映画二本。秒速5センチメートル & のび太の新魔界大冒険 〜7人の魔法使い


今日は、毎月1日の映画デー。料金が1000円。
しかも日曜日だったので、渋谷に行って梯子してきた。
外で映画を見るなど、ずいぶん久しぶりだ。


1本目は、秒速五センチメートル
2002年に発表された「ほしのこえ」で監督・脚本・演出・作画・美術・編集を殆ど一人で行い、そのクオリティの高さに一躍脚光を浴びた新海誠氏の新作だ。
以前、yahoo動画で一話のみ配信したのを見て、是非続きを見たいと思っていた。


短編が得意な氏らしく、今回も一人の少年を軸にして、30分ほどの短編を連作で描くスタイルになっている。


もはや新海節とでも言うべき、生活感のある点描描写を組み込んだ独特のカット割りと、見た瞬間はっとするような美麗は絵はやはり一見の価値があった。
第二話のロケット発射とか。それに至るまでの緊張感も相まって、その爽やかな開放感に見とれた。


ただ、話の方はこれも新海氏の特徴と言うべきか、一人の男が思春期にはっきりとした恋愛関係になれなかった女性に、大人になっても想いを抱き続けているというもので、表題でもある「秒速五センチメートル」を冠した第三話のまとめ方も含め、見ていて正直ちょっとキツかった。


もっとも、キツイのは話の内容云々ではなく、「自分の初恋の女性は、大人になっても自分のことを大切に思ってくれているはず」という男のダメ願望、自分にもあるそれを見せつけられたからかもしれない。


そんなこともあり、主人公よりも、その相手となる女の子、第二話で出てくる「主人公が好きだけれど、どうしても告白できない娘」などに感情移入してしまった。
それも、女の子には健気に頑張って欲しいという、男のダメ願望なのかもしれないが。


まあ、そういう恋愛感情についてはよく分かってしまうとしても、いい大人になった主人公が「知らず知らずのうちに世界から見放され、すべてに輝きを感じられなくなったと気づいたとき、僕は会社を辞めた」とか言うのは勘弁して欲しかった気がする。


「お前、大人になれよ」という感じで。
でも、そう受け止めてしまうのは、見ているこっちがもはや若者ではないからだね。あーあ。


ちなみに、連れは「こんな男が側にいたらイヤ」とのこと。情け容赦ないなあ。




二本目は、のび太の新魔界大冒険〜7人の魔法使い
代アニ時代の同期が制作に参加していて、これも是非見たいと思っていたものだ。
参加というか監督、寺本幸代氏。
当時からすばぬけた力を感じさせた彼女だったが、映画ドラえもん初の女性監督とはメチャクチャ出世したものである。


まずは面白かった。
テンポのいいカット割り、小気味よく動くキャラ、そこここにちりばめられた遊び心など、見ていて実に楽しい。


日曜日とあって、本来のターゲットである子供達も大勢いたのだが、途中で話について行けなくなったり、飽きてしまったりすることなく、最後まで楽しんでいた様子だった。


ストーリーも、旧作で無理があったところ(ラスト近くでドラミがいきなり登場するなど)が上手く変更されており、これも高評価。


そしてアクションシーン。
全体的に格好良かったが、クライマックスで大魔王デマオンとの対決での、どこでもドアの使い方にはしびれた。


いい映画だった。