ファンタジーとしての恋愛を楽しむ上では、「ついに恋人になった」「Hできた」という達成感がピークになったところで物語を終えるのが無難なのだろうと思う。