ほらぁ、お姉さんに正直に白状しなさい



他人のシナリオチェックも無事終わり、自分のシナリオの続きに戻る。
プロットを見ると、クライマックスに向けてジャンプするための大切な山場で、久しぶりにイベント絵も出てくるようだ。


ただ、こういった通常シーンの(Hシーンでない)イベント絵の場合、「イベント絵である」ということそれ自体が、シナリオを書く上での制約になったりもする。
というのも、表情や仕草など、その絵が出せない文章はやはりちょっと書きにくいからだ。


エロゲのイベント絵では、まず基本となる絵があり、それに何種類かの差分があって、それらを切り替えて使うのが一般的だ。
たまにポーズが変わることもあるが、大抵は表情のみの変更で、それも立ち絵ほどのバリエーションがないことが多い。


例えば、メイド(ツンデレ)が登場するシーン。
お盆を持ったメイドがいて、基本はノーマルな顔をしている。それに笑った顔、怒った顔の差分がある。
つまり、ベース込み差分三つ。ま、良くあるパターンだ。


こんな場合、普通の会話、喜んでる会話、怒ってる会話は当然できるのだが、そこから離れた会話、例えば「わたわた慌てている」なんていうのはやりにくくなる。
しかも、キャラの目線はこっちだから、「気まずそうに目をそらし」なんて表現もしにくくなるし、「寂しそうに」なんていうのはどの顔を出してもかなり辛い。
なまじ、立ち絵のときはパカパカ変えてやっているから、余計に同じ絵がずっと出ているような気になってしまう。いや、実際出てるんだけど。


字コンテで絵を発注するときに、あらかじめ想定される表情を全部出せていればいいのだが、やっぱり実際にそのシーンを書いてみて初めて分かる「流れ」というのがあるからなかなか難しい。
もちろん、差分を追加できればなにも問題ない。
ただ、スケジュール上、料金上、絵の枚数にはやれる規模というのがあるからそうは増やせない。先のメイドの例でいったら、ノーマル顔に頬初めを足して、照れ顔を作るくらいか。ツンデレだしな。


また、エロ重視のゲームの場合、最初から使える差分はエロシーンに多く割り当てられているので(そうすべきなのだが)、通常シーンの差分はたいてい少ない。下手をすると、基本一枚だったりすることもある。
そうなったらもう開き直って書くしかないから、出ている絵とは関係なく、キャラは笑ったり怒ったり照れたり泣いたりすることになるわけだ。
なんだかなあ、という気分にはなるのだが。


ちなみに、今やってるのは差分が豊富。実にありがたい。