本は買わずに。

最近、また図書館に行くようになった。
Googleは、疑問が浮かんだその瞬間に使えるという点で偉大だが、一つのジャンルについて一気に情報を仕入れたいときは、やはり本を読むに限る。
ずらりと並んだ本は、それだけで何か自分が賢くなったような気になる。
むろん、気になるだけだ。
ともかく、いちいち買っていては財布が持たない。なので図書館。
そして、図書館はタダであるだけではなく、調べ物のスペシャリスト図書館員の存在が大きい。
「明治、大正くらいの古いSMの本。小説の他にハウツー本など、できれば写真入り」などという妙な要望にも応えてくれる。
ここ、レファレンス共同データベースには、そういった図書館員たちが調べた事例が載っている。
例えば、先のSM本よりも難しそうな
大正時代初期に立川にあったパイロット養成所の、当時の入学手続き、生徒数(またはクラス数)が知りたい。また、校舎の写真が見たい
こんな質問にも、ちゃんと文献付きで返事が載っている。
いったいどうやって調べているのか。やはりプロはすごい。


ただ、家で仕事をするようになってからは、そんな図書館からも少し足が遠のいてしまっていた。
何かについて広く調べたくなった時に行くが、ちょっと読みたい本など特定の一冊を借りに行ったりはしない。そういう使い方だ。
Amazonなどですぐ買う癖がついてしまったこともあるが、近所にある図書館はどれもネットで検索予約ができないということが大きな理由だった。


とここまで書いた時点で、東京のどこに住んでいるか特定できる。
大田区である。
都内で唯一、図書館がネットに対応していない。
さらに言えば、貸し出しカードを作れるのも、区内在住か通勤・通学をしている人だけ*1
隣接する区が、誰にでもカードを作り、誰にでも本を貸し出しているのに比べて、実に対照的だ。
大田区に関係のない奴は使わなくてよい。インターネット? 来れば区内の検索ができるんだから必要なし」
そういうポリシーでもあるのだろうか。どうもそうらしい。


もちろん付き合ってられないので、便利な隣の区の図書館を利用している。
調べたら意外と近くにあった。
なぜもっと早く調べなかったのか、大好きなネットで。
歩いて30分ほど。散歩にはちょうどいい距離だ。
借りた本を10冊もバッグに抱えて行き来するのは大変だけれども。

*1:と、区のサイトには書いてあるが、現場ではある程度柔軟に対応しているようだ。そりゃそうだろう