対魔忍RPG 「降ったと思えば土砂降り」制作雑感

アスカが主役のイベント「降ったと思えば土砂降り」が始まった。

久しぶりにストーリーを最初から考えたイベントで楽しみにしていた。

ということで、まだイベントの途中だが色々と思い返してみる。

 

 

その前に、この絵はイベントが始まったすぐ後に、旭氏がツイートしてくれたものだ。

素晴らしすぎる。

 

さて、このイベント、もともとは特定の季節や新規キャラとは関係なく、いつでもやれるストック用で、内容もお任せということで、その時点であった素材を使って、好き勝手に考えさせてもらった。

 

サブタイトル「降ったと思えば土砂降り」は英語のことわざ、

「When it rains, it pours.」

の和訳で、日本のことわざでいうと「踏んだり蹴ったり」、「泣きっ面に蜂」と言ったところだ。

 

当初は「間違えられた女 アスカの災難」というサブタイトルを考えていた。

こちらの元ネタはヒッチコックの映画、人違いで酷い目にあう「間違えられた男」、重大事件にも拘わらず登場人物が次々とボケをかましていく「ハリーの災難」だ。

まあ、そんなイメージで話を作った。

 

主人公をアスカにしたのは、本編でふうま君とたびたび接点はあるが、いつも任務ばかりなので、それ以外のアスカの日常を書きたかったためだ。

 

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休みの日に外に出たら、変な連中が次から次へと現れ、いつもはふうまを振り回しているアスカが同じ目に会い、戦闘用の手足もないので困ったなという展開だ。

 

ただ、日常用の手足で苦戦していたところを、ついに戦闘用の手足に換装して「でんでんでんでん♪」と腕組みして登場みたいなシーンは欲しかったので、クライマックスで換装ボックスが基地から飛んできて地面に突き刺さり、そこに入って変身、あるいはアイアンマンみたいに手足自体がぶっ飛んきて次々とチェンジというのを提案したのだが、無理がありすぎるということでボツになった。さもありなん。

 

なので、アスカは日常用の手足のまま、それまで自分を振り回していたリーナや黒田巴と協力して勝つことになった。

リーナが「イングリッド様が聞いたら驚くな」と喜んでいるように、米連、魔族、対魔忍の共闘というのがいい。

 

このトリオ、オープニングでぶっ放しているようにアスカもたいがい非常識だが、そのアスカが基本前のめりのリーナと、思い込みが激しい巴に振り回されている姿は書いていて面白かった。

 

その前のDSO本部での女の子同士のお喋りも、ふうま君視点ではまずできないので、外伝ならではのお楽しみだ。

ジューンブライド狂想曲」以来のアンジェに加えて、まだ登場していなかったアルベルタドナ・バロウスをひょいと出せたのが嬉しい。

 

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適当にキャラを選んだわけではなく、アンジェはDSOからの連絡員として五車に時々来ている、アルベルタは魔族だがDSOの協力者、ドナはDSOではないがアンドロイド・アームがアスカの予備をカスタム化したものと、これまでのイベントや設定にそっている。

 

ところでこの話、報酬は新規キャラの黒田巴だが、目立っているのはリーナのほうだ。

それも当然、最初はアスカとリーナの二人だけだった。

元がありもの素材のストーリーなので、新規報酬キャラの巴が出てくるわけがない。

それがプロットができたくらいの段階で、巴を報酬にするイベントにするから、ちょい役で出してほしいという依頼があり、今のような形になった。

 

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リーナを相棒に選んだのは、今までのイベントで何回か出番があり、SRキャラにもなってるわりには、ふうま君を勘違いで襲ってきたり、強すぎる相手にすぐやられてしまったりと、ポンコツな面ばかりが目立っていたので、魔界騎士として本当は強いというのを見せてあげたかったからだ。

 

この娘、魔族としては魔力が弱く、角も小さくて、周りから白い目で見られてきたという、なかなか重めの過去があったりするのだが、それを努力でカバーしてイングリッドに認められるまでの強さになったという、一昔前の主人公みたいないい娘なのである。

 

そんないい娘のリーナを、以前のシナリオでプロットには「腕をひねる」とだけあったのに、アドリブで脱臼までさせてしまったおわびだ。

 

というわけで、今回のリーナは基本はポンコツなものの、いざ戦いになれば魔界騎士としてかなり強いという描写をしている。犬を除いて。

 

お気に入りのシーンは、弁慶にやられそうな巴のピンチを救った後に、自分もバック転しながら桜の目眩しで身をかわすところだ。

決め台詞の「華麗に軽やかに」を地で行く場面だ。

それでいて、「とおっ!」という、昔の仮面ライダーみたいなセリフが出るのもリーナらしい。

 

犬が苦手という設定は、逆にリーナのピンチを巴が助ける場面を作りたかったのだが、強いリーナにしてしまった手前、さてどうやってピンチにしようと、それまでの展開、今までの資料やシナリオを見返していたところ、ふとインディ・ジョーンズの蛇のように、すごく強いがこれだけは苦手というのがあったら個性になるなと、このイベントでいきなり設定をプラスしたら通ったものだ。

 

なにが苦手かは、絵の素材があればなんでもよかったのだが、ちょうど考えているときに、やはり旭氏がツイートしたこの絵を見て、ビビッと来た。

 

 

「お屋敷の怖い番犬に吠えられてトラウマ、これだ!」

 

そして「犬な苦手なキャラ」と思って、すぐこの歌詞が浮かんだ。

 

 ずっこけなんだ、あわてんぼなのさ。

 いつも失敗ばっかりしてるんだよ。

 だけど犬にはとっても弱いんだってさ。

 

言わずと知れたと言いたいところだが、さすがに古すぎて分からないユーザーも多く、ちょっと反省の「新オバケのQ太郎」の主題歌だ。

なにしろ「新」といいつつ放映は1971年、私だってリアルタイムでは見ていない。

後年、モダンチョキチョキズがカバーしているが、それだって1992年だ。

 

しかも、上の歌詞はうろ覚えで、一番と二番が混ざっている。

正しい歌詞はYouTubeのここで見られるが、

ずっこけで、あわてんぼで、失敗ばかりして、だけど犬に弱い。

だけどもなにも、悪口しか言っていない。

しかし、リーナによく合う……あ、いや、違った。

「だけど犬以外にはとっても強いんだってさ」だ。

語呂が悪いな。

 

一方、リーナを最大のピンチから救った巴。

それ以外では、アスカたちを犯人と決めつけて襲ってきたり(これは当初の“間違えられた女”からだが)、弁慶に自分から突っ込んで二度も殺されそうになったりと、強力な技を使うわりにあまり良いところがない。

 

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後から追加のちょい役だったせいもあるが、ただでさえリーナが大活躍しているので、さらに新キャラの巴まで無双しては焦点がぼやけると、ここは脇役に徹してもらった。

 

今回はリーナを犬から助けたファインプレイで十分。

いずれ巴がメインになるイベントで本来の実力を発揮してくれるはずだ。

 

巴といえば、蓮魔先生とのヤバい関係がポイントだ。

イベントではイングリッドの写真を欲しがるリーナに共感したりして一見まともそうに見えるが、エロシーンではえらいことになっている(担当はしてないが、資料は見た)

 

IFでない本編でもアレがあるのかないのか気になるところではある。

この先、巴がその強さを発揮する場面があったとして、その理由がこのイベントではまだ生えていなかったアレが生えたからだとしたら、ちょっとイヤだ。

 

ボスの千住院弁慶についても述べておこう。

このキャラも最初は別人で、レディ・スマッシャー(粉砕屋)という元傭兵の女サイボーグを考えていた。

 

戦場で身体を失うたびにサイボーグ化していって、顔以外の生身はほとんど残っていない。

回転する爪、マシンガン、ミサイルなど全身が武器で固められ、現地改修を繰り返したのでパーツもバラバラ。
だから、見た目が綺麗なサイボーグであるアスカを憎悪するというキャラだった。
趣味がもろに出ている。

 

その後、巴の追加と同じくして、ボスを超人に変更するということになり、完全な生身でサイボーグと互角に戦う怪人を考えた。
僧兵姿にしたのは、倒したサイボーグの頭を数珠つなぎにしているというビジュアルをやりたかったためで、分かりやすく名前も弁慶にした。

 

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ちなみにこの人、サイボーグ狩りとは別に宿命のライバルがいたりする。

イベントにはまるきり反映されてないが、設定には書いた。
自分と同じくらいに強靱な肉体を持ちながら、鍛錬ではなくドーピングで強くなろうとする、サイボーグ以上に許しがたい男。

 

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そう、マッスル団のボス、マッスルジョーその人だ。

ファイトスタイルも対照的で、生身にこだわるくせに武器は山ほど使う弁慶と、ドーピングしまくりだが戦いは素手で行うマッスルジョー。
この二人の決闘はさぞ盛り上がると思うのだが、そんな男同士の熱い関係など知らぬまま、二人ともアスカが倒してしまった。

 

 最後に、仮面の対魔忍へのおすすめプレゼントについて。
アロマやハーブティや入浴剤については、特にこれといった実在の商品イメージはないのだが、お菓子だけはちゃんと考えていた。
イベント中には名前を出してないが、せっかくなのでここに書いておく。

 

まず羊羹はとらや
老舗中の老舗だ。

でかいのを一本買うと結構な値段がするが、この一口サイズの詰め合わせとかは5本で1400円ほど。数は好きに増やせるし、ちょっとしたプレゼントにもいい。

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とらやカフェとかでも売っている、あんペーストなんかも楽しい。

私はこしあん派だ。

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そしてチョコレートは、この店「La Maison du Chocolat: ラ・メゾン・デュ・ショコラ」のをイメージしている。

 

一番オーソドックスな、この16個入りで5400円。はっはっは。f:id:masaki_SSS:20191201143604p:plain
しかし、アスカの言う通り、高いけれど本当に美味しい。

美味い美味いと口に放り込むとあまりにもったいないので、一日一つか二つ、コーヒーや紅茶と一緒にじっくり味わいたい。

あげて嬉しい、もらって嬉しいプレゼントだ。